煌黒の滅竜魔導士   作:皐月の王

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六魔将軍 襲撃

その様子は微笑ましいというものだろう。感動の再会と言っても差し支えない。互いに偽りの内であろう笑顔……片方は涙を流しているが、その涙は嬉しい時に流すであろう涙である。

 

「一年半ぶりだな、元気そうで良かった」

 

「アルバスさんこそ……!元気そうで……良かった!」

 

「なかなか、顔見に行けなくてごめんな」

 

「いいんです……何も分からない私では…ないです」

 

その場の全員が感動したり微笑んでその様子を見ていた。そんな中その雰囲気を区切るように

 

「と言いながらも、密かに寂しがってたのよウェンディは」

 

ウェンディの後ろから声がした。そこにはアーリィと似た白い色の体毛を持ち、服を着ている猫が居た。

 

「言わないでよシャルルー!」

 

「本当のことじゃない。夜になると星空見て寂しそうにしてた癖に」

 

シャルルがそういうのと同時にアーリィが飛んで近づき

 

「シャルル久しぶりー」

 

「あら、アーリィ久しぶりね。相変わらずそうね」

 

シャルルは肩をすくませるように言う。そしてシャルルの視界にハッピーが映る。ハッピーの目はハートが浮かぶ。言わいる一目惚れである。そんなのを気づいてか気づかずかアーリィはハッピーを呼び

 

「紹介するね、こっちがハッピー!同じギルドのナツの相棒だよ。それで、こっちがシャルル。ウェンディの友達だね」

 

ハッピーはアーリィに内心で感謝しながら

 

「オイラはハッピー!よろしく!シャルル!」

 

しかし、シャルルは顔を背ける。アーリィは苦笑いを浮かべる。猫の戯れが行われている。それとは別にアルバスとウェンディに着いて少し言及される。

 

「アルバスとウェンディってどんな関係なの?」

 

「見るからに親しい関係なのはわかるが」

 

ルーシィとエルザがウェンディに聞く。

 

「ええと、7年前に一人でいる所を二人に助けてもらいまして、そのひとりがアルバスさんなんです。二人は私を化猫の宿に連れてきてくれて、アルバスさんは度々様子を見に来てくれたんです。もう一人は……忙しいらしく来れなかったらしいんですけど」

 

「なるほど、そんな過去が……って、アルバスもそんな前からウェンディと会う前その人と二人だったと言うこと!?」

 

「いや、もう1人とはウェンディと会う前に出会って、護衛を兼ねて一緒に旅をしたんだ。それまでは……分け合って独り身になってという感じか。よくある話だ」

 

「ごめん、そんな過去があっただなんて」

 

ルーシィは申し訳無さそうに言うがアルバスは

 

「そのおかげで、アイツやウェンディ、アーリィや妖精の尻尾のメンバーと会うことが出来たんだ。悪ことばかりじゃねぇよ。だから気にするな」

 

「うん、ありがとう」

 

「そろそろ、作戦について話が始まるみたいだぞ」

 

「すまない、少しトイレの匂いが……」

 

「なんで先に済まさないだ」

 

作戦の話がという所で一夜がトイレに行った。

一夜がトイレから戻ると同時に作戦の概要が話される。

 

「ここから北に行くとワース樹海が広がっている。古代人たちはその樹海にある強大な魔法を封印した。その名はニルヴァーナ」

 

一夜が説明し皆はその話を聞いている。ニルヴァーナは誰も知らない。ふんわりとした概要を知るのは青い天馬のメンバーだけであった。そして六魔将軍が樹海に集結している理由もニルヴァーナを手に入れる為だと推察されていた。

 

「我々は六魔将軍がニルヴァーナを手に入れるのを阻止するために六魔将軍を討つ!!!」

 

「こっちは13人、向こうは6人だが侮ってはいけない。この6人がとんでもなく強いんだ」

 

ヒビキが魔法を使いメンバーの詳細を説明する。

 

「毒蛇を使う魔導士コブラ、その名からしてスピード系の魔法を使うと思われるレーサー、天眼のホットアイ、心を覗けるという女エンジェル、情報が少ない男だが、他の5人同様警戒しなければならないミッドナイト。そして奴等の司令塔ブレイン。それぞれがたった1人でギルドの1つは潰せる程の魔力を持つ。我々は数的有利を利用するんだ」

 

(まぁ、数的有利だからな。馬鹿正直に単独で相手にする方が馬鹿だろうけど。そう簡単に行くとも思えないんだよな)

 

話を聞きながらアルバスは考えていた。六魔将軍とこっちの戦力について。面々は各ギルドから代表で来るだけはあって実力者である、アルバスから見て、自分のギルドを除けばリオンやジュラがこと戦闘に置いては信用出来るかもしれないと考えていた。話が佳境に入った段階で

 

「アーリィ、作戦が始まったらウェンディに着いてくれるか?」

 

「いいけど、なんでヒソヒソ話?」

 

「それは後々な」

 

「分かった」

 

作戦の話は続き、魔道爆撃艇で1箇所に集めた六魔将軍を討つという話になったのだが

 

「6人まとめてオレが相手してやるァー!!!」

 

ナツが飛び出した。

 

「あんのバカ!作戦聞いてんのか!?」

 

「仕方ない、行くぞ!」

 

「ったく、あのバカ!」

 

アルバスを除いた妖精の尻尾のメンバーはナツを追いかけて走り出す。それに続くように蛇姫の鱗のリオンとシェリー、青い天馬の三人も走り出し、ウェンディもシャルルに引っ張られて出る。アーリィはウェンディに着いていく

 

「やれやれ……」

 

「メェーン」

 

「はぁ……」

 

建物に残っているのはジュラ、一夜、アルバスの3である。

 

「なにはともあれ作戦開始だ、我々も行くとしよう」

 

「その前にジュラさん。かの聖十大魔道の1人と聞いています、そしてアルバス君もそれに匹敵すると……」

 

そう一夜が話し始めた瞬間。

 

「ジュラさんはトイレの本物の一夜を助けてやってくれ」

 

アルバスは目を細めて言う

 

「どういうことだ?彼なら……」

 

ジュラが喋るより早くアルバスは一夜の顔面に蹴りを入れた。ツッコミとかの域ではなく、敵対者に放つ本気の蹴りである。床をバウンドしながら転がり、正体が顕となる。

 

煙が一夜から吹き出て、気がつけばそこには二体の人形のような星霊が出てきた。

 

「アルバス殿これは一体!?」

 

「星霊でしょうね。おそらくトイレに行った時に入れ替わったんでしょうね。こっちの作戦は筒抜け……と見ていいですね。ジュラさんは一夜を連れて合流を!おそらくここに一人はいるオレはその相手をするんで」

 

「しかし!」

 

「大丈夫ですから!」

 

ジュラはアルバスの言葉を聞き、少し考え

 

「分かったそちらも気をつけるようにな!」

 

ジュラはトイレに向かい一夜の救出に向かう。アルバスは大きく深呼吸して

 

「居るんだろ?星霊が襲撃を掛けてきたからいると思うんだけど……。それとも、辺りを更地に変えても良いと言うなら構わねぇぜ?」

 

アルバスがそう言うと奥の部屋から女性が歩いてくる。露出度の高い服を来た白髪の女性である。

 

「どうして分かったんだゾ?ジェミニの変身は完璧のはずだゾ」

 

アルバスを見下す様に見ながら尋ねてくる。

 

「別に、少し匂いと気配が変わった気がしてな。確証は無かったけど、わざわざ聖十大魔道のジュラさんの実力の確認して怪しすぎるとなったからな。あと、仲間の実力を聞くなんて愚行だろ。何かを聞くのならともかくな」

 

逆にアルバスは女性を…エンジェルを見下ろしながらに言う。

 

「そういう事か。けど、ここでお前を消せば、万事可決だゾ。開け彫刻座の扉、カエルム」

 

機械みたいな星霊が現れアルバスに向かいレーザーのような攻撃を放つ。アルバスは一歩も動かず直撃したように土煙が舞う。

 

「大したこと無いんだゾ」

 

エンジェルは笑いながらに言うが、土煙の方から声がする。

 

「全くだ、この程度で倒したと思うんなんて、大したことないな六魔将軍も!」

 

アルバスを守る様に数本の剣が展開されていた。その様を見てエンジェルは冷や汗を流しながらに呟く

 

「そうか、お前が『千剣の王者』……!」

 

「闇ギルドまでその名前が知られているなんてね。……投降しろ。実力差が分かってるんなら、痛い目に会いたくないだろ?」

 

アルバスは投降するように言う。だが、それで投降するのならバラム同盟を代表する闇ギルドの一角を担う六魔将軍に所属していないというものである。

 

「投降?何甘いこと言ってるんだゾ?六魔将軍は負けない…一人一殺!来い!白羊宮の扉、アリエス」

 

健気と言わんばかりのオーラを纏うモコモコの服を着た美少女の星霊が現れた。戦闘用という雰囲気は無い。だが、戦闘が出来ないと言う訳でもないと言うのはアルバスも見てわかる。

 

「見るからに戦闘用じゃない星霊を向けるなんてな?」

 

「戦い方次第という訳だゾ。アリエス、カエルムを持ってアイツを殺すんだゾ!」

 

アリエスはエンジェルの命令を聞き、剣の形態へとなったカエルムを手に持ちアルバスに向かう。牽制で綿を作り出しアルバスの動きを阻害する。

 

「なるほどな」

 

「ごめんなさい!」

 

そして、そのまま振り下ろされる。身動きの取れない人物ならその一撃で勝敗はつく。現にアルバスは身動きが取れない状況である。エンジェルは仕留めたと思った。しかし

 

甲高い金属音がぶつかり合う音が響く。予想だにしていないその金属音は目の前で響く

 

「悪いね、この程度でやられるなら……オレは呼称と言えども『王者』とは呼ばれてねぇよ」

 

アリエスの攻撃を召喚した剣で受け止めていたのだ。拘束されていようともアルバスはノーモーションで剣を召喚しアリエスの攻撃を防いでいたのだ。それはエンジェル、アリエスの動揺をひき、一瞬の隙を生むことになる。瞬時に綿を別の剣で切り裂き拘束を逃れ。

 

「オラァ!!」

 

アリエスが持つカエルムを片手剣ではじき飛ばし、召喚した大鎌でアリエスを切る。

 

「がっ…いぎっ…!?」

 

苦悶の声を上げながらアリエスが崩れ落ち、星霊界に閉門された。エンジェルがそれを認識した瞬間には…エンジェルの眼前にアルバスが居た。

 

「なっ!?」

 

「次は出させないぜ?」

 

アルバスの手にはガントレットがつけられており、そのまま腰の回転を活かし

 

「ふっ!!」

 

魔力を乗せたボディブローをエンジェルに叩き込む。

 

「あがっ……!?」

 

体がくの字に折れる。息が出来なくなる。酸素を求めて呼吸をしようとするが鳩尾に入っており呼吸ができない。それだけではなく、次に待っていたのは

 

「大人しく、寝てろ!!」

 

顔面を捕まれそのまま地面に後頭部から叩きつけられる。顔には傷をつけずに無力化をする。

 

「女の人の顔は傷つけるなって……ミラが言ってたし、これでいいよな。つうかこいつ星霊魔導士かよ。しかも、黄道十二門の鍵持ってんじゃん。回収してルーシィに渡すか」

 

アルバスはそう言い、エンジェルを縛り担ぎ急いで皆の後を追いかける。

 

「お……おい、どういうことだよこれは……!」

 

そこには満身創痍で倒れている連合の面々の姿があった。そこにウェンディとハッピー、アーリィが居ないのに気づくのにそう時間はかからなかった。




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