ちなみに作者はブルアカにわかです。
皆さん初めまして! 僕は今、ロッカーに隠れています! 背中に銃を持って......。
しばらく息を潜めていると足音と共にいろんな声が聞こえてきます。
「連邦生徒会長はどこですか!?」
「連邦生徒会長! ミレニアム製の備品が爆発しました!!」
「会長! ゲヘナがトリニティの生徒を誘拐しています!」
「生徒会長! カイザーが他企業へ圧力をかけているようです!」
「会長!! 災厄の狐が暴れています! SRTに要請を!!」
「会長!!」
わぁ、モテモテだ~。と現実逃避をしながらも足音が消えるまでじっと待ちます。
1, 2, 3, ...。よし、全員どこかへ行きましたね。とロッカーの外に出ます。
「ここにいましたか。連邦生徒会長」
「あ、リンちゃん。こんなところで奇遇だね」
ロッカーの前に立っていたリンちゃんにあっさりと見つかった僕はそっと視線を横にずらす。
はい。お察しの通り僕の名前は■■。透き通るというわりには治安が終わっているここキヴォトスで連邦生徒会長をやっています。
「今度は何考えているのですか?」
「いや~、ちょっと狭いところが恋しくなって?」
「なんで疑問系なんですか。......まあいいです。あなたの秘密主義についても理解しているつもりですから」
「あはは......」
ため息をつくリンちゃんに思わず普通の生徒*1のような笑いをしてしまいます......。
ただかくれんぼしたくなっただけなんですが。いえ、オンラインゲームで遊んでいたときに
某クイーンと当たってしまい、ぐうの音も出ないほどけちょんけちょんにされたからって
ロッカーに入ればユズさんみたいに格ゲーに強くなれると思ったわけではないんですが!!
記憶の片隅に残っている“原作”の記憶を頼りにあっちやこっちや走り回っていただけなのに
いつのまにか超人やら未来人やら意思を持ったオーパーツやらアンドロイドやら言われています。......僕は人じゃなかった?
まあいいです。キヴォトス人には犬やロボットがたくさんいるんです。
人の姿をしていても隕石降らしたりするどこかのピンクゴリラさん*2や瞬間移動するナースさん*3のように君たち本当に人ですか?
と思わず聞きたくなってしまうキヴォトス人と比べたら僕なんて転生しただけの凡人です。
たしかに僕の身体は超人たるスペックを持っていますが中身は一般通過転生者でしかありません。
めちゃくちゃ容量の多いハードウェアであってもソフトウェアがポンコツだと意味がないんですよね。
ただちょっと人より頑丈で隕石が当たってもたんこぶができただけだし、
不眠不休で一週間働き続けたことがばれて“救護”されかけたときも健康診断の結果、
健康優良児だと判明して背後に宇宙を背負われたりもしましたが
本当の連邦生徒会長であればたんこぶなんてできないし、そもそも“救護”の対象にならないはずです......。
やはり僕はまだまだですね。原作の連邦生徒会長のような超人にはほど遠いでしょう。
「ところで会長。例の探し
「ぜんっぜん見つからないよ~。もうちょっと探す時間を確保しないといけないかな~」
「無茶はしないでくださいね? あなたが倒れるとキヴォトスは機能しなくなりますから」
「その時はリンちゃんに頑張ってもらおうかな」
ニコニコとリンちゃんを見つめると目をそらしながらため息をつかれてしまいました。
リンちゃんの態度に苦笑しつつ探し
「あなたの代わりはいないんですよ? 会長」
リンちゃんの呟きを聞こえなかったフリをして......。
「うへぇ。机が......」
会長室に戻った僕の目に飛び込んでくるのは僕の背よりも高い書類の山々です。足場もありません。......どうやって運び込んだんですかね? きっとなんらかの神秘パワーが起きたのでしょう。
今日も先生の居場所を探す時間は少なそうだと思わずため息をつきそうになりますが頭を切り替えて早速書類を捌き始めます。
僕の印鑑が必要なものと不要なものに選別し、不要な書類はリンちゃんに任せてよいですね。リンちゃんが書類を捌いている間にユキノに連絡をいれましょう。トリニティの話はナギサさんに任せれば丸く納めてくれるはず......というか連邦生徒会が手を出すのは越権行為になりますね。なんでうちに連絡を?
う~ん。カイザーの案件はカヤちゃんに投げればよいですね。ついでにカイザーとずぶずぶの関係にならないように警告もだしておきましょう。ワカモはFOX小隊とWOLF小隊を出せば戦力が足ります。丁度よいのでFERRET小隊も実践経験のために投入しましょう。
「会長。お呼びですか?」
「アオイちゃん。この備品を持っていってくれる?」
「......かしこまりました。よろしいのですか?」
「もちろん。そのために用意したものだからね!」
「はぁ、そうですか......」
歩きながら連絡をとっていたアオイちゃんが部屋にやってきたので爆発したという備品を渡しておきます。
「どうかした?」
「いえ、相変わらずだなと思っただけよ。気にしないでちょうだい」
「そう? よろしくね!」
なかなか退出しないアオイちゃんを不思議に思い首をかしげると若干険しい顔が見えます。
本人が気にしなくて良いというなら大丈夫でしょう。......もしかして僕が一般人だってばれましたかね?
内心ドキドキしつつもアオイちゃんを送り出したら書類の確認を進めていきます。
「リンちゃん。あとはお願いね」
「ええ。お任せください」
なんとか日が暮れる前には書類の処理を終え、残りをリンちゃんに任せます。残っている資料も少し多いけどリンちゃんなら無事に処理できるはず。頼りになりますね!
少し遠回りした先の廊下でアユムちゃんにリンちゃんの補佐をするように一言添え、先生を探すためにD.U.の外に出ます。
昨日はアビスを探しましたし今日は廃墟にでも向かいましょう。
どこへ行くのか告げずに部屋を出ていく会長を見送り書類へと目を落とす。
「相変わらず......ね」
アオイの言葉に同意してため息をつく。完璧超人な会長様は私達を頼りにしてくれない。
たしかに書類の処理や雑務こそ任せられることはあれど重要な事、大変な事は全て一人で済ませてしまう。
でも、それに納得してしまう私自身に腹が立つ。アオイも心中複雑でしょう。
少しでも会長の手助けをしたいのに、未来視を想起する采配を、同時平行で数十種類の仕事をこなす事務処理能力を、
キヴォトス最強の実力を、会長を知る度に自らの無能さを実感してしまう。
会長が任せられないと判断したことに口を挟むと足を引っ張ってしまうから......だから少しでも、簡単な事でも手伝いができる嬉さと簡単な事しか任せて貰えない悔しさとが混ざりに混ざってやるせない顔をしてしまう。
足場がなかった部屋も私が机一つ分の処理している間にスッキリしている。会長ほど早く処理することはできないけどこの分なら明日の朝までに終えることができそう。
「リン先輩。会長に呼ばれてやってきましたよ~」
「アユム......そうですか。こっちの書類をお願いします」
会長は私だけではこの量の書類もできないと......いえ、会長の優しさで徹夜にならないように采配してくれたのでしょう。
私ももっと精進しないといけないわね。今のままでは会長一人抜けただけでキヴォトスが滅ぶかもしれないから......いえ、そんなことよりもあの子の幼馴染みである私が彼女を独りぼっちにしないために......。
リンちゃん視点は上手く書けてるでしょうか? 解像度高い人凄い