大切な人と世界を守るため従魔に人間を喰わせた悪役( 作:アルビノ指
ここの世界に納得のいかない方も多いと思う。
現代ダンジョンは娯楽なのか?
職業なのか?義務なのか?
~以下、説明~
現代の治安が悪化したというなら、現代ダンジョンは義務的である上で職業にもなり得る。銃社会では、誰かが銃を持ち始めたら、周囲は自己防衛のために銃を持たなければならない。銃とはすなわちレベルと魔道具。銃社会と比較すると、魔道具は高すぎ、レベルは得るために一定のリスクを背負う。
ダンジョンが世界中に発生し、殺人による死亡率、これも世界中で軒並み上昇した。現代において自己防衛は、そして、そのための二つの手段は必須である。
攻撃的魔道具の売買は日本国内で禁止されており、ダンジョン攻略時のみこれを所有することができる。ダンジョンに入った冒険者は、犯罪行為の疑いを避けるため、周囲の状況の録画が義務づけられており、有事の際はこのデータを提出しなければならない。
(という訳で、私がソロで潜るときは、録画を切っている。ダンジョン内で何かあって、提出が求められたら、詰む。)
ダンジョン内で危険に陥った際は、パトロールへ連絡することができる。安全のためには、パトロールの近くでのレベル上げが推奨される。近頃は、必要もないのにパトロールを呼ぶ行為が問題視されている。
~説明終了~
さて、ここまで理解できれば、なぜ私たち学生がダンジョンに潜っているのかも納得がいくはず。私たちの家は魔道具が買えるほど高所得ではなく、きちんと安全マージンを取った上でレベル上げをしているのだ。
~さらに説明する者~
この状況(レベル上げ)は危険な野生動物を観光する状況に似ている。最良はガイドか魔道具を貸与された状態で潜ることである。たいていは魔道具貸与の代金より大きい利益が得られ、ここでいう利益はレベルの上昇をさす。スキルの獲得や、魔道具の入手が利益となる場合もある。
~終了~
上記の内容をふまえて。わたしたちは魔道具を貸与され、なるべくパトロールの近くでレベル上げをしているのである。録画もしている。ノーマを呼び出す場合には、念のため録画にも映らないよう注意しなければならない。
私たちのパーティーは剣士、魔法使い、テイマーだ。今日は二人、私の幼馴染のみーちゃん。明るい子で、私はつるんでいただいている形になる。
「回復魔法使い、パーティーに一人でもいればいいんだけどねー」
みーちゃんの言うことももっともなのだが、回復魔法の使い手は他のスキルよりも少ないので、ダンジョンの入り口や安全地帯に待機して時々魔法を使うだけで高収入。同伴しているのは上位のパーティーくらいだ。
「かなー、そういう魔物とか、テイムできないの?」
「そういう魔物は、珍しいから、むり」
少なくとも下位レベルでは会えないし、会えても、下位レベルではテイムできない。うちのノーマは再生能力はあるけれど…。
「テイムできても、このパーティーやめないでね?」
頷くと、頭を撫でられた。
ここまでが私の日常、ここからが非日常。
私はいつも夜更かししている。町湧きを狩るため。だから、学校ではいつも眠い。
ノーマは鼻がいいし気配にも敏感なので、効率的に町湧きたちを狩ることができる。私自身はサポートに回るだけ。
とはいえ私もノーマと共にレベルが上昇し、お互いレベル50を超えている。なんか、常人では到達できないらしい…。
お陰で、私はノーマを強化し、ノーマも私を強化することができている。テイマーはレベルが上がっても雑魚だけれど、その魔物のバフはそうじゃない。この状態の私には強力な防御魔法がかかっている。
今日はノーマに任せっきりだった。
そしてこの日、私はノーマが誰かに見られたことに気がつかなかった。