地球親善大使アリスティア   作:生焼きマンガ肉

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動画配信

 マルデアに帰った私は早速試作品のスイ〇チを自宅の魔力源とデバイスに接続してシアターモードにしてみた。

「やった。成功した!」

 スイ〇チは問題なく起動した。

 変換器はどちらも正常に働いていて魔力を上手く電気に変換されて、スイ〇チの映像出力もマルデア向けに変換されてデバイスにちゃんと表示されている。

「これは朗報だから、外務省と任〇堂にメールをしておこう」

 私のデバイスは地球においている自分のパソコンを遠隔操作できるように設定していた。

 その為、電話は無理でもメールだけならマルデアにいても問題なく地球とやり取りできるようになっている。

 このメールアドレスは外務省と任〇堂しか知らないので一応機密情報に当たるだろう。

 私の送ったメールに任〇堂はすぐに返答してくれた。

 やはりあちらも成功したことに喜んでくれていた。

 すぐに変換器を含めたマルデア向けのスイ〇チとコレクションパックの製作準備に取り掛かるらしい。

 こちらも変換器の魔術部品を量産しないといけないから父に相談することにした。

「なるほどな。それでは取引のある企業に頼んで生産してもらうとしよう」

 話を聞いた父は快く引き受けてくれた。

「父さん、ありがとう」

「正直言ってここまで話がうまくいくとは思わなかったからな。アリスティアが此処まで頑張っているのだから私も誇らしい」

 ぶっちゃけると資産家の跡継ぎ以外の子供はいろいろとひねくれる事が多いから、必死にこれまでにないことに挑戦している私に思うところがあるようだ。

 

 とはいえ、地球の生産準備やこちらの魔術部品の生産などには時間がかかる。

 しばらく待つ必要があった。

 その空いた時間で少しやりたいことがあった。

 私はデバイスを使って地球にインターネットにつなぐ。

 地球のインターネットはマルデアのネットワークとはまったく違うので互換性がないが、それでも地球に置いているパソコンを遠隔操作する形でデバイスから地球のインターネットに接続できるのだ。

 開いたのはニ〇ニ〇というサイトだ。

 これは日本の動画サイトである。

 ニ〇ニ〇は一昔前はかなり勢いがあったが、今ではかなり寂れている動画サイトだった。

 現在では世界的に有名な動画サイトと言えばよ〇つべで、ニ〇ニ〇は日本のオタク向けのマイナーな動画サイトになっていた。

 しかし、私は地球の言語は日本語しか話せないから世界に向けて発信する必要はないし、ゲームをこよなく愛するゲームオタクとしては、日本のオタク向け動画サイトには興味があった。

 このニ〇ニ〇を使ってマルデアを日本の人たちに紹介しようと思う。

 私個人がこの星の映像を撮影して地球に送ることは魔術省が許可していたので、動画サイトに投稿しても問題にはならないだろう。

 私は手に持ったカメラを自分に向けて自撮りをする。

 既に私の存在は地球全土に公開されているので、身バレなど気にする必要はない。

 街中で録画ボタンを押して撮影を開始する。

「こんにちはアリスティア・ハイベルです。現在私はマルデアの市街地にいます。このチャンネルでは、日本の皆さんに私やマルデアの事をお伝えしていきたいと思います」

 日本語で話して、私はカメラを市街地に向ける。

 マルデアの家は地球と違い丸みを帯びた建築だ。

「マルデアの建物は地球とはかなり違うと思うでしょうが、これは建築魔術によって作られたものです」

 私は歩きながら説明していく。

 街中を歩きながらそれらを撮影していくだけの内容だったが、20分ほど撮影して、できた動画をニ〇ニ〇に投稿した。

 ユーザー名は日本語でアリスティア・ハイベルである。

 そのまんまであるが、その方が分かりやすいからね。

 誰にも教えていなかったこともあり、初日はそれほど再生されなかった。

『これ本人か?』

『フェイク動画じゃないのか?』

 コメント欄ではどうもフェイク動画だと疑われているようだ。

 ただ途中からはネットで話題になったことから翌日からは爆発的に視聴者が増えた。

 既に一千万回再生とかわけわからない状態になっている。

 動画の撮影手法自体は素人なんだけど、やはり宇宙人や地球外文明の映像は極めてレアなのだろう。

 よく考えたらこんな映像は他では見れないからね。

 SNSでも私の動画はかなり高評価だった。

 

xxxxx@xxxxx

『この動画は偽物じゃない。完全に記者会見のアリスティア・ハイベルと顔や声が一致している』

xxxxx@xxxxx

『AIのフェイク映像でもないよ。ガチで本物だよ』

xxxxx@xxxxx

『宇宙人が動画配信者になるなんて映画でも見た事がないぞ』

xxxxx@xxxxx

『まさに事実は小説より奇なりだな』

xxxxx@xxxxx

『あっさりと配信されているけど世紀の大発見レベルだよ。こんなのニ〇ニ〇で投稿していいのかよ?』

xxxxx@xxxxx

『それは個人の自由だよ。地球外の映像を配信してはいけないなんて規定はないから問題なしだよ(笑)』

xxxxx@xxxxx

『This site is slow to load』(このサイトは読み込みが遅いです)

 

 好評なのはいいけど途中から日本人以外の人もコメントしているね。

 これ日本人を対象にした動画なんだけどね。

 デバイスで確認すると日本だけでなく世界中で話題になっているようだ。

『宇宙人アリスティア・ハイベルが動画配信を開始!』

 そんな見出しで私がテレビにドアップで映っていた。

 地上波では日本国外は字幕を付けて伝えてくれている。

 私が使っている日本語は英語程メジャーな言語ではないが、それでも地球ではそれなりに使用人口が多い言語なので字幕をつけるのは容易なのだろう。

 

 その後、私は日常系としてマルデアの市街地を舞台に撮影した動画を何本か上げると、それらはいずれもバカみたいな再生数になった。

 地球で唯一地球外文明の映像を見れる場所だから当然と言えば当然だろう。

 世界中の研究所や大学で、学者たちが私の動画を解析しているみたいだしね。

 一般の人もマルデアの雰囲気を楽しんでくれている。

 コメントが沢山ついていて、いい交流になっていると思う。

 そういえばいい事ばかりのように聞こえるが、アクセスが集中しすぎた結果ニ〇ニ〇の回線に大きな負荷がかかっているらしい。

 どうもニ〇ニ〇はサーバーがそこまで強化されていないからアクセスが集中しすぎてしまうと対応できないようなのだ。

 当然ながらニ〇ニ〇の運営会社に世界中から苦情が殺到しているらしく、運営が利用者に謝罪しているらしい。

 運営会社に迷惑をかけてしまったみたいですね。

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