「先生の妹さんである黒崎コユキさんは、いまミレニアムサイエンススクールという学園の反省部屋に入れられているそうです」
その言葉を聞いた私は、とりあえずスルーして七神さんと共に『先生』に用意されているらしい【シャーレ】という施設に向かうことにした。
「コユキさんのことはよろしいのですか?」
「うん、なんか、変わってないみたいで安心したよ。
相変わらず問題児みたいだね」
「えぇ、彼女の破天荒さにはセミナーの皆さんも手を焼いているようです」
「セミナー……講習会?」
「いえ、ミレニアムサイエンススクールにおける生徒会のようなものです。
もっとも、一応ではありますがコユキさんはセミナーのメンバーなわけですが……」
「ウチのコユキが生徒会?不思議なこともあるもんだね……
あ、もしかして能力採用みたいな感じ?」
「詳しいことは私にも分かりかねますが、気になるのでしたらこの後本人に聞いてみてはいかがですか?」
「あ~、うん。そうさせてもらうよ」
「カナシミモイカリモスベテインスウブンカイシテヤルワ!」
話しながら歩き続け、どこかで声と銃撃戦の音がしているのをスルーしつつ、シャーレへと到着した。
電気がついていない部屋を進み、地下室へ。
中へ入ろうとしたところで、人影が見えた。
「お渡ししたいものがこちらの部屋に……」
「うーん……これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも……」
「……狐坂ワカモ、いったいここで何をしているのです?」
「え、だれだれ?」
狐面の女の子がそこにはいた。
綺麗な声だな~と思いながらも七神さんの反応を待つ。
「矯正局から脱走したとは聞いていましたが、まさかシャーレの中に侵入していたとは……
何が目的ですか?」
「重要なものがありそうな雰囲気でしたので壊して回ろうと思っていたのですが……
その……そちらの方は?」
「あ、初めまして~黒崎先生だよ~」
「はい、は、初めまして……あぅ、その、本日は、失礼いたしましたぁ~~~!!」
「??なんで?」
私の顔を見るたび真っ赤になって飛び出していってしまった……。
私が何かしただろうか?
「え、私なんかした?」
「いえ、私にもよくわかりませんが……
とりあえず、先生、こちらを」
タブレットのようなもの、とうかまんまタブレットでは?
それをこちらに手渡してくる。
「なにこれ」
「これは【シッテムの箱】。
連邦生徒会長が残したタブレット型デバイスです。
どうにも私たちには起動すらもできないらしく、もしかしたら先生なら」
そう言われシッテムの箱の電源を入れる。
『パスワードを入力してください』
パスワードなど知らない。
知らないはずだが、頭に浮かぶ言葉があった。
……我々は望む、七つの嘆きを。
……我々は覚えている、ジェリコの古則を。
そう入力すれば、ロックは外れ、机で寝ている少女の映像が映る。
コユキが出てきてないのはお許しください
プロローグのようなものだと思っていただければと