もしも先生がコユキの姉だったら的な話   作:リズリンザ

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黒崎先生の1日目-3

「おはよう、寝坊助さん」

 

机に伏して眠っている少女に声をかける。

 

……反応はない。寝息は聞こえるし、呼吸しているように見えるから生きている、でいいのかわからないけど、とりあえず眠っているだけのようだ。

 

そもそもここはどこだ?

崩壊した教室のような空間。足元には水があるし、さっきのシッテムの箱とかいうタブレットの中なのだろうか?

だとしたら私の身体は?

 

「んぅ……」

 

そんな考え事をしているうちに、少女は目を覚ます。

 

「はれ?あれ!?ううぇ!?せ、先生!!??なんで!?」

 

「やぁ、君がシッテムの箱かい?」

 

「あわわ、あぁ、は、はい!

私が【シッテムの箱】メインOSのA.R.O.N.Aです!アロナとお呼びください!!」

 

「うんうん、よろしくA.R.O.N.Aちゃん」

 

A.R.O.N.Aという名前の少女はこのシッテムの箱というデバイスのOSらしい、少女の形をとっているのはよくわからないが、意志疎通でやりたいことができるのは便利だ。

 

「あの、先生?」

 

「どうしたの?」

 

「せ、生体認証を行いたいので、こちらに来ていただけますか?」

 

「ん、いいよ。はい」

 

「ではお手をお借りしますね、指紋情報を記録しますので!」

 

「おぉ、すごいね。指紋の形を覚えられるんだ」

 

「はい!目視確認ではありますが、しっかり覚えますので!!」

 

「あっ」

 

そういって私の手から手袋を外す。

 

「むむむ、む~こんな感じですかね?はい!覚えました!……多分」

 

「え?今多分って言った??

私困っちゃうよ?これのロック解除できなくなったりしたら!」

 

「だ、大丈夫です!顔と声も一緒に覚えましたから!指紋がダメだったらそっちで開けます!!」

 

「大丈夫かなぁ」

 

この子機械なんだよね?

ちょっと不安だぞ、私

 

「うん、わかった。これからよろしくねA.R.O.N.Aちゃん」

 

「はい!"黒崎先生"!

…………?」

 

うんうん。

元気でいい子だね。とても機械だとは思えない。

 

ホントに、いい子だ。

 

 

 

 

 

「ありゃ?」

 

気がついたら元の部屋に戻ってきていた。

 

「無事使用できたみたいですね」

 

リンちゃんが隣でホッとしたような顔でシッテムの箱をみている。

 

「私、いま何してた?」

 

「?? シッテムの箱のロックを解除しましたが…」

 

「なるほど……ふむ」

 

意識だけA.R.O.N.Aちゃんのいる世界に行っていたってことかな?

不思議だね。

A.R.O.N.Aちゃんも、

これを私に託した連邦生徒会長も。

 

「うーん、リンちゃん。これを入れられるホルダーとかあるかな?さすがにタブレットをそのまま持ってるのはちょっとね」

 

「そうですね……あっ、こちらでいかがでしょうか?」

 

リンちゃんが持ってきてくれたのはリボルバーのホルスターを改造したようなものだった。

受け取ってみると、上等な皮のようなもので作られているようで頑丈そうだった。

そしてまさかのシッテムの箱もぴったり入る。

なんて好都合なものが置いてあるんだ……。

 

「では、案内は終了ですので、私はこの辺りで。先生が所属する『シャーレ』に関しては、上の階の執務室に資料を置いておくように手配しておきますので、先生は妹さんを迎えに行ってあげては?」

 

「気遣いありがとうね。リンちゃんもここまでありがとう」

 

「誰がリンちゃんですか、はぁ、まぁいいでしょう。

改めまして、ようこそ、ギヴォトスへ」

 

 

 

 

「OK、A.R.O.N.A。ミレニアムサイエンススクールってどこにあるの?」

 

『はい、はい?なんですかその聞き方は~!私はそんじょそこらのスマホとは違うんです!ちゃんと呼んでください!そうしたら教えて差し上げます!』

 

「はいはい。A.R.O.N.Aちゃん、妹を迎えに行きたいからミレニアムサイエンススクールの場所を教えてほしいな?」

 

『仕方ないですね!!それじゃあ、案内をしますね!先生のスマホにギヴォトス全域のマップをインストールしました!そこにミレニアムサイエンススクールまでのルートを表示させました!』

 

「わぁお、すごいね。端末情報も教えてないのにデータをインストールできちゃうなんて。私のスマホにはいいけど、ほかの人にはやらないでね?」

 

『わかっていますとも!』

 

「じゃあ向かいますか~」

 

 

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