お前ら世界の闇やれ(脅迫)   作:ナナの四六三

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日刊41位を貰いました。多分☆10を貰ったおかげっすね。その昔にいたけど随分前に存在が消滅してしまったとあるポケモンと一緒の人以来です。もしかしたら新生した本人かもしれないですね。とりあえず感謝〜。あと遅れて申し訳ないけど続きが思いつかないから許してね☆許せ。やっぱスランプであります!忙しくなるので次回更新は遅れるであります。


あんま展開変わってねえな?

 ジリリリリリリリ、グシャ。妙に頭に響いた破壊音で、俺は自分がやらかしたことを自覚した。想像通りだとするならば、俺は今から己の罪と向き合わねばならない。意思に反して閉じようとする重い瞼を何とか持ち上げると、やはりというかなんというかベッドのそばの棚に置かれた、実家から持ってきた古き良き目覚まし時計(享年15歳)が物言わぬ無惨な姿と成り果てていた。

 

「ああ、やっちまった……」

 

 何度か目を瞬かせ、俺はのそのそとベッドから這い出る。幼稚園の頃からずっと一緒だった相棒に今までありがとう、と手を合わせ、念力で残骸を集める。完全に潰れてしまったベルが物悲しい。どのゴミに出せばいいんだコレ……と寝起きの頭で考える間、日課の小石訓練もついでにやっておいた。念力で小石を持ち上げ、落として、バリアで弾くという訓練だが、今日はいやに調子がいい。バリアを張るまでのタイムラグがほとんどない。

 

 少し考え、そういえば昨日は意識せずとも反射的にバリアを張っていたことを思い出す。そして先ほど、ほとんど意識することなく目覚まし時計を破壊したことも。となると、実戦の賜物だろうか。ショゴスを倒した経験値でも入ったのか知らないが、今まで少しずつ成長してきた念力が急に育ったのだ。それ故に違和感も強い。目覚ましが壊れた件を見るに、俺の制御が追いついていない気もする。今すぐに暴走するというわけではなさそうだが、日常生活の無意識なところにも気を配った方が良いのかもしれない。

 

 壁掛けの時計を見る。時刻はすでに9時を回っているが、昨日──というか今朝床に就いたのは3時だったので、体がまだ寝たがっている。幸いにも今日は大学は休み。真剣に二度寝を検討するが、スマホの目覚ましで起きられた試しがないのでやめておこう。

 

 いつものように念力で食事の準備を進める間、スマホで目覚まし時計の捨て方を調べる。ふむふむ、乾電池は有害ごみ、本体は不燃ごみに捨てるのか。自治体の処分方法を見てみると幸いにも両方の記載があった。ついでに言えば、乾電池も液漏れなどはしていないのは不幸中の幸いだ。

 

 出来上がった朝食をもそもそと食べながら、今日の予定について考える。13時に待ち合わせ。場所は近いとはいえ、1時間前。12時頃には身支度を整えるのが良いだろう。さて、どんな服を着て行こうか……なんて、まるで初デート前の男子中学生みたいな思考だが、もちろんこれからデートとかでは無い。今の所そんな相手もいないし、今日会うのは愛しの彼女ではなくマトメさん(怪しい男)だ。しかしながらそれが今の俺にはたまらなく嬉しい。正義の組織からの共闘の誘い。どんな美人のそれよりも、今の俺にとっては魅力的だった。

 

 俺は昨日の、彼らの拠点へ辿り着くまでの短い会話を思い返す。

 

 

◇◇◇

 

 

「魔王ってのは、簡単に言えば人間の悪意とか害意とか悪い感情の塊、それが意思とカタチを持った存在だ。で、現実世界を破壊しようと企んでいるわけだ」

「急に話が飛びましたね」

 

 とはいえ、何故そうなるのか、想像すれば何となく予想はついた。人間の持つ悪い感情は、基本的に自己ではなく、他人、あるいは環境などに向きやすい。仮に全人類のそういった感情を集計すれば、自己嫌悪などほんの数%に収まるだろう。さらに言えば、自己ですらも世界の一部だ。ならば、悪意がカタチをなして、壊そうとするならば、それが向かう先はきっとこの世の全てとなる。俺の何となく分かったような顔を見て、マトメさんは説明を続けた。

 

「だが、魔王が生まれたのは現実世界じゃなかった。どこかって言われると俺もよく知らんが、そこから現実世界に行くために魔王が作ったのがこの世界。ここは魔王がいる世界から現実世界へ渡るための足がかりなんだそうだ」

「世界を作った!?」

 

 そこに驚かれると思わなかったのか、キョトンとした顔をするマトメさん。いや普通にやばくね?どんな術理か知らないが、世界創造なんて最強キャラの定番、ライダーの最終回でやるほどの偉業じゃないか。まさかとは思うが、そんな奴と──

 

「この事実を知った俺たち一部の異能者は魔王(それ)と戦うことにした」

 

 戦う、と言い切ったマトメさんは負ける可能性を考えていないようだった。どうしてそこまで確信を持って言えるのか、その理由が分かるほどこの時の俺は彼について知っている訳ではなかったし、結局最後まで分からずじまいだった。しかし、その姿が俺にはとても眩しく思えて、世界を救うのはきっとこういう人なのだろうと、そう思った。

 

 

◇◇◇

 

 

 以上、回想終了。そんな彼らの組織の名前は『天照(あまてらす)』。魔王の撃退を目標に、裏世界に迷い込んだ人間の保護などを行うまさに正義という感じの組織だ。俺はそこに所属しないか、と勧誘を受けた。

 

 昨日この世界で生きていく!と決めたはずの覚悟は帰ってくる頃には何処かに行ってしまっていた。俺みたいな半端な奴でいいのか、そもそも彼らは信用に値するのか、寝る前にたっぷり悩んで──そう、結局寝落ちしたんだった。ご馳走様でした、と手を合わせた時、時計は9時のうち6割が過ぎたことを示していた。

 

 それから2時間。身支度を整えながら、俺はまだ悩んでいた。30分ほど前から何度もカバンをひっくり返しては、念力で荷物を整列させたり、髪を弄ったり、とかく落ち着きに欠けていた。

 

 こんなんだからダメなんだ俺は。テレビ局の前で超能力を披露して、テレビに出演するという最終手段を今まで使ってこなかったのも、結局有名税だの何だのを言い訳にして逃げ続けてきただけだと、心のどこかで分かっていたのに。望み続けたこんな状況に至ってなお踏ん切りがつかない俺自身にイライラする。ここで逃げたらおしまいだと分かっているのに。

 

「あーそろそろ行かなきゃ……」

 

 なんか行く前からすでに疲れた。ドアを開け、る前に両手で両頬を叩いてみる。パシッと音がして、頭のモヤが晴れていく。そして、俺の覚悟も決まった。

 

「よっし!」

 

 向かう先はとある廃ビル。路地裏を抜けて、辿り着いたそこに1つの扉がある。その傍らには折りたたみの椅子と机を広げ、今大人気のラノベのページを捲るマトメさんの姿があった。薄暗い中、彼の所だけは光球が浮かんでおり、明るさが確保されている。

 

「すいません。お待たせしました」

 

 明らかに長時間待っていた体勢でいるマトメさんにそう言うと、んー、と気のない返事が返ってきた。こちらを一瞥すると、よっこいせ、とばかりに立ち上がる。ポケットから取り出した栞を本に挟んで閉じ、う〜ん、と伸びをしたと思ったら、彼の足元の読書セットと持っていた本はいつの間にか消えていた。

 

「よし、そんじゃあ行こうか」

「はい」

 

 再びポケットに手を入れたマトメさんが取り出したのは大きな鍵だった。古くさいどころか、もはや絵本の中でしか見たことがないような鍵──後で調べたところウォードキーというらしい──で傍にあった扉をキン、と叩いた。するとたちまち、どこにでもあるような金属製の扉は、古い木製の扉に変わってしまった。異能や超能力というよりはまるで魔法のようだ。

 

 まるで、とは言ったが、実際に魔法的なものは存在しているらしい。誰にでも使えるという訳ではないようだが異能を使えない人でも使える可能性があるとのこと。正直俺の異能を発現させる能力よりよっぽど脅威になりそうなものだが、魔法は異能より複雑な現象を起こせる代わりに、ある程度理論やらが必要になり、異能より扱いが難しいらしく、異能者を量産するほうがまだ現実味があるほどにめんどくさい道なのだとか。基本は瞑想とプログラミングの勉強でさ……これが辛いの何の、などと言っていたので彼も挫折した組なのだろう。

 

 おそらくはそんな貴重な魔法による産物であろう扉の、これまた古風な装飾付きの丸ノブに手をかけるマトメさん。心なしか慎重にそれを捻って、ゆっくりと扉が開かれていく。マトメさん曰く、転移現象による青い光がおさまると、石造りの部屋につながっていた。昨日は暗い中、まるで何かから隠れるようにコソコソと侵入したそこが、今は明るい光で照らされている。

 

「よし、ついてこい」

 

 ササササ、と暗殺者……いやそこまで高尚(?)なのものではないか。ゴキb……コソ泥並の動きで扉を潜り、石畳の床を這っていく。思わずドン引きの目で見つめてしまうが、マトメさんはいたって真面目、いや焦っているように感じた。……確か昨日はココが俺たちの拠点だ。と自慢げに紹介されたと思うのだが、まさか敵でも侵入した……?いや、それならのんびりラノベなんて読んでる場合じゃないと思うし……

 

「……!!」(クイッ、クイッ)

 

 出口らしき部分からピーク──頭を少し出して覗くこと──するマトメさんに鼻息と共に、手招きをされてしまったので、戸惑いながらも傍に行く。

 

「あの、いったい何を……?」

「いや、このポータルって本来使っちゃいけないやつで……」

「分かっているなら結構」

 

 突然背後から声がした。マトメさんと一緒に肩を跳ねさせ、振り返る。背後に居たのは豪奢なドレスを纏ったとてつもない美人だった。唐突に出てきた濃度の濃いファンタジーに興奮する心はすぐに引っ込んだ。首を締め上げられたマトメさんが吊り上がって行く。

 

「どうせまた黙って勧誘してきたんでしょう?」

「おっしゃる通りであります……」

 

 だと思った、と嘆息し、ポイっ、と大の大人を放り投げた女性はこちらを向いた。

 

「確か、佐護杵光さん」

「あー、そう、ですね」

 

 なんで名前を知っているのか、言ってもいいのかとマトメさんに視線を送り、返ってきた微妙な表情を見て言葉を絞り出す。

 

「ここまでついて来たということは、『天照』への加入を考えてはいるのね?」

「……そのつもりです」

「命の危険があることを承知の上で?」

 

 命の危険。マトメさんはそういうことを俺に言わなかった。これから伝える気だったのか黙ったまま加入させる気だったのかは分からないが、都合のいいラノベ展開だけを求めていた俺とてそんな危険があるかもと考えてはいた。考えていただけだ、当然覚悟なんて出来ていない、はずだった。いざそれを突きつけられて不思議なほど、決意は揺るがない。世界の危機を知って何もしないのは嫌だと思った。自分の力を役立てたいと思った。この世界で生きるのだと、心が叫ぶ。俺自身が思っているよりも決意は硬いらしい。

 

「はい」

 

 力のこもった言葉に俺が一番驚いた。それに負けないくらいに驚いた様子だった女性は静かに瞑目した。

 

「──そう、決意は硬いのね。……ようこそ、『天照』へ」

 

 ……ところでこの人誰?

 

 

◇◇◇

 

 

「……ようこそ、『天照』へ」

 

 その言葉を聞いてふぅ、とおそらくは安堵の息を吐く。何とか軌道修正して佐護さんを『天照』へ取り込むことに成功した。これによりあらゆる制限が解放され、世界は大きく動くこととなるだろう。俺はこれから忙しくなるぞと憂鬱に思いながらも確かな達成感を感じていた。それは掲示板民も同じなようだ。

 

1386:纏めマン

いやー何とかなりましたねぇ。はい

 

1387:名無しの転生者

マジもうダメかと思ったね

 

1388:名無しの転生者

お前ら日を跨いでずっと見てられるのすげえな。眠くて仕方がないんだが俺

 

1389:名無しの転生者

だって主人公の日常生配信だぜ?

 

1390:名無しの転生者

寝相すごかった

 

1391:名無しの転生者

そもそも最初にダウンしたのが9割だろ

 

1392:リゲイン

>>1388おかしいな。配信が始まったのは夜8時ごろからだったハズ。なぜもう眠気を感じているんだ……?

 

1393:名無しの転生者

>>1392午後一時だからでしょ

 

1394:?????

ブラック労働者を探知。確保します

 

1395:名無しの転生者

何をする!?離せ!!ぐわー!!!

 

1396:名無しの転生者

>>1395かなめっちが死んだ!!この人でなし!!!

 

1397:名無しの転生者

>>1394その人これがデフォなんです

 

1398:名無しの転生者

色々関係ないところでpvp起こるの大人数でやってる感あってイイ

 

1399:名無しの転生者

よかねーよ

 

1400:名無しの転生者

やってくれたなぁ神様

 

1401:名無しの転生者

せっかく遠いところに追いやったのに……

 

1402:神様

ご、ごめんなさい。責任とって私も参戦します

 

1403:名無しの転生者

は?

 

1404:名無しの転生者

ん?

 

1405:名無しの転生者

ただのご褒美定期

 

 

「え?」




佐護さんの目が節穴なのではなく、マトメくんがイケメンなだけなのでご安心めされ。あと原作二巻とも古本屋さんで見つけたぜ!!やたー!!紙嬉しい!今回はこれの報告のためといつまでもなんか違うなーと悩んでいられないので投稿しました。もういい加減魔都目視点にもどっていいっすか?ありがとう。

チャンネル登録高評価コメントよろしくお願いします(ゆっくりAA略)

10月12日に最後の魔都目くん追記。神様参戦(大嘘)。干渉が大きくなります。今はまだ。

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