自暴自棄になった愛され少女が仲間に自分を売る話   作:暇じゃない暇人

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 見た目は10か11歳ほどで身長136.7センチ。体重28キロの表情薄くてダボっとしたジャンパーのようなものを羽織っていて銃も魔法もどっちも使うアグレッシブ幼女。
 スカートは好まず大抵ひざ丈のズボンと黒のハイソックスを履いています。上着のジャンパーのようなもので腿は隠れます。
 肌は病的に白く瞳は紫。
 髪は黒色だったが強烈なストレスや負荷によって大部分が白色に変色してしまい、もはや黒色がアクセント程度にしか残っていない。
 そんな感じのTSロリです。


望み叶わず

 どうしてこうなったのか。

 

 「そういうわけだから。君はもう元の世界には帰れないよ」

 

 今までの苦労は何だったのか。

 

 「いやー大変楽しませてもらったよ。普段はやらないことだけど、たまには他の(ヤツ)がやってることを真似するのもいいね」

 

 俺は、ただ

 

 「予想以上に頑張ってたね。やっぱりあれ? 望郷の念は何よりも大事だったのかな?」 

 

 ただ、家に帰りたいだけなのに。

 

 「でも残念だったね。君はもうこの世界で生きていくしかないんだよ」

 

 ──ふざけるな。

 

 「君の頑張りは認めるしかないよ。まさか本来だったら出るはずの犠牲のうち、たった一人を除いて死なせなかったんだから。いやホント、君ってすごいんだね! 見直したよ」

 

 ────ふざけるな。

 

 「誇っていいよ。君は凄い」

 

 ────────この、

 

 「だけどごめんね。どちらにしろ魂がこの世界に適応してしまうから、君が帰れないことは最初から決まっていたんだ」

 

 ───────────この、

 

 「ほっといても勝手に適応していくんだから、どうあっても君の帰還は絶望的だったんだ。何よりもまず……」 

 

 ───────────────この、

 

 「物語の主役といえる存在なんかに関わったら、そうじゃない場合よりも適応する速度は爆発的に早まるのは当然じゃないか。……そういうわけで、もし君が本気で元の世界に帰還を目指すなら彼ら彼女ら(ネームド)に関わっちゃダメなんだよ。この世界における主要人物がもたらす他者への影響ってのは人間が思っているモノより、ずっと大きいものなんだから」

 

 この

 

 「でもまあ、頑張った方だとは思うよ。良くも悪くも新鮮で非常に新鮮だったからさ♪」

 

 「このクソやろおおおおおおおおおおガアアアアアアああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

 拳銃型魔法ユニットを抜き取って、雷撃魔法を速射する。

 

 でも、相手に当たっている様子はない。

 

 「お前が言ったんだろ!!! テメエを楽しませれば元の世界に返すって!!!」

 

 効果がないことを確認したら標準を相手の足元へ変更して発射。土埃が舞って周囲の視界を覆う。

 

 「だから俺は頑張ったんだよ!! 怖いことも痛いことも全部我慢して!」

 

 閉じた視界でも行動に大きな支障はない。

 

 脳内にある、相手が立ってた座標へ向けて再度雷撃魔法を発射する。

 

 「慣れない戦いも嫌な人付き合いも!!!」

 

 当たった感触はない。

 

 そもそも、目の前にいる相手が本当に目の前にいるとは限らないのだ。だって相手は神様(真正のクソヤロウ)なのだから。

 

 「変わった体も!!! 味が全然分からないこの舌にも!!!」

 

 無駄だとわかっていても攻撃をやめない。

 

 やめられるはずがない。

 

 「知らない知識も変な手術も!」

 

 忌むべき怨敵に対して攻撃をやめる理由なんてないのだから。

 

 撃ちこみ続けた雷撃魔法の速射をやめて魔力集積機能(チャージ)へ移行。

 

 「意味分かんない常識だって覚えた!」 

 

 魔力集積(チャージ)が完了。

 

 発射する弾頭(魔法)を雷撃魔法から虚数粒子弾へと変更。

 

 トリガーを引いた。

 

 瞬間。紫に近しい色をしたビームが銃口から迸り、ターゲットに向かって空間を食い破りながら直進する。

 

 「事務仕事をしようにも頑張って習得した簿記も漢検1級も全然役に立たなくて! そのために一から得体のしれない技術で体を犯して(慣らして)!」

 

 切り札ともいえる攻撃を受けて、

 

 それでも相手は…………

 

 「がんばったんだよ。慣れない体も」

 

 何一つとして()いている様子などなかった。

 

 「奇異の視線も」

 

 それでも諦めきれないからか。

 

 銃を腰にあるホルダーに仕舞い、近付いていく。

 

 「女物の服も」

 

 相手が手の届く位置まで近づいた。

 

 右手を翳し、魔法を使う。

 

 生来の属性である氷魔法を。

 

 しかし、相手の中性的で均整な顔は歪まない。

 体をまとめて氷漬けにして、大きな氷柱が出来たのに。相手に全く効いていない。

 

 「─────人を、…………殺すことも……」

 

 伸ばした腕は力なく垂れる。

 

 視界もなぜか歪み始めてきた。

 

 「頑張ったん、……だよ」

 

 膝から”フッ”と力が抜けて、ペタンと座り込んでしまう。

 確か、女の子座りというやつだ。

 

 「──お願いだから。……お願いですから」

 

 ポタっと水滴が零れ落ちる。

 

 今になってようやく気付いた。視界が歪んで見えたのは涙が原因だったらしい。

 

 「────おれを、…………わたしを」

 

 

 

 

 「─────もとの世界に、──おうちに返して」

 

 「家族のもとに。帰らして」

 

 

 

 

 「お願い、します。────お願いします!」

 

 

 

 

 先ほどまでの猛攻撃はどうしたのか。涙を流して、声を震わせて。幼い子供は懇願する。

 

 自分に理不尽を強いてきた外道に対して。そんなことも頭から抜け落ちてしまったかのように。

 

 

 ()()

 

 

 「あ~言い忘れてたけど。これは録画だから君の声は聞こえないよ?」

 

 「そういうことだから、質問には答えられないんだ~。ええと、もしかして何かしてた? だとしたらゴメンね。それ全く届いてないから」

 

 狙いすましたかのように。確実に見ているだろと言及したくなるようなタイミングで。

 

 悪魔の所業をしていても、全く悪びれていないことが分かり切った声で、謝罪の言葉を口にする。

 

 

 

 「あと、この通信がボクから君に送る最後のメッセージなるから」

 

 「だからこれが終わったら君は僕から解放される。よかったね☆これで君はこの世界を自由に生きることが出来るよ♪」

 

 

 「というわけでさようならっ。ありがとう。本当にいい暇つぶしになったよ」

 

 

 「えっと~、……名前なんだっけ? 君はーたしかー。う~ん…………あ、そうだ! 思い出したよ! こんなにも楽しませてくれた人間(ピエロ)の名前を忘れるはずないからね」

 

 

 「バイバイ。N()()U()()()()

 

 

 フッと。最後にそう言い残して人影は消えた。

 

 まるですべてが夢であったかのように。何も残さずに消え失せた。

 

 

 「……」

 

 

 でもそれは夢ではない。

 

 周囲にまき散らされた破壊痕は間違いなく、自分がやったものであると確信できるものだから。

 

 しかし、ここにあるのそれだけだった。

 

「ぅ、ぁ」

 

 なにもない。何も残されていない。

 

 「ぅ、うう……」

 

 今消えた。元の世界に戻れる可能性を秘めた最後のつながりが。

 

 

 「ぁあ、ああアアアアア」

 

 どれだけムカついても、どれだけ殺したくても。

 

 自分を唯一、元の世界(望む世界)に返してくれる可能性(存在)は、

 

 

 

 消えた。

 

 飽きられた。

 

 捨てられた。

 

 

 

 「ああああああああアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

 帰れない。

 

 「アああああああああああああああアアアアア!!!」

 

 

 

 

 無駄だった。

 

 

 今までの全てが。

 

 

 

 「クソがあああぁぁアアアアアアアアァァァァアアア!!!!!」

 

 

 叫ぶ。届かぬ叫びを。

 

 意味なき思いを。

 

 ただ叫ぶ。

 

 

 「なんで!!!」

 

 咆える。

 

 「どうして!!!」

 

 あらゆる意味で発する言葉は無意味だった。

 

 

 「グ、うぅ──なんで……どうしてぇ……」

 

 言葉の勢いはなくなっていく。もう、虚勢すら張れない。

 

 

 

 「────もう、おうちに返して……」

 

 

 子供がいた。

 

 迷子の子供だ。

 

 見知らぬ土地で帰り道を見失い、どこに行けばいいのか分からなくても必死に歩いて、家族の元に帰ろうとした幼い子供。

 

 

 ここにいるのは、ただの無力な子供だった。

 

 

 「う、う、…………もう、帰らして」

 

 ぽつりとこぼす。

 

 「もう……やだよ」

 

 そうつぶやく。たとえ何の意味がなかったとしても。

 

 

 「──家に、帰らして」

 

 「家族のところに帰らして」

 

 

 「誰か、お願いだから」

 

 

 

 

 

 「お願いだから……誰か────たすけて」

 

 

 幼い子供は涙をこぼしながら助けを乞う。

 

 しかしその声は誰にも届かない。

 

 聞いてるのは朽ちかけたアスファルトと崩れかけているビル群だけ。

 

 

 誰もその子を助けに来ない。

 

 

 文明が途絶えて久しい都市に、助けを乞う子供が一人いる。 

 

 ただそれだけのことだった。

 

 

 

 「だれ、か」

 

 「たすけて」

 

 掠れそうな声で、そう漏らす。

 

 でもこない。

 

 

 都合よく現れるヒーローなんて、どこにもいなかった。

 

 

 「………………」

 

 涙がこぼれ、絶望が、諦めが、諦観が。小さな体を包み込む。

 

 

 涙は流れ続けるのに。

 

 身体から力は抜けるのに。

 

 意識はどんどんぼやけていくのに。

 

 

 抜けた希望の代わりと言わんばかりに、その全身を絶望を始めとした負のオーラが満たしていく。

 

 瞳には諦観が。

 

 手足には諦めが。

 

 脳みそには絶望が。

 

 

 あふれていって、飲み込んでいって。止まらない。

 

 

 

 「ああ」

 

 こぼれる。

 

 「もう」

 

 言葉(絶望)

 

 「──かえれないんだ」

 

 

 虚ろな瞳は地面を映す。

 

 もう二度と、望む未来を映すことはない。

 

 

 「───は、ハハ。……あははは」

 

 「………………もう。──どうだっていいや」

 

 

 身体から力は抜け、今までピンと張っていた何かが”プツリ”と音を立ててちぎれた気がした。

 

 

 かつて少年だった無力な子供は

 

 

 今この時。完全に()()()




なんでこんなの書いちゃったんだろう(遠い目)
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