FGO ~ Loopback Against the Order ~   作:アルタナ

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感想もらえると嬉しいものです。
執筆する上でのAP回復になるので是非。


決断 - I

とはいえ、それだけで警戒を解けるかと言われれば。

 

 

「……」

「……」

 

 

マシュは盾、ジャンヌは剣を構えて下ろさない。

先が先なのだから当然といえば当然なのだが。

 

 

「まぁ信用しろっつって信用されても困るが…せめて剣は降ろしてもらえんかねぇ」

「…マスター」

 

 

フードの人物。

おそらく、というより十中八九サーヴァントであろうが。

彼はジャンヌに剣を下すよう頼むが聞き入れるつもりはないのか、こちらに判断を委ねてくる。

 

 

「……」

 

 

どうすべきか、判断に迷う。

敵か味方は知りようもない。

ただそれは、ここにいる誰もがそうなのではないだろうか。

ならば。

 

 

「藤丸」

「へ、あ…何?」

「お前が決めろ」

 

 

突然声をかけられた藤丸は焦る。

まさか自分に、とは思わなかったようだ。

所長であれば、その責任から決断は早いだろう。

一方で藤丸は、何かを決断するのがそこまでは早くないように見える。

俺は所詮、傍観者なのだからどうでもいい。

だとすれば。

 

 

「あ、貴方、こういう局面の決断は…!」

「所長」

 

 

所長が口を挟もうとするが、手で制止する。

 

 

「…藤丸、わかってるんでしょうね!?」

 

 

所長はおそらく警戒の上で、敵性と見なしての排除を想定しているのだろう。

しかし、ともすれば相手の命を奪うかどうかの判断。

それは、藤丸には荷の重い判断なのだろうが。

 

 

「……っ」

 

 

どうすればいいのか分からずか、あからさまに動揺する。

 

 

「…マスター」

「マシュ?」

「大丈夫です。たとえ何があっても、私はマスターを守りますから。だから、マスターの思いを」

 

 

マシュが動揺する藤丸に声をかける。

少し落ち着いたのか、周りが見えてきているようだ。

 

 

「……俺はお前に決めろと言った。お前の決断に従う…だから、信じる道を行け」

 

 

推測する限りではあるが、藤丸がFGOというゲームの主人公。

であれば、俺が介入することで藤丸の決断を捻じ曲げてはならない。

藤丸が、決断をして進んでいかなければならないはず。

これは、そういう物語だ。

 

 

「…私は」

 

 

藤丸が意を決したように声を絞り出す。

 

 

「私は…信じます。貴方のこと」

「なっ、この状況で知らない奴を信じるって、貴女はどこまで…あぁもう!」

 

 

藤丸の決断に、所長が異を唱えようとするが、所長なりに藤丸を見ていたからか、言っても意思を曲げないと感じてか、それ以上は言わなかった。

 

 

「ジャンヌ」

「…分かりました」

 

 

ジャンヌに声をかければ、わずかに納得いかない様子を残しつつも剣を下ろす。

納得がいかず、信頼しきっていないからか、ジャンヌはこちらに寄り添うように近づき、警戒を怠らずであったが。

 

 

「ありがとよ、お嬢ちゃん。あんたのおかげで、話ができそうだ」

「あ、いえ…」

 

 

緊張を解すつもりであったのだろう、フードの人物はフードを外して顔を見せながら、藤丸にお礼を言う。

やや緊張気味なのは、初対面だからか。

 

 

「それで、話って…」

「だいたい分かるだろ?今のこの状況について、取引といこうや…なに、あんたらにも悪い話じゃないはずだ」

 

 

藤丸の言葉にフードを外した人物…否、サーヴァントであろう…は答える。

 

 

『そういうことであれば、ぜひお話を聞かせてほしい』

 

 

その言葉に反応するようにか、はたまた偶然か、宙に映像が浮かび、そこに現れたのは。

 

 

「ドクターか」

『はぐれたから心配していたよ。藤丸君にはマシュがいたけど、君にはサーヴァントがいなかったから心配…って、おや?そちらは…』

「現地で契約したサーヴァントだ…ジャンヌ・ダルク・オルタ」

『…ジャンヌ・ダルク…オルタ?…いや、でも…そんなことは……』

 

 

ドクターだった。

要は通信のようなものだろうが、そこでジャンヌを紹介すると、ドクターは少し考え込んでしまう。

 

 

『…彼女は君の召喚に応じたんだよね?』

「あぁ」

『だとしたら不思議なことがある。通常、召喚というのはね、マスターとサーヴァントの縁を引き寄せるようなものだ』

「…それで?」

『もし彼女が君の召喚に応じたというなら、君とそこにいる彼女の間に何かしらの縁があったことになるんだが…君たちはいったいいつその縁を結んだんだ?』

「……」

 

 

ドクターの疑問にこちらは答えようがない。

なぜなら、それは俺も知らない。

それを知っているとするなら。

 

 

「…」

 

 

召喚に応じたジャンヌくらいだろう。

召喚した当初から、何かを知っている様子ではあった。

とはいえ、聞かれて答えるくらいなら答えているであろうことを考えれば。

 

 

「説明の必要はないと思いますが?…そもそも、今この状況でそれは重要なことですか?」

 

 

そんな風に返すだろうとは思っていた。

 

 

『いや、それは…まぁ……』

「…なら、答える義理はありませんね」

 

 

ドクターがしどろもどろになっていると、ジャンヌは会話を打ち切る。

その様子を見ていてか。

 

 

「なんだなんだ?魔術を使った通信なんてことする割に随分軟弱だな」

『な、軟弱……』

 

 

軟弱、という言葉にがっくりと項垂れるドクター。

そういうところでは、と突っ込むのは野暮かもしれない。

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