FGO ~ Loopback Against the Order ~ 作:アルタナ
励みになっております。
ジルに続いてジャンヌが先導する形で、更に奥へ。
「…」
藤丸達の相手をモルガンに任せてしまったが、大丈夫だろうか。
今は信じて、前に進むしかないとはいえ、気にならないわけもないが。
「…あいつなら大丈夫よ」
「ジャンヌ…?」
それを察したかのように。
まるで、共に戦い続けてきた戦友を信頼するかのように。
「数の利は藤丸にあるかもしれない。けど…見たでしょう?あいつの力」
「あぁ…そうだな」
「あいつのことは信じて、今は前を見なさい」
どうして、全く。
こうも彼女たちは強いのか。
戦いの力についてもそうだが、何より精神的な面で。
あるいは、戦う力があるからこその強さ、なのだろうか。
だとしたら。
「……」
矢面に立つ事は出来ないとしてもせめて、自分の身を守るくらいの力は。
いつまで続くかわからないこの戦い。
いくらサーヴァントとマスターとはいえ、ずっと守られたままでいる事は出来ない。
ここに来るまで、こんな状況に遭うことなどなかったのだから、そんな力を持っていないし、どうしたらいいかもわからないが、いつかは。
「…」
まぁ、それはいずれ。
そんなことを考えながら二人についていくと、やがて最深部と見られる場所に着く。
「…この奥です。マスター殿、警戒を」
「あぁ」
ジルに警戒を促され、思考を中断しながらドアを押し開く。
……そうして、その先にいたのは。
「…やはり、貴方達だったのですね」
奥で待ち構えていたのは、服装や出で立ちがジャンヌとよく似た女性。
ただ、髪の色からして、ジャンヌは銀髪であるのに対し、女性は金髪。
頭につける防具の形はよく似ているし、防具も冬木の頃のジャンヌとよく似ている。
しかし、ジャンヌが黒基調であるのに対し、女性は白基調。
まるで、善と悪で対照的なイメージすらあるが。
「えぇ。会いに来てあげたわよ、聖女サマ?」
女性の問いかけにジャンヌは皮肉気味に答える。
その様子を見てか、女性はクス、と笑みを浮かべ。
「無事に…再会できたのですね。よかった…」
そう話す姿は決して敵対する必要があるようにも見えない。
しかし。
「…ですが、これ以上は進まないでください」
「は?」
「これ以上進めば……貴方達は同じ運命を辿ってしまいます」
そうなれば、また辛い思いをすることになってしまう。
もう、そんな姿は見たくないから、止める。
そう、はっきりと告げる女性に。
「だったら何、ここで死ねって?」
「……」
ジャンヌの問いに沈黙。
即ち、肯定。
それをジャンヌは。
「はっ…随分と過激な言い回しをするようになったじゃないの、聖女ともあろうお方が…ねぇ?」
一笑に付す。
それに女性は答えず。
「…大丈夫です。貴方達が離れ離れにならないよう、すぐに二人を送りますから」
自らの旗を構える。
一方でジャンヌは女性とよく似た旗に加え、剣も抜く。
「…本気で言ってるわけ?」
確認するように尋ねるジャンヌ。
その視線は先程までのような、余裕を持って挑発するような笑みではなく、憎しみを向けるような視線。
その視線を向けられても、ジャンヌと視線をそらさずに対峙する女性に。
「ふざけろ聖女ジャンヌ・ダルク!貴様如きにこの私の憎悪の炎を止められるものか!ましてや…」
言いながら、地を蹴るジャンヌ。
狙っているのは、女性…ジャンヌ・ダルクの足下。
「……この私だけに飽き足らずマスターまでその手にかける?そんなこと…!」
「っ!?」
ジャンヌの狙いに気付いたのか、ジャンヌ・ダルクは後ろに飛んで躱す。
衝撃によって床は崩壊するが、ジャンヌは止まらない。
「……黙って認めるものか!」
「くっ…!」
ジャンヌが振り抜いた旗を、ジャンヌ・ダルクも自らの旗で受け止める。
「っ…だとしても!」
ジャンヌ・ダルクはジャンヌの攻撃を押さえ、膠着状態に入る。
しかし、僅かにジャンヌ・ダルクが押し返したか、あるいはジャンヌの判断か。
ジャンヌ・ダルクはジャンヌを振り払うように旗を振るい、ジャンヌが後ろに飛んで距離を取る。
「だとしても…私は、止まるわけにはいきません。これが貴方達の為だと…信じているから!」
旗を立て、佇むジャンヌ・ダルク。
その姿はかつて、戦争において兵士を鼓舞し、勝利に導いた英雄の姿。
背丈は同じ程度のはずなのに、後光すら見えそうなその姿は大きくも見える。
『聖女の決意―相性反転』
今、始まるは。
「いざ…参ります!」
……自らの信念の下に。
「私の炎を、生半可な覚悟で止められると思うな!」
……ただ、自らが守りたい者のために戦う。
―――守る者の、戦い。
【補足】
・聖女の決意―相性反転
クラス相性反転。
ボス戦あるあるですね。
ジャンヌ・ダルクが裁定者でジャンヌ・オルタは復讐者
反転したということは…?