FGO ~ Loopback Against the Order ~   作:アルタナ

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決戦 - IV

ぶつかりあう、金属音が何度も響く。

対峙するは、二人のジャンヌ。

第三者的に見れば、今まで共にいたジャンヌが、聖女ジャンヌ・ダルクの偽物という扱いなのだろう。

 

 

「ちぃっ!」

 

 

ジャンヌは何度も剣を振るう。

しかし、なかなか決定打にはなりえない。

正確に、ジャンヌの攻撃を受け流している。

 

 

「……」

 

 

今まで、これほどまでに苦戦するジャンヌを見たことがない。

それほどまでに、ジャンヌの攻撃が通らない。

 

 

「っ…!」

 

 

状況を見てジャンヌもこのままではまずいと思ったか、一度距離をとる。

けれど、聖女は追撃をせず、ただジャンヌを見返すのみ。

 

 

「……もう、諦めてくれませんか」

「あ?」

 

 

発せられた言葉に、ジャンヌは構えを解くことなく返事を返す。

 

 

「私には、分かっているのです。オルタ…貴女がどのように攻撃をして、どのように繋いでいくのかが」

「…ハッタリもいいとこだわ」

「いいえ。ハッタリではありません。何故なら…」

 

 

聖女はジャンヌを見る。

 

 

「私は、貴女であり…貴女は、私なのですから。分からないはずが、ない」

「同じ?…私とあんたが?」

「…えぇ。反転(オルタ)とはいえ、同じジャンヌ・ダルクという存在なのですから…貴女がどれだけ否定しようと、それは変わりません」

「だったら、そう言われて私がどれだけ虫唾が走っているかも…」

 

 

言い終わる前に駆け出すジャンヌ。

 

 

「…っ分かってるんでしょうが!」

 

 

剣を振りぬくが、あっさりと後ろに飛んで躱されてしまう。

 

 

「ちっ…」

 

 

それに舌打ちしかできないジャンヌ。

しかし、それで終わるわけもなく。

 

 

「参ります!」

「っ!」

 

 

そこから反撃に転じる聖女。

ジャンヌは突然の事に驚きつつも反応し、同じく攻撃を躱す。

 

 

「…随分殺意が高いこと。らしくないわよ、聖女サマ?」

「私だって…やるときはやる、ということです」

「……」

 

 

ジャンヌは聖女をじっと見る。

聖女もまたジャンヌを見返す。

どれくらい視線を交わしたか。

 

 

「…ふん。いいわ、だったら精々…」

 

 

ジャンヌが再度駆ける。

 

 

()り合いましょうか!」

「っ…!」

 

 

ジャンヌの振りぬいた剣が聖女に受け止められる。

不意を突いたからか、それとも力の差か、受け止める聖女の表情が少し歪む。

 

 

「…流石に、力では…押され、ますよね…」

「何、負けを認めるのかしら?」

 

 

押している方のジャンヌは余裕そうに聖女に返す。

まるで、まだ本気を出していないと言わんばかりに。

しかし。

 

 

「…えぇ、私一人では敵わないかもしれませんが」

 

 

聖女が言うと、どこかに控えていたのか、街の外で何度か出くわした兵士が現れる。

一人ではなく、何十という規模。

部屋の大きさからすれば、それだけいれば圧倒的な数に見える。

その兵士たちは。

 

 

「…狙いは、こっちか」

 

 

こちらに武器の矛先を向けてくる。

360度囲まれており、警戒が利かない。

 

 

「マスター!」

 

 

聖女の狙いに気づいて、ジャンヌがこちらに声をかける。

しかし。

 

 

「…駄目ですよ、オルタ。貴女の相手は…私です」

「堕ちたか、聖女…!」

「言ったはずです。私は()()を送ると」

 

 

聖女が妨害し、完全に孤立させられてしまう。

 

 

「マスター殿。私めの傍を離れぬように…」

 

 

傍にいたジルが魔術書のような本を開き、蛸のような生物を呼び出す。

蛸にしては大分見た目が気持ち悪いが、今はそれどころでもない。

とはいえ、兵士たちにはそれだけでなかなかの抑止力となったか、兵士は攻め込んでは来ない。

 

 

「…せめて、立ち回ることさえできれば…な」

 

 

ここに来るまで、というよりカルデアに来るまでは武道すらまともにやっていなかった手前、何かをされれば太刀打ちできない。

まさかそれを後悔する時が来るとは。

というよりここに来たこと自体が想定外である以上どうしようもないのだが。

 

 

「…マスターがそんなこと、する必要はないわ」

 

 

そんな俺の呟きに返してきたのは。

 

 

「ジャンヌ…」

 

 

目の前で剣と旗を構える、漆黒の鎧を纏った後ろ姿。

今までで、一番見てきたかもしれない、その姿に声をかける。

 

 

「マスターは私が、必ず守る…!」

 

 

こちらを背に庇うようにしながら周りを威圧するその姿は、とても頼もしい。

そのはずなのに。

 

 

「もう二度と…奪わせてなるものか!」

 

 

黒煙が上がり、兵士を打ち払っていく。

確実に相手の数を減らす、確実な戦い方。

けれど、何故だろうか。

 

 

…何処か、危うい感じがするのは、何故なのだろうか。

 

 

そんな彼女を落ち着かせようと、ジャンヌに手を伸ばす。

 

 

「…ジャ」

 

 

ンヌ、と呼びかけようとした。

その呼びかけは、途中で声が出なくなってしまった。

 

 

「あ…?」

 

 

何故か力が抜けていく自分の体。

ふと、地面に視線を向ければ。

 

 

「……」

 

 

腹部の辺りから、血に塗れた西洋の剣の切っ先が生えていた。

…あぁ、そうか、俺は。

 

 

「が…っ」

 

 

乱暴に剣を引き抜かれ、支えを失った体は、まるで自分の意思など通じないかのように力が抜ける。

糸の切れた人形、なんて表現をしたのは、誰だっただろう。

目の前が、霞んでいく。

そうして、完全に意識が落ちる前に耳に入ったのは。

 

 

「ああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

声を聴き慣れた女性の、悲痛な叫び声だった。

最近実装された、マスターが〇んだら〇ぬと公言している、愛が重そうな彼女を出すのはありでしょうか?

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