FGO ~ Loopback Against the Order ~   作:アルタナ

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決着 - III

そこからの戦いは。

 

 

「くっ…!」

「…ふん」

 

 

攻め込み方、力の差を見ても、ジャンヌの方が上だと素人目にも感じる。

それは何も、ジャンヌが自分側だからという贔屓目というわけでもない、はず。

冷静に攻め込むジャンヌに、やや押され気味の聖女。

そんな聖女を守っていたはずの兵士たちはといえば。

 

 

「…有象無象など、所詮この程度」

 

 

駆けつけていたモルガンと、ジルによってほぼほぼ無力化されていた。

ジャンヌ、モルガン、ジルのたった三人。

それで、一つの軍勢を無力化させるだけの力があった。

 

 

「マスター殿。意識が戻ったとはいえ、病み上がり…無理はなさらぬよう」

「……あぁ、気遣い感謝する」

 

 

ジルの気遣いに答えながら、ジャンヌを見守る。

ジャンヌの圧倒的な力を目の当たりにしながらも、仮にもマスターである自分には何も出来ていないことを歯痒く感じる。

やがて。

 

 

「…まだやるつもり?」

 

 

構えを解かずに、けれど聖女に問いかけるジャンヌ。

息一つ切らしていないジャンヌに、息も絶え絶えな聖女。

勝敗は半ば明らかにすら感じる。

 

 

「貴女に勝つだけの力がなくとも…それでも、私は……!」

「…」

 

 

聖女が自棄を起こしたように、旗を乱暴に振るい、ジャンヌに襲い掛かる。

しかし、冷静に状況を見ていたジャンヌには通じることもなく。

 

 

「…終わりよ」

 

 

冷静にジャンヌが聖女の攻撃を払い。

 

 

「あ、ぐ……」

 

 

ジャンヌの剣が、聖女の胸元を貫く。

聖女は旗を落とす。

 

 

「お、るた……!」

「…もうやめときなさい」

 

 

ジャンヌは静かに、諫めるように。

 

 

「あんたには似合わないわよ。そんなやり方」

「でも、私は……あな、たの…敵として……」

 

 

聖女は聖女なりに、考えがあってのことなのだろう。

そしておそらく、その想いはジャンヌも理解している。

 

 

「それに…あんたが言ったんでしょ。()()()()って」

「っ…」

「…もう、私は迷わない。この先が破滅であろうと、私はマスターとともに突き進む」

 

 

それを最後に、貫かれた聖女は光となって消え、その場に残されたのは、金色の杯。

冬木でも見たそれは。

 

 

「…聖杯ですね」

 

 

モルガンが呟くように言う。

これを回収したということは。

 

 

「終わったか」

 

 

そう、結論付ける。

ジャンヌが聖杯を拾い、こちらに手渡しながら。

 

 

「…世話になったわね、ジル」

 

 

ジャンヌが声をかけると、ジルは光に包まれていた。

歴史の修正が始まることによる、サーヴァント達の退去、だったか。

 

 

「…ジャンヌ」

「えぇ」

 

 

どこか心配げなジルに、ジャンヌはいつもの不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「私はもう平気。絶対に手放さない覚悟を決めたから」

「……おぉ、流石はジャンヌ」

 

 

その笑みを見て、ジルも笑みを浮かべながら。

 

 

「どうか、今度こそ…ジャンヌ……」

 

 

最後まで、彼の言葉を聞くことなく、ジルは消えてしまう。

彼がジャンヌに伝えたかったこと。

それは誰にも分からない。

 

 

「…私がこれから、ジルが望んだ道を歩むかは分からないけど」

 

 

今度は、立ち止まることなく、進み続けるから。

その言葉を聞く頃には視界は歪み。

 

 

「…」

 

 

ここに来る時と同じような感覚を感じ、身を委ね、目を閉じる。

冬木から戻るときと同じような、体が浮かさせる感覚に、身を委ねて。

 

 

 

 

 

 

第一特異点

 

 

―定礎復元/Order Complete―

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