FGO ~ Loopback Against the Order ~   作:アルタナ

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準備 - II

部屋に戻る。

 

 

「……ということだそうだ」

 

 

一通り、所長から聞いた話をサーヴァント達に伝える。

 

 

「藤丸との共闘はさせない、か。まぁ妥当ね」

 

 

ジャンヌが腕を組んで頷く。

さも当然、といわんばかりだった。

 

 

「…違いない。あれの粗相でまた復讐者に変異しても面倒だしな」

 

 

皮肉込みのモルガン。

その現場を実際見ていたわけではないが、戻ってから検査を受けたと聞いたし、大変だったらしい。

そう考えると、今回同行を頼むのは酷というもの、か。

 

 

「…言っておくが、我が夫。そんな理由だけでこの私を候補から外すなどと考えてくれるな」

 

 

しかし、釘を刺される。

考えを先読みしたといわんばかりのその言葉に息が一瞬詰まる。

 

 

「何故分かった、と言いたそうだが、分からないと思ったか。この私が…夫であるお前の言葉を」

 

 

両手を上げ、降参のポーズ。

しかし、真面目な話、考えなければならない。

 

 

「…今回の特異点、誰を同行させるか、だな」

 

 

彦斎に言われ、頷く。

 

 

「別に自分を売り込むつもりはない。ただ、私は行く価値はあると思う…同郷、だから」

「あぁ…それは考えた」

 

 

世の中いくら国際化が進んでいるとはいえ、流石に同郷の者がいるのは心強い。

そうなると一人は確定だが。

 

 

「もう一人は…」

 

 

やはり一番共に戦ってきたジャンヌだろうか。

そう考えていると。

 

 

「そういうことなら、アテシ…いーかな?」

「リリス」

 

 

リリスが手を挙げる。

特段拒否をする理由はないが。

 

 

「…理由を聞いても?」

「んー…女の勘、ってやつ?」

 

 

理由を尋ねると笑顔でそんな風に返す。

 

 

「あなた、そんなふざけた理由で…!」

「ふざけてこんな事言うほど、アテシは落ちぶれてないよ」

 

 

激昂しかけたジャンヌにリリスは冷静に返す。

その表情からは笑みが消えている。

 

 

「…私たちがオルレアンでマスターを守れなかったから、かしら」

「そうだと言ったら、どうする?」

 

 

悔しそうに言うジャンヌに、リリスは質問で返す。

しかし、ふっと表情を崩し。

 

 

「安心しなって。それが理由じゃないよ」

「…ならば何故なのか聞かせてもらおうか」

 

 

モルガンの詰める問いに。

 

 

「本当に直観。けど……嫌な予感だけはしてる。少なくとも、このままマスターをこの特異点に見送るわけにはいかない。そう思ってる」

「……それを、信じろと?」

「信じてもらうしかない」

 

 

少しばかり緊張した空気。

リリスのいう、嫌な予感、というものが何なのかは俺にも分からないが。

 

 

「…なら、今回は彦斎とリリスの二人に同行してもらおうと思う」

 

 

彼女らを信用するとしよう。

 

 

「それと、所長から聞いたが、特異点からもサーヴァントを一時的に呼び出したりはできるらしいが、おそらくそれは行わない」

 

 

俺の事情があるからな。

そのことに関しては全員納得し。

 

 

「…だから、今回は最後まで、二人に頼ることになる」

「問題ない」

「任せて」

 

 

二人は頷いてくれた。

 

 

「……一応、言っとくわ。もしマスターに何かあったら」

「その仮定は意味がない」

 

 

釘を刺すジャンヌの言葉を遮る彦斎。

その目は、獲物を射抜かんとするほどの鋭さを見せていた。

 

 

「マスターに迫る危険は、全て、私が切り伏せる」

「…ふん」

 

 

…正直なところ、不安がないとは言わない。

だが、その不安を見せることは、二人を信用しないのと同じこと。

こうしてここにいてくれる彼女らに対し、そんな事が出来るわけはない。

 

 

…だからこそ、余計な不安は押し殺して、前に進まなければ。

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