作者はポケモンをブラック、ブラック2、レジェンズアルセウスしかしてません。後はポケモンGOを約3年ぶりに復帰したくらいです。
そのブラック、ブラック2もストーリークリア後、全国図鑑を埋めようと頑張ってたぐらいで努力値、種族値なんて動画を見るまで知りませんでした。
当然、対戦環境とかも分かってません。そんなボロクソ知識でもイイヨ!って人。読んでくれると嬉しいです
キュレムは割と好きです。相棒はダイケンキでしたけど、捕まえてからレベル100にしてずっとパーティに入れてました。なんか妙に脆くない?とか思ってた気がしますね。それでも氷ドラゴンタイプの伝説って言葉の響きだけでもテンション上がってましたね。もう10年くらい前なのかな?
書いてて楽しかったです
深く暗い洞窟の中にそのポケモンはいた
「………………」
自分自身の体を覆い尽くしてしまうほどの冷気は周囲一体を氷漬けにしてしまう程強力
自分自身を、周りの全てを、ありとあらゆるものを凍てつかせるポケモン
その名もキュレム
ある1匹のポケモンが赤き炎の白い英雄と青い雷の黒き英雄に別れた際に生まれた虚無を司る灰の氷竜
失われた体を真実と理想で埋めてくれる英雄を待つと言われる氷の伝説ポケモンだ。
「………………」
しかし、今のキュレムは奇妙な感覚に陥っていた
今から数年前
世界征服を目論んだとある男に自身の力を好き放題扱われていたキュレムは、別たれた白と黒の英雄をその身に取り込むことができた
一度に両方を取り込めたわけではなく、片方ずつではあったがそれでもその体を真実で、理想で埋めたという事実があった
その時のことをキュレムはよく覚えている
鬱陶しい杖で此方に命令を出してきた男は非常に不愉快だったこと
求めていたものが手に入った時の満足感
本能の赴くままに眼前にいた少年少女に襲いかかり返り討ちに会ってしまった屈辱
全てが終わった後に感じた、穴の空いた様な感覚を
その身に英雄達を取り込んだキュレムは、英雄達の思い出をも取り込んでいた
己が見定め、選び、共に歩むと決めた少年少女との思い出のこと
共に歩み、食らい、語らい、戦った世界のこと
美しくも、醜くも懸命に今を生きる人間のこと
それらを知ってキュレムはどうしてか叫びたくなった
肉体に空いた穴を埋めた時に感じた満足感を上回るほどの虚しさ
直接穴が空いている訳ではない。なのにどうしようもなく掻きむしりたくなる胸の隙間
その隙間の正体が分からないことに、自分じゃどうしようもないことに、キュレムは荒れた
体から漏れ出る冷気が更に強くなり、洞窟の外の世界に影響が出るほどに荒れた
涙は流れない
自身の冷気で凍てつくから
音は出ない
自身の冷気が凍てつかせるから
体は動かない
自身の冷気が凍てつかせるから
キュレムは今の今まで直視できていなかった「自身の存在意義」について考えてしまった
だってそうだろう
1匹の竜が3匹の竜に分かれた
白き竜は真実を求めた
黒き竜は理想を求めた
真実/理想の英雄も共にあるとい存在意義がある
なのに!
なのに!!
なのに!!!
己には何がある?
なにもない
なにもないのだ
なくなった体を埋めることは存在意義ではなく本能だ
埋めた後、自分はどうなる?何をなす?
埋めたとして、この胸の穴は埋まるのか?
わからない
わからないのだ
そのことにキュレムは苛つく
漏れ出る冷気が世界を蝕み
更に自分を不自由にする
身動きができない冷たい氷の中でゆっくりと目を閉じながら思うことは一つ
ああ、誰か
この胸の穴を埋めくれないか
「それならさぁ、俺と一緒に滅茶苦茶してくれないか?そしたら何かわかるかもしれないぜ?」
声が響いた
深く暗く、白く凍てついた洞窟の中にそのポケモンと人間はいた
全身を氷で覆い尽くした灰色の竜、キュレムは目を開けた
自身の冷気の強さを最もよく知るのはキュレム本人だ
伝説と呼ばれるに相応しい冷気は例えこおりタイプのポケモンであっても物言わぬ氷像に変えることができる。今のキュレムは全身を氷で覆い尽くしており、その冷気は普段の何倍も強力だ。恐らく洞窟の外の野菜のポケモン達は、影響の及ばない遠い所に逃げているだろう。
なのになぜこの人間は生きている?
眼前に立つ灰色の髪をもつ不思議な子供にキュレムは不思議と興味を惹かれた
ぽっかりと穴の空いた胸が不思議とざわついている気がした
「今の世界はとても不安定だ。誰もが自分の真実や理想を追い求めて、自分本位で考えている。そうじゃない人もいるけど、そう考えている奴が多くなっている。」
「理想のために手段を選ばず、攻撃的に動く奴」
「真実のために嘘をつき、人を嘲笑っている奴」
「そんな奴らが多くなっている」
「俺もまた、そうなんだ」
子供は笑った
諦めて受け入れた疲れた笑顔だが、その目はそれでもと燃えていた
「今の世界は俺の理想じゃない。トモダチとゆっくり遊ぶこともできない世界は嫌だ」
「今の世界を真実として受け入れたくない。楽しくて幸せだった時間が、辛くて苦しいことばっかになった。これを現実として、真実にしている世界は嫌だ」
子供は嘆いていた
嫌だ、嫌だと駄々を捏ねていた
体の奥底から溢れ出るナニかに突き動かされている様だった
荒れていた自分を思い出した
「御伽話の真実と理想の英雄がいる事は証明されたんだ。このイッシュで滅茶苦茶強いトレーナーが持ってるって。新聞でも見た。そっから町で聞いたんだ、お前のことを。」
英雄達の記憶を見た時に抱いた感情によく似たナニかが沸き立つ
どうしようもなく自分は今、昂っている
他人に力を振るえと命令されてる訳ではない。
嘆きをもって同情を誘い、協力させる手法だ。
そんな事は人間も、自分もわかっている
ああ思考が纏まらない、
御託はいいから早く言え、
お前の願い!
お前の真実!!
お前の理想!!!
「俺は自分の力じゃなんも成せない。……我儘で世界を知らないクソ餓鬼だ!…………それでも、それでも!………………今の世界は嫌だって、俺の心が叫んでいる!こんな世界を変えたいって魂が叫んでいる!………………だから、助けてくれ、俺に力を貸してくれ!キュレム!!!!」
そうして名を呼ばれた瞬間
灰の氷竜は世界に高らかに産声を上げた
「ヒュラララ!!!!!!!」
竜を覆っていた氷塊が砕け散る
ダイヤモンドの様に美しく白い氷が少年と竜を祝福するかの様に煌めく
「……………ありがとう、キュレム」
「ヒュラララ!!!」
今ここにイッシュ地方を揺るがす大事件、そして新たなる伝説が始まった
キュレム 灰氷の姿
体を覆う 強大な冷凍エネルギーと 心を通わせた 友の存在によって 新たな姿へ 進化した。あらゆるものを凍てつかせ 真実でも理想でもなく 今の人間や 英雄 友の為に 戦う
(H-A-B-C-D-S)
キュレム 灰氷の姿
125・100・140・100・170・65(700)
特性 フリーズダウン
・効果抜群の技の威力を1/2にする
・所有者がフィールドにいる限り、場を「豪雪」状態にする
・「テラボルテージ」、「ターボブレイズ」を除いた変化技・特性では上書き、貫通できない
豪雪→雪降らし+霰
=氷タイプのポケモンの防御が1.5倍に上がる+氷タイプ以外のポケモンは毎ターン終了時にHPが最大HPの1/16だけ減る