マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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重慶ハイヴへの侵攻は、人類の反攻作戦として大きく名を馳せます。戦線の整理や補給を終えた人類は、残ったハイヴを自軍が排除して、戦後の国際連合で自国が優位に立つ為の競走が開始されました
最早人類にとってBETAは敵ではありませんでした。国際的信用スコアを稼ぐための、ただの的に過ぎなかったのです

─── AT博物館 重慶ハイヴ侵攻より抜粋 ───


重慶ハイヴ 侵攻

2003年 1月4日

新年早々の重慶侵攻作戦が開始される。大東亜、国連、米軍、帝国軍による大規模な侵攻作戦である

奪還地であるビルマからの侵攻軍と、先んじて確保していた南寧市からの侵攻軍に別れ、競走のように進軍を開始する

重慶陥落から10年。中国大陸は、すっかり荒地へと変わり始めていた

 

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戦争は変わった

鉄の棺桶と揶揄されるATが大地を駆け、飽和攻撃でBETAを一方的に狩り殺す

光線級のレーザーが照射されれば、待っていましたと言わんばかりに戦術機が飛んでいく

戦術機が落とされぬよう飽和攻撃は激しさを増し、光線級が対処しきれなくなったのを見ながら、戦術機の36mmが奴等を撃ち抜く

命の危険があったレーザーヤークトは、最早戦術機にとってほぼ安全な任務へと変貌した

 

戦争は変わった

かつて恐怖の権化であったBETAは、最早スコア稼ぎの為の道具にまで堕ち、人類が己の権力の為に狩り尽くし、糧にする為のボーナスバルーンへと変貌した

最早その根底にある人類の為と言う目標は、薄汚れた権力欲によって塗りつぶされはじめている

 

戦争は変わった

BETA大戦での趨勢(すうせい)はATによって決まり、戦場ではATがどれだけ飽和攻撃出来るかによって、BETAとの戦いを有利に進められるかを決められる

物量対物量、消耗対消耗、BETAの死骸はATへと変貌し、奴等がその屍を晒すほどに人類は強化される

 

戦争は変わった

天才によって作られた、たった1つの兵器によって。人類は飽和攻撃ドクトリンへと戻り、それを元にした被害の少ない戦い方を作り上げた

今やキルレート比率10:1とすら呼ばれる戦場は、天才が作り上げた物によって支えられ続けている

運さえ悪くなければ、最早新兵は死の8分を超える事など容易であった

 

「俺達は栄えある先遣隊だ!!不発弾を踏むなよ!!!行くぞ!!!!」

 

上空を戦術機が飛んでいき、戦術機に狙いを定めたレーザーが空を裂く

爆発音と共に堕ちていく戦術機から衛士を回収する為に飽和攻撃の密度が高まり、俺達の侵攻ルートが次々と耕され、最早平地と呼べるようなルートは存在しない

隊長自らが自身を鼓舞する為に声を張り、ぶるぶると震える肩を何とか隠そうとしている

武者震いか、恐怖か。誰もが気付いていても、声には出さない

放物線を描くロケット弾の弾幕が途切れ、俺達はローラーダッシュで駆け出した

肩を赤く塗り、BETAの死骸を跳躍で乗り越え、不発弾を踏んで爆散する部隊の奴を横目に、俺達は前へと進む

 

戦争は変わった

最早人類にとって、BETAとの戦いは戦後処理にも似た何かに成り代わり、そこには誇りも、覚悟も、存在しなかった

 

「残存BETAだぞ!!!!撃てぇ!!!!」

 

30mm劣化ウラン弾がスコープドッグ用突撃銃から放たれる。仲間の死骸から這い上がってきた要撃級は、呻き声すら上げることを許されずに息絶えた

戦術機と同サイズである要撃級すら、練り上げられたATの敵では無かった

 

先遣隊である自分達が横坑入口に到達した瞬間、モニュメント方面で爆発が起こる

その爆風はモニュメントからそれなりに離れている自分達にすら降りかかり、青空にキノコ雲を顕現させる程の威力である

試作量産型凄乃皇の荷電粒子砲がモニュメントに直撃した事に、気付くのに時間はかからなかった

 

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1月4日 11:25

米国試作量産型凄乃皇が戦線に到着。荷電粒子砲を用いて重慶ハイヴのモニュメント、その3分の1を吹き飛ばした

この攻撃によってBETA側の地上戦力が激減、連合軍はこの隙を突いて大攻勢を仕掛け、モニュメントを除く重慶ハイヴの地表を制圧

各国軍は自分達で見つけた横坑入口を確保、補給と整備を終えた後、横坑内への侵攻を開始

各国軍の損耗率は未だ1%以下であるものの、この時点で消費総火薬量は佐渡ヶ島奪還時と並んでいる

 

15:29

横坑内が複雑になっており、既知のルートでは大広間へと辿り着く事が出来ない事が発覚

その為、各国軍はマッピングをしながら中継基地確保を行う事となり、侵攻速度が鈍る事となる

米軍は試作量産型凄乃皇で横坑ごと吹き飛ばす事を提案するも、ただでさえ地下に空洞が出来ると言うのに、更に空洞を作ってどうする。と言う大東亜連合からの直々のお叱りを受け没となった

 

1月5日 09:46

大広間ルートの推定が完了。各国軍はこのルートに沿って進軍を再開するも、大量のBETAが押し寄せる

推定出現数は10万以上であり、横坑内と言う事で一時的に各国軍が押し戻される結果となった

しかしながら、その防備の厚さから大広間が先に存在すると言う裏付けにもなった為、カチューシャAT部隊が再度結成され、横坑内での直接射撃を行いながら進軍が再開される

 

12:58

BETAの死骸によって大広間への道が塞がってしまった為、搬出作業を行い、完了

最も早く死骸撤去が完了したのは大東亜連合であり、重慶ハイヴに王手をかける

 

13:45

大広間制圧を前にして大東亜連合、日本、国連、米国による協議が開始され、大広間制圧目前にして大東亜連合軍がお預けを食らう形となる




戦争は変わった 否応なくその事実が自らの認識を貫く
管理され 安全に 圧倒的な物量を持ち 制圧する
半年と言う時間は BETAにとって最後の安寧でしか無かった
ここまで来て 人類はようやく理解する
嗚呼 もっと早くこうしていれば と

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

重慶ハイヴ 攻略

人は 後悔して初めて 最適解に気づく
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