マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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今回放映する映像は、米国での超大規模違法バトリングを取り締まった映像です

違法バトリングの祖と言われる2つのギャングが、米国1の違法バトリング選手を決める為の大会を開く、と言い出したのです
コロラド州で開催される事が明言されたソレには、50の州全てにチラシやテレビCM、ラジオCMまで使っての大規模な宣伝がなされ、その存在を周知されました

これに黙っていてはボトムズの名が廃る。バトリングを行える者達はこぞって州予選に集まり、連日連夜のバトリングによって、あらゆる州で逮捕者が続出します
この事態を重く見た警察は、元締めとなる2つのギャングの身柄をどうにか押さえようとしました

この映像はソレを追った者達の映像です

─── AT博物館 違法バトリング米国1決定戦より抜粋 ───


密着警察〜違法バトリングを取り締まれ!!〜 前編

『さあお互いマガジンは残り1つ!!接近戦を許すとスコープドッグでは分が悪い!!!仕掛けたのはスコープドッグだ!!!!ジョニー選手お得意の180度ターンが炸裂〜!!!!!』

 

『あのターンの冴えは素晴らしい。だが使い過ぎてターンピックにガタが来ている。段々と旋回半径が大きくなっているから、隙が出来やすくなる……対してチャビーの動きも緩慢だ、よく言えば余裕があるが、悪く言えば実戦慣れしていない』

 

会場は熱気に包まれている。実況の声はカラカラと言える程に掠れているのに、彼はその熱中から声のことなんて気にも留めていない

隣に座って解説しているのは現役の州兵である。彼はニューヨーク防衛戦の際に出撃したボトムズの1人であった

 

『決まったァー!!!!!!チャビーのカウンターパンチだ!!!!最初からこの動きを狙っていたのか!!!』

 

『フィールドの事を良く把握していた証だ。あの障害物はスコープドッグの旋回半径だと肩が当たる。チャビーの旋回半径だとギリギリ当たらないのを計算に入れていたんだろう。素晴らしい腕だ』

 

怒号と歓声、狂喜と狂乱、そんな中に水を差すように、赤と青のライトと特徴的なサイレンが会場の外からやって来る

両肩にパトライトを取り付け、暴徒鎮圧用放水銃を携えた白黒塗装のスコープドッグが、会場内へと乱入する

観客からブーイングが飛び、保安官らしき人物がやってきては、放水銃を持つATに指示を飛ばし、会場の連中に水をぶっかけさせる

 

『遊びは終わりだ!!さっさと帰れ!!!でないと俺らより怖い警察特殊部隊にとっ捕まるぞ!!!』

 

拡声器越しに告げられるその言葉を受け、観客も選手も胴元も、まるで蜘蛛の子を散らすように逃げていく

後に残るのは、静まり返った会場だけである

 

─────────────────────

 

「クソッ、まただ!!」

 

取材班と共にやってきた特殊部隊が、誰も居ない会場に入って来ては悪態をつく

つい先程まで観客も運営も居たハズの、未だ熱気の籠る会場内。大量のゴミや漏れたPR液の残滓を見ながら、彼等は会場の見聞を行う

 

───つい先程までバトリングがここで?

 

「ええ、そうです。見てください、ターンピックの跡です。かなり激しくやったんでしょう、穴だらけです」

 

───何故彼等は直ぐに逃げられるんでしょうか?

 

「保安官や州軍が関わってるようなところは、私達FBI特殊部隊が動く事が事前に察知されます

それだけじゃない、興業に一役買ってるもんだから、民間人による情報提供だってある」

 

そう言って彼は踵を返し、我々と共に保安官事務所へと向かう。宿直である保安官と保安官事務所補佐が出迎えるも、その顔は至って平静そのものであった

 

「率直にお聞きします。何の通報もありませんでしたか?」

 

「ええ。静かな夜ですよ。まるで皆してイベントでも見てるみたいに」

 

保安官の給料ではとても手が出そうにない葉巻を口に咥え、彼は躊躇いも無く火をつけた。特徴的な葉巻の香りが保安官事務所の中へと漂い、彼は知っているが見過ごしている、と暗に告げてきた

 

「…………良い葉巻と腕時計ですね、保安官はそんなにも給料が良くなりましたか」

 

「良ければ1本どうぞ。腕時計?コレは祖父の頃からの形見ですよ」

 

明らかなまでの嘘。最新のカタログに載っていたブランド時計を見せつけるようにしながら、保安官は最早賄賂を貰っている事すら隠そうとしない

 

「我々FBIをなんだと思って───!!!」

 

「頭の硬いお役人さ。遠からず政府は違法バトリングを正規のバトリングとして認めざるを得なくなる。ノウハウも何もかもを蓄積して、クリーンな運営をしてる今の連中が表舞台に立つのはそう悪い事じゃない……おっと、コレは一般論だぞ?」

 

「ッ───!!!!次に向かうぞ、一刻も早く取り締まってやる」

 

負け惜しみのようにそう告げる捜査官の背中を見る保安官達は、ケラケラと笑っていました

 

─────────────────────

 

───彼等は保安官なのに対応しないのですか?

 

「ギャングが運営してはいるが、そのやり方は酷くクリーンだ。潔癖とも言える。挨拶を欠かさず、絶対に迷惑をかけず、その地域に浸透していく。なんなら地域の揉め事をバトリングで解決する手伝いまでしてる。結果としてその地域のワルを吸い取り、治安は良くなり、クスリは流行らず、保安官としては万々歳なのさ」

 

───大規模過ぎてやばい事をしなくても金が入るから、クリーンになれるんですね

 

「皮肉な話だよ。以前ガサ入れに入った時も、裏帳簿も無い潔癖過ぎるモンだった」

 

───以前のガサ入れの時はどうやって入ったんでしょう?

 

「シマの拡張の為に楯突いてきた弱小ギャングをATで踏み潰したんだ、文字通りな。が、そのATは爆発炎上して証拠は隠滅。任意で引っ張ったりガサ入れしたものの証拠も出ず

……今のアイツらの練度は米軍AT部隊にも劣らない……いや、もしかすると実戦慣れしてる分米軍よりも上かもしれん。だから米軍のお偉いさんは焦ってるから俺達を作った」

 

───成程、米軍がギャングに負けるなんてあってはいけませんからね

 

「そういう事だ。……次はカリフォルニアに飛ぶ。あそこは富裕層連中が金を掛けたバトリングをやっていると評判だ、何とか捕まえられると良いが……」

 

───分かりました、向こうでお会いしましょう




Q.これもう公共事業じゃない??

A.公共事業(楯突いたらATによってミンチにされる)でも一般人からしたら特に関係無いので公共事業と言えるかもしれませんね

Q.アメリカは平和そうで良いっすね

A.リヨンハイヴ攻略以後アメリカは一気にやる気を失いましたので……
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