ソ連領であるブラゴエスチェンスクハイヴは、大東亜から見ても隣接する地域であり、同時に、大東亜からしてみてもやり返す絶好のチャンスでした
もはやBETAを相手に行われる代理戦争とでも言えるでしょうか。お互いに譲れぬ戦いが、ここにはありました
─── AT博物館 ブラゴエスチェンスク争奪戦より抜粋 ───
2003年 1月25日
ブラゴエスチェンスクハイヴ侵攻の為に、大東亜連合、ソ連、アメリカ、日本、国連が包囲殲滅作戦を立案
ソ連、大東亜連合は既に大部隊を展開中であり、ハイヴを境界線として睨み合い、2日に1度の間隔で間引き作戦を行っている
大東亜連合はブラゴエスチェンスクを攻略後、中国領へと編入する事を狙っており、ソ連はそれを防ぐ事を目的としている
日本及び米国はソ連にこれ以上南下を許す事は出来ない為、大東亜連合の援護をする為に師団規模の戦力を投入
作戦発令までの間にブラゴエスチェンスクハイヴの地表BETAは大半が掃討され、結果として両軍は地上で睨み合う結果となる
1月30日 08:30
作戦発令と同時に両陣営が一斉にロケット弾による弾幕を展開。地表BETAが掃討されても尚その弾幕は途切れる事が無く、互いの陣地への被害を出しても止まる事は無かった
この間に両陣営の別働隊がハイヴ内へと突入。大東亜連合側は米国と日本から提供されたハイヴ攻略最短ルートを進みつつ、ソ連側への妨害として何ヶ所かの横坑を崩壊させた
ソ連側は何度かの迂回を繰り返しながら、大広間へと向かう事となる
10:15
踏破率
ソ連 23%
大東亜及び日米 42%
大東亜連合所属 朝鮮半島軍の一部がソ連軍陣地の後方に出現。横坑を探索していた際に迷ったとしてソ連軍に保護を求める
仮にも友軍であるためソ連軍が保護すると、BETAからの攻撃(推定)によって着けられた損傷からATが爆発
ボトムズがパニックの様相を呈し、火がついたままのATで陣地内を暴走。PR液タンクに突っ込み、大爆発を起こす
これによってソ連軍陣地はパニックに陥り、両陣営によって続けられていた弾幕合戦は終了する
この消火を手伝う名目で大東亜連合のATや人員がソ連軍陣地に入り込み、消火作業の手伝いと共に人員の把握や陣地内の把握を行う
12:08
踏破率
ソ連 48%
大東亜及び日米 89%
最短ルートの選定、BETAの迅速な処理、大東亜連合の士気の高さから、想定以上の速度でハイヴが踏破されていく
地表ではソ連軍陣地の火災がようやく収まり、パニックが収束するも、大東亜連合のレーダー上に『何故か』多数のBETAが存在しており、その事実を元に大東亜連合はソ連軍陣地の下にある横坑に大量のBETAが存在するとして砲撃、ロケット弾、戦術機による殲滅を開始
陣地内の事を完全に把握され、的確な砲撃と戦術機による殲滅攻撃を受けたソ連軍は逃げる事すら出来ずに、陣地ごと吹き飛ばされる結果となる
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「同志隊長、地表との連絡が完全に途絶えました。火災のパニックはまだ終わってないのでしょうか?」
火災だ、爆発だ、その通信を最後に何度かの通信の後、ぶつりと音を立てて切れ、砂嵐のような雑音しか流さない無線機の電源を切り、隊長と呼ばれた男はATのコクピットハッチを開けて煙草に火をつける
肺の中を満たす重苦しいタール、吐き出される紫煙を見ながら、アラスカで買える、混ぜ物ばかりでろくに味すらしないタバコとは違う事を痛感しながら、間宮で購入したソフトパッケージを握り潰して捨てる
最後の1本だった、と今更に後悔しながら
日本の煙草は吐かれた煙まで美味い、なんて冗談を飛ばしていた連中の事を思い出しながら、頭の中を整理する
ウラジオストクでの怪しい動き、明らかに党本部は自分達に何かを隠している。我々が出てきた陣地ですら明らかに大東亜と事を構える準備をしていたし、我々が横坑に入る直前、大東亜からのロケット弾が陣地に着弾したのも見た
「……同志アリサ、我々の現在の目標はなんだ」
「ブラゴエスチェンスクハイヴの攻略であります。ですが人為的な落盤が起きていたり、明らかに誘導されたBETAによって我々の踏破率はとても……」
「違うな同志アリサ。今の我々の目標は生き残る事だ。今までは薄氷の上で保たれていた同盟関係に、党本部の連中が何かをしでかして大穴を開けた。以前のような同盟関係であれば、このような事態は起きていない」
「同志隊長!!KGBに聞かれますよ!!」
「生きているなら聞かせてやれ。最も、我々とて生き残れるか分からんが」
煙草の火を消し、吸殻を投げ捨てようとすると、その吸殻を回収しようとする隊員が手を出してくる
吸殻から葉を集めて1本分を作ろうとする涙ぐましい努力だろうか。その隊員に吸殻を渡し、水をゆっくりと飲む
「恐らくだが、党本部の連中は表立ってはしなかったのだろう。だから我々に対してもこのような嫌がらせ程度にしか事を起こせない。だが完全に地表との連絡が取れなくなった今、彼等が何をしてくるか分からんぞ」
ローラーダッシュの音が遠くから聞こえてくる。増援と言うには数が少ないその音を聞きながら、隊員に警戒を指示する
30mmを構え、ターレットレンズを回し、最大望遠でATのエンブレムを確認する
ソ連のマークを確認し、全員が銃を下ろした瞬間であった。そのATは止まる事なく接近を続け、壁に激突し───
大爆発と共に、横坑ごとソ連軍のハイヴ攻略部隊を生き埋めにした
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13:20
踏破率
ソ連 ーー%
大東亜及び日米 100%
BETAとの戦闘によってソ連軍が壊滅した事から、大東亜連合がブラゴエスチェンスクハイヴ周辺を固める事となる
明確に切られた火蓋 互いに互いを非難し 罪を擦り付ける
アイツが先だ いいやアイツが 指を向け 剣を向け 銃を向け
止める術すら知らぬ戦いを 誰が望むと言うのか
最も得をするのは 傍観者だと言うのに
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余裕があるから 戦争をするのか