マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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ソ連と大東亜が表立って敵対し始め、アメリカはソ連の余りの豹変ぶりに裏があるのでは無いかと考え、独自に動き始めます
そして、アラスカ内でまことしやかに噂されているのは、ソ連代表が影武者ではないか、と言う噂でした
あくまで噂、そんな噂を信じる程馬鹿では無い彼等でしたが、その噂はソ連のある行動で確信へと変わったのです
そうです、ソ連との契約更新にアラスカへとやってきていた鈴木重信氏を軟禁したあの事件です

─── AT博物館 鈴木重信軟禁事件より抜粋 ───


KGBの暴走

2003年 2月上旬

 

「へっくしゅん!うぅ、やはり寒さが堪えるな……」

 

「雪は降りませんが、風はありますからね。ウォッカでも如何です?」

「遠慮しておくよ、酒は強くないからね」

 

懐から取り出したケースが凍りつきそうな程に冷え切っている中、重信はチョコを取り出して齧る

口内で溶かすのも億劫なのか、それとも冷えすぎて溶かせないのか、バキバキと音を立てて噛み砕き、白い息を吐く

空港から車に乗り、契約更新の為にいつもの場所(迎賓館)に向かうと、いつもと違う人達が出迎える

一斉にリストラでもしたのだろうか?と言う疑問を他所に、重信と護衛部隊は迎賓館内へと入った

 

これが間違いだった。約束の時間を1時間以上過ぎても、いつもの担当者が出てくる事は無く、秘書に予定を確認しても、日時も間違っていなければ、場所も間違っていない

これはおかしい。そう思い重信が部屋から出ようとすると、ドアを塞ぐように兵士が立ち塞がる

 

「……一体どういう事かな?」

 

「申し訳ありません。私にも分からないのですが、上からの命令は貴方を通すな、の一点張りでして」

 

「代表、駄目です。他の護衛部隊員と連絡がつきません。貴様、何をしているのか分かっているのか。ソ連と日本で戦争するつもりか」

 

重信は常に護衛部隊と共に居る。両脇を固める2名とは別に、2個分隊が常に重信の周辺を護衛している

今回は迎賓館内に爆発物等が仕掛けられていないかをチェックしていたのだが、恐らくはその途中で捕まったと考えられる

 

兵士は護衛部隊員の言葉にとにかく狼狽えつつも、自らの任務を放棄する訳には行かず、扉を何度も叩き、外に居る他の兵士にこの責任を擦り付けようとした

一向に返事は無く、兵士が仕方無く扉を開けて顔を出した瞬間、小さな発砲音と共に兵士の頭が破裂した

 

尋常なやり口では無いのを理解させる為か。扉の下からその兵士の血がカーペットに染み込んでいくのを確認しながら、護衛部隊は重信の守りを固める

ずり、ずり、と音を立て、まるで扉越しに廊下へと吸い込まれるように。その死体は回収され、扉は閉まり、外から鍵をかけられる

そして、死体が回収されると同時に内線の音が鳴り響く

護衛部隊の一人が受話器を上げ、スピーカーにして話しかける

 

『申し訳ございません、重信様御一行。今担当者が遅れておりまして……もう幾許かお待ち頂ければと思います

迎賓館の中は好きに使って貰って構いません。その部屋から出ても問題はありませんので』

 

「良いからここから出せ。国際問題……いや、ソ連が滅ぼされるぞ。重信様に何かあったと分かれば、世界が黙って居ない」

 

『重信様はこちらで風邪をひかれ、迎賓館でお休みになっているのでしょう?我々が知るのはそれだけです』

 

ブツリ、と音をさせて内線が切られる。隊員が苛立ちながらも受話器を置き、改めて扉の外を確認する

AKを持ったKGBの兵士が至る所を固めており、最早逃げる事すら不可能な事は、誰が見ても明らかであった

 

上手い事使われたな。と重信がごちる。自分が空港でくしゃみをしたり、寒いなどと言わなければこのような事態は起こらなかった。頭を抱えそうになるのをため息で誤魔化すも、決して重信の責任で無い事は、この部屋の誰もが感じ取っていた

 

─────────────────────

 

「どういう事だ!!何故重信氏を軟禁した!!!」

 

「ふざけているのか!?ただでさえ貴様らが軍部を牛耳ったせいで大東亜と戦争になりかけているのに!!!」

 

「鈴木グループだけで国家と釣り合いがとれると思っているのか!?何とか言わんか!!!!」

 

議会は最早激怒一色であった。ソ連の代表が風邪を拗らせてからと言うもの、KGBが軍部の指揮権を一挙に担い、滅茶苦茶を始めたのだ

当初こそCIAのスパイの仕業だ、アレは暴発だ、等の理由付けを行っていたKGBも、ここまで来ては隠そうとすらしない

 

「はぁ……これだから指導部の皆様は困る。我々KGBは常に国家の事を考えて行っているのですよ」

 

「朝鮮半島の事はまだ理解できる。我々は不凍港が欲しかったし、農地も必須だ。何よりも日本を陣営に組み込めばアメリカに対抗出来るからな!!だがその後の事は一切理解出来ん!!!何故敵を作る!?」

 

敵。その言葉を聞いた瞬間、KGB議長は口端を釣り上げ、大声を上げて笑い始めた

最早、誰も彼の考えなど理解出来なかったのだ

 

「我々はソ連です。我々に従わない国などありません。そもそも貴方達が他国に対して逃げ腰過ぎるのです。我々が世界を導くのは当たり前の事でしょう」

 

それは、目の濁った男の妄言であった。ここで初めて、議会に居る者は理解した

この男は、ソ連代表の言った冗談を本気にして、それを何としてでも成し遂げようとしているのだと

男の妄言は続き、何故この男が影武者まで使って代表を監禁したのかを理解する

代表が死亡されては困る。それならば自らの手元に置いて管理した方が良い。あの方の望みを果たさねばならないのだから

 

最早聞くに絶えない妄言を吐くその男の言葉に、議会は静寂に包まれていた




Q.このKGB局長ヤバくない?

A.重信くんの秘書も同じ感じです。1歩間違えばこうなりますが、重信くんが前に進み続ける人種なので何とかなっです

Q.これ排除したら何とかなりますか(震え声)

A.大東亜「おう考えてやるよ」

Q.重信くん国内に居ないのに作戦進むの?

A.そもそも重信くんはグループ企業の代表なだけですので……まあ何故か官民軍と全てを取り持ちますが
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