勿論日本側はこれを拒否したい考えですので、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、マレーシア等の後方国に対して鈴木重工の開発した大型トラクター"トルーパーくん2号"、中型トラクター"トルーパーくん3号"、小型トラクター"トルーパーくん4号"、更には漁船用エンジンとして開発された"シートルーパーくん1号"の販売を始めようとします
もしかしたら、これを見ていられる方の中でもまだトルーパーくんを使っている方も居らっしゃるのではないのでしょうか?
この頃の新聞を読んだりやラジオを聞いた方は良く覚えているでしょう。日本に国連や各国の代表が乗り込んで来たのは、この事も含めて公開させようと目論んでいたからです
─── AT博物館 マッスルシリンダー技術の歴史より抜粋 ───
1994年 1月4日
議会にて臨時国会が発足。鈴木重工のマッスルシリンダー技術公開の要請を行った国連に対しての不満及び鈴木重工での技術独占についての議論が行われる
農林水産省、大蔵省、軍部が技術独占に対して肯定的な意見を出すも、海外でのデッドコピーが問題となっており、事故も多発している問題を外務省が発言。また、今後の世界的感情を考えれば独占するのは問題であるとも述べた
議論の長時間化を恐れた議長が、鈴木重工とかねてからの付き合いのある陸軍第弐開発局局長を議会へと召喚する
試作のマッスルシリンダー車に乗ってやってきた事に対してまで波及しそうになった為、議長が質問を制限する事態となる
質問の受け答えの最中に外務省職員が大量の電報紙を抱えて息を切らしながら乱入。警備に取り押さえられそうになるも電報を読み上げる
『1月8日 鈴木重工へ新年のご挨拶に伺う。国連及び各国より』
多数の電報を抱えた職員がそう言うと議会はシンと静まり返り、大勢が頭を抱え、それと同時に次の議題が決まった
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1994年 1月8日
「なんか大変な事になってんなぁ……」
「先手を取られたのが痛いね。国への礼儀を無視して本丸に攻め込まれるとは誰も考えて無かった」
鈴木重工では、毎年最初の土曜日には各地の工場にて近場の宴会場を貸し切って新年会を行わせる事にしている
無論、本社でも同様の事をやらせるのだが、今回は訳が違う。帝国ホテルにて2会場に分けて行わねばならず、従業員への新年の挨拶すらままならない
鈴木重工としては招待状も送ってない奴を通す訳には……と言ってしまえばそれまでなのだが、大使館側から挨拶の要望が届いてしまえば通さざるを得ず、議会は更に紛糾し、取り敢えず輸出する国だけ決める形にまではなった
オーストラリアやニュージーランド等へのトルーパーくんの輸出許可。それ以外は追って決める。議会でそれが通った後1日の休憩が挟まれたのだが、俺宛に多数の会食の申し込みがあったのは驚いた。どうやらどちらも鈴木重工を取り込みたくて仕方無いらしい。いや確かにこの発明ヤバいんだけどさ
「で、阿笠局長。ずーっと思ってたんすけどフットワークほんと軽いっすよね」
「質問攻めされてたんだから少しは労ってくれないかな?そりゃあ私は好きな様にやれるようになったからね!!!!」
俺の事を大層気に入って、中国にまで行って交渉までしてくれたこの人は、実は局長である。AT……いや、マッスルシリンダーに惚れ込み過ぎている人ではあるが、悪い人では無い。うん、寧ろめちゃくちゃいい人だ。好き放題やらせる為に献金額凄いけど
「まあ取り敢えず、色んな人がやって来るだろうから気を付けてね。綺麗所に引っ掛からないように」
「HAHAHA、マリリン・モンローでも連れてきたら考えるって言っておきますよ」
アメリカなら整形させて連れてきそうだな、なんて考えは頭の隅に置いておき、最早出たくも無い壇上へと2人で上がり、新年の挨拶を始める───
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「ハジメマシテ!!ワタシ、コクレンノエライヒトデス!!」
「は、初めまして。鈴木重信です」
ユーモアと冗談のつもりなんだろうが、この人は見た事がある。確か国連軍の偉いさんだ
握手を求められれば返す他無く、はにかみ笑いながら握手を返せば、流暢な英語で話始める
通訳が翻訳してくれるが、自分の周りを固めているお歴々の方々が今か今かと待ち侘びているのはどうにも窮屈である
通訳からの要約は、この後皆で話す時間作ってくれるよね?他の人たちも話したがってるからまた後で話そう!!と言う内容である。胃が痛い
「鈴木様、初めまして。オーストラリア大使のジョンです」
「あ、日本語通じるんですね。初めまして」
オーストラリアからは大使館勤めの人が来た。内々に話を通していたから問題無い、と言う意思表示だろうか
握手を返してハグをすれば、ボソボソと話をしてくる
「身辺に気を付けて下さい。どうにも色んな所が貴方の身柄を狙ってますから」
「……肝に銘じます」
敵は多いらしい。拉致されないように参加者に扮している帝国軍人達の目に殺気が宿っているのはその為だろうか
因みにだが、この後かなりの人数がパーティを抜け出そうと誘ってきた。全部断った
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「では始めましょうか」
帝国ホテル大会議室。自分の隣にどっかりと座る九條家当主、九條純孝がそう言えば、司会らしき人物が咳払いしてから進行をはじめる
ナンデ!?!?五摂家ナンデ!?!?と言いたくなるのを飲み込み、出資者の中に九條の名前があった事を思い出す。確かアレは農林水産省からの出資者だったハズだ
心強い味方か、はたまた監視か、自分には測り兼ねるが、国連軍の偉いさんが口を開く。先程会った時と違い軍服を身にまとっておりその胸元には大量の勲章らしき物が付けられている
『先ず最初に、亜大陸のDデイについて感謝を述べよう。ATのお陰で人類は初の勝利をもぎ取った。これは我々人類も奴等に勝てると言う事の証明に他ならない』
随分と慣れている挨拶である。通訳が翻訳してくれているが、わざと通訳が聞き取りやすいように話している節がある
うーむ、これは本気でマッスルシリンダー寄越せって言ってくるんだろうなぁ
『我々国連及び加盟国は、マッスルシリンダー技術の開示を、鈴木重工に対して求めます』
一斉に視線が此方に向いた。怖い。隣で座ってる九條家当主はその視線に臆する事無くどっかりと座ってる。こっちも怖い
喉が貼り付いているようだ。息がしにくい。緊張してるのが手に取る様に分かるだろう。俺が発言する為にマイクを手にした瞬間、九條家当主がマイクを奪い取った
『やらぬ。全てコチラで決める』
その一言を告げて、マイクを置いた
…………………………
「オイィィィィ!!!!何言ってくれちゃってんの!?色々言おうとした事全部吹っ飛んだんだけど!?!?」
「何だ、言いたい事があったのか?随分緊張しておったから無いと思ったわい」
「ふざっけんなよ!!!!色々考えてたんだよ!?まだ若い技術だから外に出せねーとか鈴木重工海外支部とか色々考えてたんだよ!?!?五摂家だからって何でもして良い訳じゃないでしょ!?!?」
「しかしなあ、コレは政府の要望でもあるじゃろう?」
「それとこれとは話が別!!!!政府は要するにマッスルシリンダーの独占状態を維持したいって言ってんの!!!!ATとか代替エンジンとか農機具とかは積極的に売りに出したいんだよ!!!!」
「だそうだ、皆の衆」
今のが全部翻訳されていたらしい。ハメられたのか、いや、確かに緊張し過ぎてた俺が悪いが如何せんコレはまずいのでは?と言うか五摂家にこんな口聞いて大丈夫なのかな、打首って言われてもおかしくないような
『では、その線で話を進めましょう』
あ、そのまま進めてくれるんですね。ありがとうございます
お気に入り1000件越え!?!?!?アイエエエエエエエエ!?!?!?ナンデ!?!?
ありがとうございます!!!!これからも精進します!!!!
あ、それと九條家当主は調べても分からなかったのでオリジナルです、悪しからず……
Q.武家が専用AT開発しろとか言わないんすか?
A.お武家様にこんな鉄の棺桶乗せられる訳無いだろ!!!!(開発しないとは言っていない)
Q.インド亜大陸でどうやって勝ったの?
A.地上から対戦車ミサイル撃ちまくりました。囮部隊は対戦車地雷もばら撒きまくってました。戦術機がレーザーヤークトを完遂したら後は空爆で……
Q.結局白兵武器どうすんだよ
A.
1.腕部装着型マガジン式炸裂弾撃込機
アームパンチを利用して腕部に装着したマガジン式炸裂弾を杭と共に撃ち込み、BETAを内部から破壊する。外付けマガジン式の為リロードも容易
戦術機にも組み込むと良いかも?最後の最後、使う時があるかもしれない。理論上突撃級の正面装甲も弾頭と炸薬量を変えれば抜けるかも
問題点はこれを使う時は最早リロードだとかの話じゃない
2.鋼鉄製高振動刀
ATの身の丈ほどある大刀。お武家様発案。持ち手に制御装置&スイッチ、刀身内部にマッスルシリンダーを組み込み、マッスルシリンダーの回転力を使って刀身に高振動を発生させ斬れ味に関係無くぶった斬る
多分コレが作られると戦術機にも配備される
問題点は折れたり溶けたりしたら燃えるし爆発する
3.両腕部装着型コンバットナイフ
そのまま。両腕部に取り付けたコンバットナイフ。アームパンチと一緒にくり出せばリーチは長くなる
闘士級とか兵士級とかに対処がしやすくなる。折れない限り使える
問題点はリーチが短い
1.2.3 どれが良いですかね?
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全部乗せした武家用機体