マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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ルナツー。人類の新たなる生命線である宇宙産の鉱山であり、その直径は180kmにも及ぶ元小惑星である。オーストラリアに代わる新たな鉄鉱石鉱山として、核パルスエンジンを使用して持ってこられた物だ
地球のラグランジュポイントに置かれたソレからは、鉄鉱石よりも遥かに頑丈で、遥かに軽い鉱石が取れると言われている
しかし、その恩恵に預かれるのは極一部である。その大半は、ATや戦術機に使われている為である
人類は未だ、BETAと言う種を根絶するために動かねばならず、その戦いは100年の節目を迎えようとしていた

─── ???より抜粋 ───


ルナツー船団

ルナツー船団。後年このように呼ばれるようになった、人類初の宇宙鉱物資源確保の為の開拓船団

オルタネイティヴ5の為に用意されていた元植民船を使い、人類が宇宙にある鉱物資源を手にする為に作られたこの船団は、様々な分野の人間が所属する事となった

無重力状態での食物生産の研究、同環境下での人工重力発生研究、哺乳類等の繁殖研究……資源確保の為だけであれば3隻で良かったはずの船団はいつのまにやら10隻近くにまで膨れ上がり、結果として船の所有者である鈴木重工は、レンタル料金だけでそれまでの維持費をチャラにしたと言われている

 

ルナツー船団が地球から発進して、数ヶ月……

 

───資源運搬船 ケイローン 船長室

 

「……ケイローン、アステロイドベルトまであとどれくらいなんだ?」

『計算では到着まであと1年と半年かと。他の方達のように眠りますか?』

「遠慮しておく。他の船の艦長達は?」

『現在麻雀やポーカーに勤しんでいます。短距離通信でゲームをなさいますか?』

「今はそんな気分じゃないな……暫く宇宙でも眺めてるよ」

『了解しました。……音楽でもかけますか?』

「そうだな……適当なのを頼むよ」

『了解しました。いつでもお声がけください』

 

無限に広がる宇宙。必要な人員以外は極低温の仮死状態で輸送しているこの船は、人類の新たな希望たる鉱物資源を獲得する為に発進した、輸送船団である

世界の鈴木重工が主導し、あらゆる最新技術やAIが導入され、元オルタネイティヴ5は、今や人類の罪の証から、人類を救う為の物へと変貌していた

 

そんな中で、私は船長なんてものに抜擢された。何でもスポンサーである重信様が、私の名前と顔が丁度いいなんて理由で抜擢したらしく、私は思わず上官に何度も聞き返してしまった

……実際の所、船長とは名ばかりで、AIが孤独により暴走を起こしたりエラーを起こさない為の人員であり、アステロイドベルト到着までAIと会話し続けるだけに抜擢されたのだ

私のような軍属には、その程度が丁度いいのかもしれない

 

「…………10の29乗、か」

 

自らの特徴的な緑髪をくるりと指で弄り、遠くに広がる星に目を向ける。この星のほぼ全てに、奴等が居てもおかしくはない

もしかしたら、自分達のようにBETAに対して抵抗を続けている人類以外の種族が居るかもしれない

我ながらロマンチストである事を理解しつつ、せめて今から向かうアステロイドベルトにはBETAもそう言った種族も居ない事を願い……座席の横からふわりと漂うワインの入ったパウチに視線が移る

 

「……ボルドーの左岸」

 

「そろそろ交代の時間だぞ、大尉。時間通りにしないとケイローンから怒られるからな」

 

聞き慣れた声が耳につく。はぁ、と溜息をついてはパウチを手に取り、何処か楽しそうにやってくる上官と席を交代する

毎度毎度選んでくるワインのセンスがおかしいと言ってはいるものの、当人はそんな事を気にする必要も無いだろう、なんて笑って言うのだから堪らない

 

「少佐、時間通りのご到着ありがとうございます。交代で伝える事は特にありませんが……」

 

「それは結構。短距離通信もせずに星を眺めるとは、相変わらず1人が好きか?」

 

人の心にズカズカと入り込むような物言いだ。この人は自分が所謂ESP能力者だと知ったらどう思うのだろうか

正確な検査は受けていないが、私には相手の思考が読める……なんて言ったら、この人は驚くだろうか

 

「いえ、たまには物思いに耽るのも良いと思いまして。図書室にある本も少し飽きが来ましたし」

 

「あれだけ色々なジャンルを取り揃えているんだ、たまには他のジャンルに手を伸ばしてもいいんじゃないか」

 

ハッハッハ、と高笑いする少佐を見ては苦笑し、敬礼をして席を交代する

……確かに良いかもしれない。今まで苦手としてきた分野を探求する時間はたっぷりあるのだから

私は背中越しに短距離通信で麻雀を始める少佐の声を聞きながら、どの分野に挑戦しようかと内心でワクワクしていた

 

─────────────────────

───デブリ排除船 アキレウス 船外

 

「……よし、デブリを排除した。アキレウス、収容してくれ」

『了解。サンプルは確保しましたか?』

「抜かりねえよ。パイルバンカーの真価はまさにこの為に、だろ?」

『鉱物学者様が早くしろとお怒りです、早急に持っていきましょう』

「あのオッサンほんと満喫してんな…」

 

パイルバンカーによって砕いたデブリの破片が入った収納容器を手に、スコープドッグは船内へと戻る

アキレウスは、船団の最前列を進み、船団運航の支障が出ないようにデブリを排除したりする役目を持つ船だ

船内には排除の為の爆薬や武器が多数置かれており、船団の中で唯一武装しているのもこの船だ

が、このように船で対応する程でもないサイズの物は、ATや戦術機が対応する形になっている

そして、その目的上学者連中が飛びつくのは必然であったと言える

 

「ええい早く持ってこい!!どんな微生物が付着しているかも分からんのだぞ!!!」

「先にこっちに持ってこい!!どんな資源が含まれているのか早く見せろ!!!」

「化石があるかもしれんだろう!?もしあったりすれば、人類だけでなく……」

 

結果として、選ばれた彼等は生き生きとして研究に没頭している。アキレウスの3分の1が学者達のサンプルや論文で埋めつくされるのは、もう少し先の話である




Q.あとどれくらいで終わりますか?

A.取り敢えず地球奪還したら終わります

Q.ほんとにレンタル料だけで維持費回収出来たんですか?

A.はい。飛ばしてれば維持費もかからないからね!!!(尚戻ってきた時の修理費)

Q.そう言えばホテルとして使うんじゃ…?

A.船団の分以外にも船はありますのでそちらがホテルになります。因みに名前は鈴木軌道ホテルです

Q.本当に殴り合いは禁止になったんですか??

A.乱闘や殴り合いは禁止になりましたが何故か身体を鍛える議員が増えたそうです
因みにですが決闘は禁止されていないので、重要な議題の場合手袋を着けて現れる議員が結構な割合で居るそうです
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