放射能の影響か、太陽フレアか、はたまた別の要因か。何度整備しても検査しても原因は不明
そしてある時、無人のATが動き出す事態が発生した。AIを搭載していないはずのソレはまるで何かを伝えたいように動き回り、ATから発生したガスを吸引した整備員の一人が、未知の言語を話し始めたのだ
我々は世界で、いや、宇宙で初めて、人類に友好的な生命体と出会った
─── ルナツー船団 緑髪の艦長の日誌より抜粋 ───
2003年 12月25日
ルナツー船団 ガス状生命体と接触
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《w@f3uqfpe/eqeq@s?》
「0;0;ft@rd@94pe/eqeq@。7zokxehz=s/wh;」
艦長代理の初めての仕事らしい仕事は、目の前でケイローンと会話する整備員を監視、監禁する事だった
ATから漏れだしたガスは整備員の一人の呼吸器から体内へと侵入。恐らくは肺から血中へと溶け込み、脳へと侵入し、彼の身体を乗っ取ったと思われる
……確実な事は何も分からない。乗船していた外科医も初めての事でどう対応していいか分からないと言うのだ
《7zosf0;0;t@e4sb\k^@ーqse4cyx@ew@rt?》
その点、ケイローンは優秀である。早々に整備員に入った何かが助けを求めている事に気付き、文脈から彼等の言語を理解したのだから
ケイローンは画像を映し出して整備員に見せれば、整備員は興奮した様子で答えている
「bezq@!bezoq@!6;qa=/a7ha7iq^@wh.yq@!!」
興奮した整備員を座らせ、落ち着かせる。BETAの画像を見て興奮する辺り、木星にもハイヴがあるのは違い無いらしい
問題は、木星は確かガス状惑星だった、と言う事だ
ガスしか存在しない惑星にハイヴは存在出来ない。モニュメントを構築する為の材料が存在しないのだ
だと言うのに、この整備兵…もといガス状生命体はBETAを見て喚き立てる
もしかしたら我々の知らないBETAが居るのかもしれない。ただでさえ頭痛の種ばかりなのに更なる厄介事が増えた事実は、艦長の胃を攻撃した
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2004年 1月1日
大陸派遣軍全員の本土収容を確認。日本で戦時体制の解除、並びに平時体制への移行が完了する。また、戦時体制以外は議会制を敷く事が決定した
鈴木グループが民間向けインターネット事業を開始。米国に続いて世界で2番目のインターネット事業である
同年 4月14日
鈴木詩織第4子出産。男児であり、名を
同年 7月20日
中国領の完全除染が完了する。大東亜の威信に賭けてをスローガンとして全土の復興計画を立てる
五カ年計画による中国全土の復興を目指す物であり、フィリピンやマレーシアと言った後方国家から大量の労働者を雇い入れて復興を目指す物であった
同年 9月19日
草薙フィルターを使用したメタンハイドレード掘削作業が開始される。日本政府主導のエネルギー資源海外依存脱却を目指した物である
結果は大成功を収め、財閥及び鈴木グループが日本各地のメタンハイドレード掘削事業を開始する
後年、この時の経験を元に世界各地でのメタンハイドレード掘削事業を日本が一手に担う事となる
2005年 4月6日
パリ及びその周辺地域の復興が完了する
また、第一次世界大戦以後使えなくなっていたゾーン・ルージュがBETAによって掘り返され、汚染地帯が浄化されている事が判明する
これはBETAにとってこの土地に埋まっている全てが有益な資源であったことから掘り返され、結果的にこの土地の浄化に繋がったと思われる
同年 6月16日
香月夕呼第2子出産。女児であり、名を
同年 10月16日
ポーランド、ウクライナ、ベラルーシ、この3国の国境地帯に世界で3番目のマッスルシリンダー製造プラントが建設される
これは三国が緩衝地帯となる場所を欲した結果であった
世界一の敷地面積と生産量を誇り、欧州方面のマッスルシリンダーの70%がこのプラントで製造される事となる
……この施設のせいで三国に大量の出稼ぎ難民が押し寄せる結果となったのは必然の結果であると言えるだろう
2006年 3月1日
鈴木重信氏主導によるロシア連邦復興計画により、ロシア領内のシベリア鉄道並びにその沿線区画の整備が完了する
まるで血管のように伸びている事からロシアの動脈と呼ばれる様になる
崩壊後の失業率も5パーセント以内に収め、退役軍人達の働き口まで用意し、ロシア連邦内での餓死者を0にした功績から、首都モスクワとウラジオストクには銅像が、シベリア鉄道車内には重信氏の功績を称える書籍が常設された
更にはロシア連邦救国の英雄として教科書にも掲載され、ロシア連邦は一方的に日本への好感度を上げた
……余談だが、現在のロシア連邦首脳部は、重信氏が軟禁されていたサルチャで、重信氏の事をトップに据えようとしていた者達である
また、世界で4番目のマッスルシリンダー製造プラントも完成し、ロシア連邦は旧モニュメントを利用した地下資源採掘と共に復活を果たした
同年 11月8日
第2の軌道エレベーター完成。それと同時期にアフリカ縦断鉄道が完成する
この頃にはアフリカ連合上層部が後進に道を譲っており、世界に戦犯行動を謝罪すると共に、世界の鉱物貯蔵庫として活躍する事を確約した
この謝罪により、鈴木重工はアフリカ連合へのマッスルシリンダー輸出を再開する
2007年 1月1日
ルナツー船団帰還。全幅180kmにも及ぶ資源衛星を持ち帰り、ガス状生命体まで連れ帰った事によって更なる波乱を呼ぶ
元オルタネイティヴ4の協力により旧00ユニット用義体をガス状生命体用義体へと改造し、木星圏の事情を聞くこととなる
この事態により国連は人類連合宇宙軍の結成を急ぐ事となる
同年 2月20日
ルナツーの表面土壌サンプルから大量のヘリウム3が検出される。事前調査によって内部には大量の鉱石がある事は発見されていたものの、ヘリウム3を検出出来るような大型機械が設置できなかった事から見逃されていた物と思われる
ルナツーの採掘権が船まで出した鈴木グループにある事が波紋を呼び、各国の研究機関が要望を出して鈴木グループの電話回線がパンクした
同年 3月18日
ルナツー採掘作業開始。採掘の折に出る細土まで地球に送り、地球では核融合炉の研究が大幅に前進する
2009年 5月26日
核融合炉を搭載した宇宙空母艦隊を主軸とした人類連合宇宙軍が結成される
太陽圏の奪還を掲げ、月面への侵攻を開始する
2010年 7月18日
元国連軍横浜基地の改修が終わり、AT博物館へと様変わりする。人類とATの長い歴史を記す場所となる
2012年 3月22日
月面の半分を奪還。ヘリウム3生成施設及びマッスルシリンダー製造プラントが建造される
極秘裏に月面でのBETA牧場が作られる
2014年 9月19日
ルナツーより採掘された金属を使って合金が作られる。ルナ・チタニウム合金と重信氏によって命名される
この頃から対光線用透過膜が戦艦、空母、戦術機、ATに塗布されはじめ、光線級の照射であれば受けても問題無い程になり始める
2015年 4月1日
鈴木重信、心臓発作にて自宅で死去。50歳にて人生の幕を閉じる。人類の為に尽くした男の最期は布団の上であった
枕元に置いてあったメモ帳には意識が途絶える寸前に死力を尽くして書いたと思われる一文が残されていた
人類に 黄金の時代を
最期まで己が信念を貫き通した男の 最期の願いであった
人類の為に尽くした男が居た
昏らき日に光を灯す男が居た
誰もがその男の恩恵を受け 誰もがその男を尊敬した
彼の名は 人類が続く限り語り継がれるであろう
さらば重信 二度と目覚める事なかれ
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ここまでの長いお付き合い、誠にありがとうございました。本作はこれにて終わりで御座います
もしかしたら細々と何かしらの外伝を書くかもしれませんが、ここで一旦の終わりとさせて頂きます
ご愛読ありがとうございました
2015年 4月3日 火葬前に重信の脳髄が何者かによって持ち去られる