マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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ロシアにおける重信くんのおはなし


外伝 2

2006年 3月1日 モスクワ

 

『建国の祖 重信氏に敬礼!!!!』

 

大規模なパレードのど真ん中、重信はオープンカーに乗せられていた

周囲を固めている重信の護衛部隊までパレードの一環として組み込まれたこの大規模なパレードは、ロシア復活の立役者を称える為だけに行われている

シベリア鉄道並びにその沿線区画の全整備が完了するだけでなく、失業率の改善、餓死者0を成し遂げた偉業、鈴木重信主導の元行われたこの改革は、ソ連崩壊後の混乱を収めただけでなく、ロシア連邦を更なる高みへと導いた

 

指揮官の号令と共に道路の両脇を固めている兵士達が一斉に敬礼し、その後ろでは群衆が一目建国の祖を見ようとひしめいている

手を振るだけで歓声が上がり、敬礼している兵士の目から涙が溢れ、群衆は手を振り返す

重信が泣いている兵士に涙を拭けとハンカチを手渡せばカメラに撮られ、その1枚が翌日の朝刊の1面を飾り、翌日の昼にはその柄のハンカチが店頭から消えて無くなり、その兵士の家で家宝として飾られると言えば、その影響力の強さが分かるだろう

 

「なんか…凄い事になってるな……」

 

かく言う当人は何処か他人事である。手を振り、素晴らしい作り笑顔を貼り付け、愛想を振り撒きながら、ボソリと呟く

何せ当人からしてみれば、リアルシムシティじゃん!なんて考えながら、渡りを付けただけだからだ

ゲーム開発室(何故か伏魔殿と呼ばれる場所)に入り浸る退役将校に声をかけ、現職や退職した国鉄の人員にも声をかけた所、彼等の目はギラギラと輝いて二つ返事で承諾したのだ

 

結果として、軍と民間両方の意見を取り入れたシベリア鉄道は、最高の出来栄えとなった

何せ両者だけでは色々と問題があるとの事で本当に様々な……多種多様な人間が巻き込まれ、ほぼ殴り合い上等の意見の出し合いが繰り広げられたのだ

 

最終的には沿線区画開発計画にまで飛び火し、ロシア政府に重信がその事を持っていけば、この開発計画全部やろう(人員は出すからお前が主導しろ)と無理難題を押し付けられ、結局退役軍人等の使える連中を全員雇用しての超大規模国家再生プロジェクトへと変貌した

 

結果として、この大規模プロジェクトは失業率の低下を成し遂げ、沿線区画の発展、国家の大動脈として機能を果たすだけでなく、辺境における雇用を生み出し、辺境である故郷に戻れる人間達の心を鷲掴みにしたのだ

 

そんな事をしていれば、人心を掴むのは当たり前である。リアルシムシティ市長だとかそんな物の比では無い。ロシア正教会は重信に対して聖人判定を繰り出し、ロシア人民は現大統領(元ソ連代表)よりも重信を支持しており、酒場で誰かが重信によってロシアは統治されるべきだと宣えば、全員がそうだそうだと喚き立てる程である

 

かくして、このような超大規模なパレードでも、誰も大統領の事に言及して居ない。まるで添え物のような扱いだが、当人及び政府側もそれで良いとしているのは、結局の所重信と言う人物が外様であり、政治に介入して来ないと知っているからである

もっと言うなら、重信の事をトップに立たせようとしてたら自分達がトップになったような連中故に、この反応が当たり前だと思っている節があるのだ

 

『重信様、この子に祝福と一言頂けませんか』

 

聖ワシリイ大聖堂跡。ロシア正教会によって新たな聖堂が建てられた場所であり、このパレードの中での目玉である

重信による一言。教会再建の為に最も寄付をしたり働いたりした者の子供が受けられる最大の特権である

重信は差し出された赤子を抱き上げ、慣れた手つきで腕に抱く。その重さを感じながら、泣き喚く事もせず、ただ重信を見上げる赤子の生誕を祝うと同時に、ただ一言告げる

 

『責務を果たせる人になりなさい。例えその行く道が、どれだけの茨の道であろうとも』

 

聖堂内はシンと静まり返り、その静寂に重信は慌てる。キリスト教において茨とは原罪であり、救いと赦しをもたらす物だ

それを踏みつけて尚進んで責務を果たすと言う事は、原罪を踏み越え、赦しを振り切ってでも成し遂げる事が、人類を救えたと言っているような物である

自らが成しているからこそ、出てくる台詞だっただろう

 

……無論、重信はそんな事を考えていない。慣用句的な意味で茨の道を使っただけであり、まさかこんな風になるとは思っても居なかっただけだ

この一言が銅像の銘板に刻まれる事になるのはこの翌日の事であり、人類を救う為ならば原罪を踏み越え、赦しを乞う事すらしない覚悟を持つ必要があると、後の歴史家は語る事となる

 

『……重信様。貴方の御覚悟、確かに拝聴致しました。その高潔な魂に何と言う罪を背負われたのか。我々には測ることすら出来ませぬ。せめてその魂に、安らぎがあらんことを』

 

教皇直々の祝福を受け、困惑したままの重信は訳も分からぬまま教会を後にする事となる

これより後のパレードの映像では、多くの宗教関係者が彼の為に祈りを捧げる様が映っており、その祈りを受ける当人は、すこぶる困惑した表情であった




Q.リアルシムシティって面白そう

A.
補「だからさぁ、新幹線形式だと重機とか戦車とか運べねえじゃん!!他にも災害とかあった時に対応難しくなるじゃん!!」
鉄「だからってアメリカみたいなくそ長ぇのを走らせたら沿線まで入れんじゃろがい!!!」
「「やんのかオメー!!!!」」

Q.重信が政治に参加しないのはロシアも知ってるんですか?

A.きちんと発表してるのでその時に知ってます。なので外部最高顧問なんですね。使い潰しても痛くなくてめちゃくちゃ動き回ってくれる最高の使いっ走……顧問ですね!!
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