復興が終わり、各国で余裕が出始め、人類同士での争いの種が芽を出そうとした時、その招待状は届けられました
重信様の脳髄を賭けた、国家間バトリング。勝者に与えられるのは叡智と名誉、そして世界を手にする権利と言っても過言では無いでしょう
そして今日から、世界では国代表の選手を選ぶ為の選手権が開催されています
5ヶ月後に迫った月面予選までに、各国は国内を纏めあげる事が出来るのでしょうか?
それでは皆様お待ちかね!!バトリング、レディ……GO〜〜〜!!!!
2025年 4月2日
人類連合軍月軌道艦隊が今回の超大規模ご乱心企画を受け、月軌道の重点警備を開始する
このご乱心企画は軌道艦隊の艦長達に通達済みであったらしく、軍が民間のイベントをサポートすると言う変な事態に陥る結果となった
4月4日
月へと密航しようとした軍人やスパイの逮捕者が100名を越える。軌道エレベーターの管理を任されている軌道エレベーター公社が政争に巻き込まないで欲しいと各国政府に訴える程であり、水面下での逮捕者は更に多いと言われている
4月10日
鈴木グループが今回のバトリング大会の大口スポンサーとなる。グループ全体の広告費の5年分が使われたと言われる程の額が支払われたと言われている
4月15日
各国が内部の混乱を収拾しはじめる。真っ先に混乱を収拾したのはロシアであり、世界大統領鈴木重信計画の名の元一致団結
この計画は世界に発信されたものの、好評は得られなかった
4月20日
バトリング専用オンライン配信サイト(無料)が開設される。鈴木グループのスポンサー契約により実現した物であり、全世界のバトリング選手権の様子が見られるようになる
4月22日
ロシアで国代表を決めるバトリング選手権が開催される。繁華街型演習場を使用した20分間のペイント弾使用の無制限復活デスマッチであり、撃墜数及び被弾数の少なかった衛士とボトムズ4名ずつが国代表となる
世界初の代表決定選手権と言う事で各国が注目し、同時接続数が多すぎた為にサーバー運用を行っていたスーパーコンピューターの処理が追いつかない程の事態が発生した
4月23日
あまりの同時接続数の多さから、バトリング運営側がテレビ等による中継を懇願する事態となる
以後各国の報道による中継がされるものの、CM等の多さから配信サイトの負荷低減にはあまり役に立たなかった
5月1日
日本での代表決定選手権が開催される。ロシアに習い20分間のペイント弾使用無制限復活デスマッチで形式で行われた
参加者が多い事から公平を期すために戦術機部門とAT部門を分けたリーグ形式で行われ、以後これが標準となっていく
尚、この時の配信サイトの同時接続数はロシアの時よりも増え、運営側は出来るだけ大勢の人と一緒に見てくれると回線がパンクしにくくなる為、酒場や家族等での視聴を推奨した
5月3日〜5月30日
ほぼ1日置きで配信がされるも、アメリカや中国と言った大規模国家以外の為、同時接続数はダウン
この頃から元ボトムズや現役衛士による解説と実況がつき、興業として成り立ちはじめる
6月1日〜6月3日
3日間に渡るアメリカと中国の国家代表戦開始。両国共に最早国を挙げてのお祭り騒ぎになる程であり、アメリカではスラム街と化した実際の街を使っての代表戦を行い、中国ではゴーストタウンと化したビル街での代表戦が行われた
両国共に現役軍人を解説に呼び、経済効果は両国合わせて10兆円規模が動いたと言われている
一番安い席でも300万円近くの転売が横行しており、この価格が最安値であったと言われる程である
地上波での視聴率は70パーセントを記録した
6月4日
全世界での代表選出戦が終了。残すは月の予選大会となった
この頃から食品や飲料会社主導のキャンペーンが開始され、月大会の観覧チケットや旅行券が当たるキャンペーンが開始される
キャンペーン開始3日後には年間売上目標を達成する程であった
7月1日〜7月7日
各旅行会社が月面大会観覧ツアーの抽選予約開始をする。日程は3日間であり、予選、準決勝、決勝の3日間が行われる
最安値で500万円を叩き出しており、需要と供給の観点から更に値上がりした
最終的には最前列チケットが3000万円で落札されるほどの騒ぎにまでなったものの、そもそも当たる人間の数が限られ過ぎており、その騒動もすぐに収まった
8月20日
6月のキャンペーン当選者が出始め、SNSでは強運の持ち主が複数枚当選した事を報告する猛者まで現れた
スポンサー枠である為非常に良い席である事が書かれている為、自宅特定までされる事態が発生する
また、この頃から詐欺メールが頻発しており、大会運営は当たっていないのにメールを送る事は絶対に無いと表明した
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9月25日 太平洋軌道エレベーター発着場
『ご覧下さい!!視界を埋め尽くす人、人、人!!!開業以来これ程までに人が集まる事は無かったと言われる程の人です!!!皆さん月へ向かう為の人ばかりです!!!』
『今から向かう方々の多くは所謂VIPや大会選手達です。月面で出される料理はその多くが培養や水耕栽培で作られた物で……』
『あ、来ました!!アメリカ選手団です!!!選手達は全員がこの太平洋軌道エレベーターから……』
人、人、人。選手団の見送り、マスコミ、大会関係者、etc……
東京のような人の多さとは比較出来ない密集度合いであり、人の多さに酔いそうになる
そんな事よりも私自身の怒りが勝っているからこそ、今こうして冷静で居られるのだが
『すいません、インタビューを……す、鈴木詩織様!?こ、これは失礼を……!!!』
「構いません。生放送のようですね?月にも流れているのですか?」
インタビュアーがこくこくと頷き、私はニコリと笑ってマイクを受け取る
インタビュー内容は、月面で何がしたい?と言う漠然とした物であり、多くの人は大会を見て景色や月面車でー、なんて言うのだろう
だが、私は違う。私には明確な目標がある
「月面に到着したら、先ずは夫……失礼、今は物でしたね?アレとた〜〜〜〜くさん話をしようと思います。ええ。何故言わなかったとか、隠す必要あったかとか、どれだけ大変だったかとか色々……ええ、本当に色々と」
鬼気迫る、と言えるだろうか。これほど怒ったのはいつ以来だろう、
なんならあの
『インタビューへのご協力ありがとうございました〜……』
早々に切り上げられてしまったものの、恐らくはこの動画を見たらあの脳髄は震え上がるだろう。それくらいで丁度いい。そう考えながら、私の気持ちは沈んでいた
「…………ほんと、何で言わなかったのよ、あなた……」
VIPラウンジに入りながら、私は独りごちた
Q.そう言えば日本のネームドは出るんですか?
A.武ちゃんは鈴木重工所属でスポンサー企業なので出られません。また他の同級生面子も引退しており、今回は重信(脳髄)が出した招待状のお陰で観戦はしに来ます
Q.人類連合軍がよく協力してくれましたね?
A.月軌道艦隊だけ何でか光線級のレーザーが全く効かないそうですよ(すっとぼけ)