マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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光州作戦……朝鮮半島を撤退する部隊を支援する為のこの作戦には、九條家お抱えのラビドリードッグ部隊……通称狂犬の飼い主(ハンドラー)が多数投入されました
この飼い主部隊はこれまで体質から戦術機に乗る事が出来ず、歩兵でしか活躍する事の出来なかった武家達ばかりで構成されており、士気旺盛血気盛んな者ばかりでしたが……彼等に任されたのは、国連軍司令部の防衛でした
当初こそ後方故に腐るかと思われていた彼等でしたが、彩峰中将事件を経て戻ってきた彼等はこう振り返ります

『我々は、歴史を変えたのだ』

─── AT博物館 光州作戦の悲劇から抜粋 ───


時間が無いって言ってるだろいい加減にしろ!!

1998年 1月4日

九條家三女 九條詩織と鈴木重工代表 鈴木重信が結納

世界中から祝福の電報が届くと同時に、返礼としてATのコクピットで出来る、対BETA戦闘想定型体感アクションゲームを各国に送り付ける暴挙に出た

 

ATのコクピットに乗り込み、パイロットが装着するゴーグルを被り、アクションゲームの電源を入れたら起動。ATの操縦桿とフットペダルを直接使う世界初のアクションゲームは、各国の度肝を抜いた

このゲームは鈴木重工加盟店にてインストールすればどのATでもプレイする事が可能であり、AT同士を接続すれば協力プレイも出来る。挙動もATの種類によって異なり、更には戦術機にもゲームが対応している事が後日明らかになる。整備士や休暇中の衛士やボトムズが、こぞって格納庫に入り浸る結果になり、更には民生用ATでもプレイが可能と判明した日から、子供達が民生用ATに群がり、社会現象にまでなってしまった

 

「身内となった今、隠し事はしない方が良いでしょう。九條様……いえ義父上、今年の7月にBETAが日本本土へと上陸します」

 

「そうか。……何だ、鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして」

 

当たり前だが、この人の器と言う物は分からない。もうすぐ隠居するのだと話していたかと思えば、自分から最前線に行く話しまでする

今だってそうだ。本来こんな荒唐無稽な事を口にすれば笑われるか、とてつもなく不敬だと斬り捨てられてもおかしくない。なのにこの人は当たり前のように受け入れた。身内になったからか?

 

「どうせ鈴木の情報網だろう?」

 

「え」

 

「言わんで良い言わんで良い。まるで先を知っているかのような鈴木重工の動き、帝国軍諜報部すらも出し抜く情報の精度、鈴木重工お抱えの情報網だろう?日本だけでなく世界的にも有名ぞ」

 

「アッハイ」

 

どうしよう、凄い勘違いされてる。俺自身はこの世界の歴史を知ってるから動いてる訳なんだけど、もしかして俺フリーメイソンとかと同じように思われてるかもしれない。海外の雑誌とか買った方が良いかも

 

「新潟からと見たが?」

 

「九州方面からです。正確には九州から山陰辺りが怪しい、と」

 

新婦である詩織のお色直しを待ちながら、新郎である重信の隣に座る純孝氏は、ふむ、と頷く

思索し続け、まだ寒いと言うのに扇子を取り出しては顔を扇ぎはじめる。相当に考えている結果だろう

 

「……成程、あそこは遠浅故に上陸しやすいか。対処は?」

 

「米軍に泥を被って貰いましょう。大東亜の時の不発弾が広域に見つかったとして、民間人と大陸避難民を北海道や東北へ一時的と称して避難、民生用AT所持者も使って地雷を埋設します」

 

「そう上手くいくか?故郷を捨てろと言われて……」

 

ウチ(鈴木重工)が金を出します。行政と連携して1週間程度の避難兼旅行にしてしまえば、断る人は居ませんよ」

 

「ふむ……方面隊にはワシが話をつけろ、と?」

 

「さすが義父上、話が早いですね」

 

詩織のお色直しが終わったと先触れが来た為、新郎の席へと戻る。目出度い目出度いと言いながら皆のどんちゃん騒ぎを見ながら、隣に座るカチコチに固まっている詩織さんの方を見る。視線に気付いて顔を逸らすのを見ては思わず苦笑いしてしまうが、悪い気はしない

……でもまあ、うん、まさか本当にくっつけに来るとは思ってなかった。この1年ずーっとギャルゲーやらされてる感じでした

 

1998年 2月15日

AT体験型アクションゲームの協力プレイの話が広まり、民生用ATを買う者が現れはじめる。装甲もほとんど無いような超簡易型AT(豆鉄砲で穴が空く)が発売される。値段はなんと100万円

一応コレもPR液が補充されれば操縦出来るが、脱出装置、中和剤、安全リミッター非搭載の為、原則重機としての運用は出来ないが、運転免許があれば運転は可能である

コレの発売と同時に、民生用ATの出荷数が200万台を突破する

 

1998年 3月10日

光州作戦発動。九條家が新型人狼部隊、狂犬の飼い主(ハンドラー)の投入を決定。この部隊は九條家が発案した物であり、他五摂家からも戦術機に乗れない武家の者を集めて出来た高性能AT部隊であり、総勢は3万機を記録している

重慶の頃から最前線で戦い続けている如月少尉を教官とし、1000時間以上を扱かれた練度の高い部隊である

しかしながらコストの高さと実戦経験の無さから、本来なら後方である国連軍司令部の防衛を任される結果となる

 

1998年3月12日

脱出を拒む現地住民の避難救助を優先する大東亜連合軍に彩峰中将が同調し協力したため、結果的に国連軍司令部へとBETAが殺到

実戦経験の無い狂犬の飼い主(ハンドラー)部隊と国連軍戦術機部隊が迎撃に当たる

 

1998年3月14日

国連軍司令部 健在也

 

「まさかここまで役立つなんてな!!」

 

幾度にも及ぶ補給、デッドウェイト(肩部70mm対戦車ロケット)を切り離して身軽になりながら、片手には振動刀、片手にはアサルトライフルを構え、戦術機と共に戦い続けている

この振動刀は刀身内部にマッスルシリンダーを組み込んで高振動を生み出しており、突撃級の正面装甲すら切り裂ける。何よりも、故意に刀身を折ればPR液に引火、刀身ごと爆発する。刺したまま使用すれば内側からBETAを爆破し、確殺する事が可能だろう

コレは良い。多少時間はかかるだろうが、戦術機に配備して重光線級等に使えば、とてつもなく効率が上がるのは間違い無い

 

48時間。国連軍司令部はその貴重な時間を撤退の準備と最後の指令飛ばしに使い続けていた。現在司令部内に残っているのは、極小数の人員だけである

24時間前、現地住民を半ば強制的に避難させたと言う報告を受け撤退を開始。24時間後の現在、殿を務めるのは狂犬の飼い主(ハンドラー)部隊及び撤退してきた戦術機部隊である

そして更に5時間後、狂犬の飼い主(ハンドラー)部隊を含んだ国連軍司令部は、完全な撤退を完了した




Q.ラビドリードッグの武装は?

A.
・30mmアサルトライフル
・肩部70mm対戦車ロケットⅹ2
・右腕部装着型マガジン式炸裂弾撃込機
・背部装着型鋼鉄製高振動刀
・両腕部装着型コンバットナイフ
・腰部12.7mm掃射機銃

Q.ラビドリードッグって狂犬って意味だけど武家様怒らなかったの?

A.
お武家様「これ狂犬って意味だけど不敬か?」
鈴木くん「お武家様は狂犬すら躾る事が出来ないと見える」
お武家様「やってやろうじゃねえかこの野郎!!!!」

Q.今まで散々誘拐されそうになったりしてるだろうけどどうしてるの?

A.
九條家私設護衛部隊「ドーモ。ユウカイハン=サン。護衛部隊デス」
「「「「アバーッ!!!!!」」」」
哀れ誘拐犯は爆発四散!!!!実の所九條純孝氏は阿笠局長と懇意ですので局長が気に入った時点で凄い数のニン……護衛部隊がついてます。イイネ?
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