マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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明星作戦。これはオルタネイティヴ第四計画司令部によって発案されました
国連軍、大東亜連合、帝国軍によって、本州の奪還及び横浜ハイヴの殲滅が目的とされたこの作戦は、それなりの月日をかけて準備される事が想定されていました
ですがこの作戦が発案された瞬間、鈴木重工は待っていましたと言わんばかりにあらゆる物を放出します。鈴木重工お抱えのAT部隊6個師団。九條家お抱えの武家衆。AT部隊を海上輸送する為のシートルーパーくん強襲揚陸型。帝国軍との連携を重視したこの独断即決は、人類第2の反撃として相応しい決断と言えるでしょう

─── AT博物館 明星作戦より抜粋 ───


歴史を変えよう

「明星作戦、か」

 

「はい、義父上。この作戦に我が鈴木重工は全心血を注ぎます」

 

カンッ、と音をさせて、純孝氏……否、義父上はキセルで吸い終えた煙草の灰を灰皿へと落とした

お腹の大きくなった詩織を北海道へと避難させるも、五摂家である義父上や武家衆は、東京から離れる事はしない。従って、自分も避難せずに東京に居るのだが、あまり反応は良くない。さっさと避難しろ、お前が居なけりゃ鈴木重工潰れるぞ、なんて言うのは聞き流したが、確かに避難しないと邪魔になるかもしれない

 

「そこまでする程なのか?……大声では言えんが、お前のお陰で帝国自体の被害も少ない。帝国軍の再編成を待ち、国連及び大東亜との共同で討ち滅ぼすのが1番楽だろうし、被害も少ないぞ」

 

「……帝国軍諜報部は今のアメリカの動きを知っていながら、悠長な事を言っているのですか?」

 

義父上の目が鋭くなる。再度キセルに葉を詰めて火を着け、一息に紫煙を吸い込んでは、暫く押し黙る

ふぅ〜〜〜…………と長く息を吐き出し、再度此方を見据える目は鋭く、同時に、何処か諦めが篭っている

 

「また鈴木の情報網か?」

 

「米国とのAT通商条約改訂の為に現地に居ますからね。日米安保を一方的に切るなんて思ってもいませんでしたから、アチラは揉めに揉めて……その最中、ある情報を手に入れました」

 

灰皿の前に置かれる1枚の書類。純孝はキセルを置き、その書類を手に取って目を通す

平静を保つようにしながらも、内容を見た純孝は、改めて大きくため息をつき、書類を数回折って灰皿に置き、火をつけた

 

「……新型元素を使用した爆弾のハイヴへの投下。被害規模の想定は核弾頭の何倍。コレを信じろと?」

 

「情報の確度は確かかと。現にハワイで何か準備しているとか」

 

ゆっくりと燃えていく紙を見ながら、純孝は再度押し黙る。今までこの男が持つ情報は間違っていなかった。だがコレは余りにも荒唐無稽である。幾ら米国との関係が切れたからと言え、他国に許可も取らず撃ち込むだろうか?

……やりかねない。前例がある。カナダに落下したハイヴに対して、米国は核の飽和攻撃を行った。更にはオルタネイティヴ5計画も米国が主導である

 

「……信じるとして、何をする?」

 

「九條家を頭とした斯衛を使います。鈴木重工のAT部隊6個師団、狂犬の飼い主(ハンドラー)部隊、トルーパーくんシリーズの強襲揚陸型も納入します。武家衆も使わせて頂けるのであれば、明星作戦は短期決戦が可能でしょう」

 

「斯衛ならば好きに動ける、か……以前からせっつかれている海軍用のATはどうなっている?」

 

「ダイビングビートルは納入しましたが、まだ数が揃いません。なにぶん高級機である事に代わりはありませんし、九州方面がやられたのが痛いですね」

 

「それでも無いよりはマシだろう。今頃海兵隊連中が乗り回しているだろうさ……橋頭堡の確保も楽になるな」

 

「では……」

 

「お前の案を聞き入れよう。それだけの大部隊だ、上手くやればもっと早く終わるやもしれんな」

 

毎度思うが、この人は俺のワガママを聞きすぎているような気がする。身内になったからもっと甘くなったのだろうか、だとしたら孫が産まれたらもっと凄い事になりそうだな。なんて考えつつも話を切り上げようとすれば、お手伝いさんが襖の前に座った

 

「重信様。詩織様が破水なされたと」

 

落ち着いた声で凄い事を報告された。マジかよ、なんて口を突いて出そうになるのを飲み込んで、出来るだけ冷静を取り繕う。うん、落ち着け、素数を数えるんだ、1、3、5……

 

「早いな、予定日は半月先のはずだが……今から向かえるか?」

 

「お車を用意しました。フェリー便に乗れば明日には着くかと」

 

シートルーパーくん万歳。作っておいて良かった3号機。東京からの避難で今も引切り無しに動いてるもんね。乗組員の方々には頭が上がりません。今度寄付でもしておこう

 

「では行って参ります、義父上。孫を見るまで死なないで下さい」

 

「うむ。よもや孫を見れるとはな、長生きしてみるものだ」

 

避難の口実と共に、世話になりっぱなしの義父上に改めて死ぬような事をしないで欲しいと釘を刺す。とは言えこの人も武人、孫が産まれようが戦地に赴かねばならないのだろう

と言うか焚き付けたのは俺か?そうなると詩織だけでなく色んな人達から恨まれるな

……けどまあ、この人なら大丈夫だろう。まだ後釜を決めていないのが凄く気になるが

 

1999年 1月25日

鈴木重信と鈴木詩織の間に長男が産まれる。名を純一とする

またこの日、世界保健機関が統計を終え、世界人口がBETA大戦以後初めて増えた事を報告した

この事態を受け、鈴木重工は大陸避難民及び職を失った者の大量雇用を開始。AT及びトルーパーくんシリーズの増産体制を整える事となった




Q.海軍用ATはダイビングビートル?

A.
海軍「陸軍ばっかりズルくない?ウチも海兵隊とか用のAT欲しいんだけど」
鈴木「海兵隊用とかになるとコスト高くなるけどええんか?」
海軍「潜水機能とか着けられるんや、ええやん!なんぼなん?」
鈴木「こちらスコタコ3機分となっております」
海軍「スコタコ3機分!?えっらい安いなあ買いや!!」
鈴木「これもう(需要が)わかんねぇな……」

Q.結局タケルちゃんにベルゼルガは届いたの?

A.届きましたが置く場所が無かった為、泣く泣く鈴木重工の展示品として帝都で飾られています

Q.タケルちゃんと純夏は無事?

A.無事です。実の所いの一番で鈴木重工の社員が2人を救出、北海道へと輸送しています

Q.ベルゼルガってかなり性能いいよね?陸軍なんか言わなかったの?

A.
陸軍「ベルゼルガって量産出来ないの?ウチに欲しいなぁ!?(恫喝)」
鈴木「スコタコ18機分のコストだけどそれで良いなら」
陸軍「ッスゥー……やめておきます」
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