コレは既に人類側が疲弊しきっており、同時に、常時内ゲバして足の引っ張り合いをしているせいだとも言われています。まあこの事に関しては追々話しましょう
ですが、この明星作戦は明確なまでの人類の勝利となりました。本州奪還及び横浜ハイヴの殲滅を成しえたこの成果は、誰の目でも希望に映る、明確な勝利だったのです
─── AT博物館 明星作戦より抜粋 ───
1999年 1月15日
オルタネイティヴ第4計画司令部が、横浜ハイヴ攻略及び本州奪還計画『明星作戦』を提案。国連軍、大東亜連合、帝国軍が同意し、準備が開始される
九條家より鈴木重工にこの話が伝わった瞬間、鈴木重工のAT部隊6個師団、九條家お抱えの武家衆及び
1999年 2月22日
明星作戦発令。フェイズ2へと移行しかけている横浜ハイヴに対し国連軍、大東亜連合、帝国軍による一斉攻撃が開始される
亜大陸のDデイ以降最大規模の反撃作戦であり、世界中の注目を集めた
四国方面軍が横浜ハイヴへの増援を防ぐ為にBETAへの陽動攻撃を開始。同時に九州への橋頭堡を作る為、
この陽動の成功をもって、本格的な作戦が開始された
1999年 2月23日
『うえっぷ……』
『ATの中で吐くなよ、後が酷い。ゲロまみれで戦うのは最悪だ』
『でも吐きますよコレ……海兵隊の野郎はしっかり橋頭堡確保してくれてるんですかね?』
『作戦自体は順調だ。
『それって俺らの方に来るって事なんじゃ……』
シートルーパーくん強襲揚陸型改め、海亀1号は、ATを10機搭載して運ぶ強襲揚陸艇である。サイズはギリギリに作ってあるらしく、全機が立ったままの状態でも、肩をぶつけ合う程に狭い
コレはATが倒れない為の工夫でもある為文句はつけられないのだが、それ故に少しでも波があると直に揺れると言う問題も存在した
そして現在、そんな海亀1号が、東京からすら見える程に、海を埋めつくしている
『作戦の最終確認を行う!!我々の目標は横坑入口までの制圧だ!!その後は後続の戦術機部隊及び機甲科、人狼部隊が内部の制圧を行う!!後続部隊の目印は左肩の装甲を赤く塗ってある事だ!!!間違えて一緒に入るなよ!!!』
『上陸30秒前!!!神の御加護を!!!』
『各員装備点検!!!行くぞ!!!!』
全員の軽口が止まり、目の前を見つめる。息が浅くなり、すぐに降りられるように準備をして、揚陸艇の口が開いた瞬間───光線が 揚陸艇ごと彼等を焼き尽くした
─────────────────────
「死角へ飛び込め!!!奴等の射程に入るな!!!」
隣の揚陸艇が燃え上がった瞬間、上陸を開始していた部隊が即座に散開する。1拍置いて光線によって揚陸艇が爆発し、爆風によって飛んできた高温の破片がスコープドッグの装甲を貫き、何機かが爆発した
海水の冷たさと爆発、レーザーによって発生した温度変化によって装甲が軋む。撃ち下ろしてくる光線級は視認出来ないが、確実に射程に入っているのが理解出来る
そして、その光線級を守るように多数のBETAが前進を開始し始めた。突撃級が存在しないのは海兵隊が先んじて処理をしてくれたからだろうか?
『助けて!!助けて少尉!!痛い!!!!母さん!!!!』
運悪く戦車級に捕まり、自爆も出来なかったスコタコが頭から貪られている。アレはもう助からない。そう思いながら脚部を撃ち抜いてやれば、爆発炎上して戦車級を撃破する
重金属雲が薄いのか、それとも陸の連中が押し込み過ぎたのか。光線級はしっかりと揚陸艇を捉え、撃ち下ろし続けている
「BETAの死骸だらけだ!!揚陸艇が接近出来ねえ!!!海兵隊の野郎何処に消えやがった!?」
「海兵隊は先行してるんだってよ!!光線級の死角に居るんだろうぜ!!!」
30mmを撃ちまくって戦車級を片付け、肩のロケットで要撃級を引きつける。BETAの死骸を片付ける暇が無かったのは、海兵隊も光線級に狙われたからだろう。通信が出来ないと言うだけで、ここまで酷くなる物か
「瀕死のBETAを盾にしろ!!アイツらはソレで撃てなくなる!!」
「瀕死にする前に殺しちまうぜ!!クソッ!!またやられた!!!」
次々と爆発していく揚陸艇とAT。それでも上陸し始めたATが纏まって光線級の死角へと入ったり、瀕死の要撃級を盾にしたりと、生き残りは多く存在する
ジリ貧だ。これでは折角の橋頭堡も意味が無くなる。そんな折、先行していた海兵隊連中が光線級の暫定場所に70mmロケット弾をぶち込んだ
『待たせたな陸の野郎共。これで橋頭堡の確保は成功だ』
『遅いぞ海兵隊!!全機、海兵隊がきちんと役目を果たしたぞ!!俺達も役目を果たす番だ!!続け!!!』
戦線が一気に押し上がる。70mmの雨が降り注ぎ、要撃級も戦車級も関係無く殲滅していく。数は力だと言うが、この殲滅能力を見れば確かにそうなのかもしれない
俺たちの任務は横坑入口までの制圧、電撃作戦のように一気に浸透していきながら、後からやって来たATは掃除を始める
BETAの死骸を揚陸艇に投げ込んで回収する。今となってはBETAすら貴重な資源であり、ATとの交換によって軍部はATを増やし続けている。このまま行けば、歩兵全員がATに乗る事だって夢では無い
「横坑発見!!!奴等が出てきます!!!」
「殲滅しろ!!!なんとしても我々で確保する!!!後続部隊に笑われたいか!!!」
人類初 世界初 宇宙初
例え無理と言われても 例え不可能と言われても
家族も 友も 恋人も 失い続けた者達へ
今こそ希望を見せる時
次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜
明星作戦 2
人の