マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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米国の内戦とは関係無く、BETAの侵攻は止まりません。本土を取り戻した日本に続くのはどこだ、なんて希望は早々に打ち砕かれ、内戦によって支援は停止、各戦線は後方からの大打撃によって地獄を見る事となりました
この時、米軍第7艦隊には試験用ダイビングビートルが何機かフル武装で積み込まれていました。これは米軍への直接的な売り込みをする為に無償納入された物の1つでした
しかしながらそれも日米安保条約前の話、安保条約破棄以後は格納庫の隅で埃をかぶって朽ちていく筈でした
ですが状況は一変、この数機は大統領救助の為に使用される事となりました。海中からの移動、2時間もの潜水時間を買われたこの数機はボトマック川を遡上して大統領を救助。その際にATにとって初の対人戦闘が発生しましたが……結果は言わないでおきましょう

─── AT博物館 米国内戦より抜粋 ───


米国内戦

1999年 3月4日

 

未明 米軍第7艦隊がワシントンD.C.近くに到着。降伏勧告と共に海兵隊及び鈴木重工から試験運用を頼まれて持ち帰ってきていたダイビングビートルを派遣、大統領救出を敢行

AT初の対人戦闘がこの時発生する

 

10:25 米軍第2艦隊が第7艦隊へと接近。タカ派によって第2艦隊が制圧されており、第7艦隊が奇襲を受ける形となる。第7艦隊母艦セオドア・ルーズベルトが被弾、小破するも、所属不明戦術機4機がリッチモンドより飛来。第2艦隊を相手取り、4機中2機が大破、そのままエンタープライズ級戦術機空母に取り付き、戦術機とは思えない程の怪力を使用して暴れ回る。CIWSによって撃破されるも大爆発を起こし、これによりエンタープライズ級を中破させ、第2艦隊を撤退させた

所属不明戦術機を相手にして生き残った衛士曰く「奇妙な程に柔らかい動きをした」

 

12:10 第7艦隊が大統領の救助を完了。ワシントンD.C.近海を離脱

 

国連が米国内戦の即時停戦を求めるために使者を派遣するも議会制圧中の兵士によって射殺される

 

1999年 3月5日

香月夕呼博士、国連に横浜基地建設を要請。国連は前日の事をふまえ即時承認

また、内戦中の為に国連本部をオーストラリアへと一時的に避難させる

国連本部が避難した事により正確な情報が伝えられ、米国内戦が勃発した事をようやく各国が正式に把握する

カナダ、メキシコが国連軍からの要請に応える形で国境に軍を配備、不測の事態への対応として米国に通達する

 

1999年 3月6日

ワシントンD.C.から脱出した第7艦隊から大統領演説が発信される。同時に、アメリカ合衆国憲法第3章第3条がタカ派に適用される事を明言した

これに呼応して制圧されていた合衆国最高裁判所に大量の民兵が殺到。制圧していたタカ派の兵士を殺害し、合衆国最高裁判所を一時的に確保

拘束されていた裁判官及び議長を解放し、合衆国憲法第3章第3条の適用が成される

この署名の5分後に、裁判所はタカ派によって再度制圧される

以下は、大統領演説の抜粋である

 

“我々はアメリカ合衆国だ!!!クソッタレのファシストとは違う!!!自由と民主主義によって発展を続けてきた我々の国を!!!!ファシスト共が乗っ取ろうとしている!!!!我々は絶対に屈しない!!!!人民の人民による人民のための政治を!!!!文句があるのなら真正面から来いクソッタレイカレ野郎共!!!!!!!此処に、あの反乱軍に対してアメリカ合衆国憲法第3章第3条の適用を求める!!!!!!!”

 

1999年 3月7日

米国各地にてタカ派(反乱軍)への襲撃が発生。反乱軍の家族等への被害が出始める

大統領令と合衆国最高裁判所の判断を基に、各地の陸軍基地を制圧する為に州兵が招集される

バージニア、メリーランド、デラウェア州では早々にタカ派を制圧する為に交戦が開始されるも、想定されていた為に激戦となる

 

1999年 3月10日

カリフォルニアでキリスト教恭順派が民間人避難の為に停戦を求める。この時点で米国内の被害者は軍民合わせて3000名を超えている

両軍共に一旦戦闘が停止されるも、どちらかが発砲し避難民に被害が発生する。これによって避難民を挟んで戦闘が再開されてしまい、数百名が犠牲となる

これを受けて民間人側も憲法修正案第2条を引き合いに出し、自警団等による武装組織を構成しはじめる

 

1999年 3月15日

米国第2艦隊のタカ派が陸地側の補給要員に成り代わっていた特殊部隊によって一掃される。これにより戦力的優位を手に入れるも、同日にオハイオ級原子力潜水艦がタカ派に乗っ取られ、核弾頭がタカ派の手に渡る

これにより泥沼の膠着状態へと移行する形になる

 

1999年 5月28日

タカ派によって乗っ取られたオハイオ級原子力潜水艦がイギリスのヴァンガード級原子力潜水艦によって撃沈される

これによりアメリカは報復核戦力の一角を失うも、大統領は即座にワシントンD.C.制圧作戦開始を宣言。州軍及び第2、第7艦隊による攻撃が開始される

 

1999年 5月31日

3日間に渡る激戦によりタカ派の将軍を逮捕、残存兵士達は降伏し、ここに米国内乱は終息を迎えた

今回の内乱による累計死者数は2万人を越えており、その多くはタカ派の家族、友人、知人である。主に自警団となった民間人が一方的な虐殺を行った結果でもあるが、誰もそれを咎める事は出来なかった

 

3月の奇跡と呼ばれる合衆国最高裁判所にて署名を行った議長、見届けた陪審員、裁判所を奪還した民兵に対しては全員に勲章が送られたが、全て墓前に供えられる結果となった。全員がタカ派によって殺害されていた為である

また、アメリカは今回の内戦を受けて各国への謝罪を行い、各国への補填及びオルタネイティヴ5の一時的凍結を発表。コレは実質的にG弾推進派の粛清及び各国への誠意を示すものである

 

更には国外企業である鈴木重工に対し、カリフォルニア、アラスカ、バージニア州へのマクダエル社との共同プラント建設を許可すると共に米国による全面協力を提示。これは大統領救出、3日間の激戦中に現れた未確認機がジョン・ドゥであった事からとされる

 

しかしながら、この2ヶ月以上の内戦によって各戦線は既に地獄の様相を呈していた

 

─────────────────────

 

『タカ派のクソッタレ共が!!!テメエらのせいで俺の軍人年金生活が無くなるじゃねえか!!!』

 

『アメリカの魂を失った俗物共が!!!貴様らのような奴等が居るからアメリカは堕落したのだ!!!』

 

ワシントンD.C. ホワイトハウス前

 

タカ派軍勢 陸軍第63戦術機甲大隊及び第60戦闘教導部隊

米軍派軍勢 バージニア、デラウェア、メリーランド州軍及び米国第2、第7艦隊

 

艦砲射撃及び戦術機部隊による強襲制圧開始から2時間が経過し、海兵隊及び特殊空挺部隊(SAS)のホワイトハウス制圧作戦開始から30分が経過

ホワイトハウス内部の制圧は遅々として進んでおらず、烏合の衆である州軍の進みは遅い

 

「ソープ!!!RPGを使え!!!」

 

「弾切れです大尉!!!海兵隊がまた来ます!!!」

 

『どけSAS!!!ここは俺達の場所だ!!!』

 

FP部隊の突撃によってバリケードが突破される。何人かの歩兵が肉片となり、それと同時に仕掛けられていたC4が炸裂する

今やホワイトハウス内は肉片と装甲片によって埋め尽くされている。両軍共に直接的にホワイトハウスは破壊できないが故に、内部では凄惨な攻防戦が繰り広げられている

司令部を兼ねているホワイトハウス地下シェルターに辿り着く為に、既に100を越える人間が肉片へと変わっているだろう

 

「ゴースト!!!そっちはどうだ!?」

 

「こちらゴースト、もうすぐだ。たった今シェルター近くを制圧している」

 

今回、わざわざ正面から攻め落とそうとしている海兵隊もSASも、これらは全て囮である。本命はSAS主導の別働隊であり、彼等はホワイトハウスの『裏口』から入場し、本命である将軍を狙っている

そして、今正に王手がかかる

 

「全員動くな!!!海兵隊だ!!!」

 

ホワイトハウスの地下シェルターが開かれ、別働隊が流れ込んだ。何発かの銃声の後、主導者である将軍に手錠がかけられ、無線のオープンチャンネルが開かれる

 

『この無線を聞いている者全てに通達する、将軍確保、繰り返す、主導者確保だ。我々の勝利「離せ!!!このクソッタレの英国野郎が!!!貴様らも所詮我等アメリカの資源を狙ぶべっ!!」……我々の勝利だ、反乱軍は即座に降伏せよ』

 

この無線が流れた瞬間、砲撃も、銃声も、何もかもが止んだ。静かなまでの一瞬の静寂の後、勝鬨が上げられた

主導者である将軍を失った反乱軍は武装解除を行い、全員が逮捕された。この後待っているのは、長い長い裁判と、戦後処理である




米国内戦 被害者数及び損害

死傷者……
約3万人(民間人約2万、軍人約1万)

損害……
戦術機 約300機大破
戦車及び機甲 約500両大破
原子力潜水艦 1隻撃沈
戦艦 1隻大破
FP兵器 約60機大破
核兵器 約20発(詳細数不明)

各戦線にて……
死傷者数の数が12%増加。武器、弾薬、食料、燃料等の補給物資が枯渇
燃料等の枯渇により各戦線においてATが更に普及する
アジア圏後方国家及びアフリカ圏が大規模補給物資生産施設の建設を開始
日本政府がマクダエル社を誘致し、ジョン・ドゥの開発を日本にて続行。米国に先駆けてジョン・ドゥの先行量産を開始する
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