マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

31 / 138
【鉄壁】大連。ジョン・ドゥの正式採用、ATを大量に使用した防衛戦ドクトリン、鈴木重工のお膝元と世界から言われるこの場所は、佐渡ヶ島ハイヴ攻略の際に話を通され、BETAを引き付ける囮役を買って出ました
かく言うのも、この囮役を完遂すればマクダエル社、鈴木重工が重点的にジョン・ドゥを卸すと言う確約が結ばれたからです。富嶽重工の跳躍装置まで装備したジョン・ドゥを逃す程、大東亜連合は愚かではありませんでした
更には今後の事を見据えて後方国家、フィリピンやマレーシアにジョン・ドゥを「大東亜連合」が配備、育ち、馴染んだ衛士達は大連で経験を積み、母国に戻り教官として……と言うサイクルを確立、後方国家からでも衛士及び機体を引き抜ける体制を整え、来るべき日に向かって準備を進めていたのです

─── AT博物館 【鉄壁】大連 より抜粋 ───


鉄原ハイヴ 間引き作戦

『作戦内容を確認する。我々は日本、国連、アメリカの共同作戦である佐渡ヶ島ハイヴ攻略を支援する為に、鉄原ハイヴ間引き作戦を敢行する』

 

『無理に前に出なくて良いからな。今回は鉄原ハイヴから増援を出さない為の間引きだ。じゃねえとアタシらみたいにどっか食いちぎられて小便垂れ流す羽目になるから』

 

ゲラゲラゲラと下品な笑いが溢れる。緊張を解す為でもあるが、この作戦はそれだけ重要だとも言える

今までの作戦とは違う、本格的なBETA戦。ハイヴの近くに行くと言う事は、光線級から狙われると言う事である

一応ではあるが、ジョン・ドゥにも対光線用塗料が塗布されているものの、それでも照射を受けて数秒程度しかもたない

 

『無人AT爆弾、接敵30秒前』

 

『気合いを入れろ!!ジョン・ドゥの性能を奴等に見せつけるつもりでな!!』

 

『『『YES Sir!!!』』』

 

大きな爆発音と共に、光線級の照射後の大気の揺らぎで機体の装甲からチリチリと音がする

どうやらこちらが大連から打って出た事に気づいたらしい。忌々しい連中の歩を進める音が機体を通して伝わってくる

丹東市。元北朝鮮との国境であったこの市で、我々は間引き作戦を行わねばならない

AT爆弾に照射されたレーザーにより照射位置を特定した海軍が、重金属雲を発生させる為に砲撃を開始する

相も変わらず見事な照射によって爆散した砲弾が重金属雲を展開すれば、300機にも及ぶジョン・ドゥが投入される

 

『目の前のBETAを排除するだけで良い!!短距離通信の外に出るなよ!!』

 

『それが出来りゃ良いけど、な!!』

 

36mmの砲火が要撃級を捉える。風穴を生成すると共に一気に接近し、膂力を使って一気に押し込む

戦車級を押し潰し、本来の頭である前側を叩き潰しながら、周囲を確認する

120mmで突撃級を撃ち抜く者、98式近接長刀で要撃級をナマス切りにする者、光線級の照射が無いと言うだけで、戦術機の戦闘はかなり楽になる

 

『帰り道はATに確保させろ!!アタシらは前に出るぞ!!』

 

戦線の構築。これこそが最重要任務である。大連からやってくるATに背後を任せ、300機のジョン・ドゥで一方的とも言える虐殺を繰り返す

動ける。動ける。動ける!!再生義肢になった時ですらこんなにも動けなかったのに!!!

あのクソッタレ共に命乞いした自分を払拭するように。戦術機に乗れなくなった自分を嘲笑った連中を見返すように。四肢を食われた時の痛みを返すように!!!!

 

「最高だよコイツは!!!!アタシの失った手足より自由だ!!!」

 

パイルバンカー(腕部装着型マガジン式炸裂弾撃込機)を突撃級の正面装甲に打ち込んで穴を作り、戦術機の腕を中へと突っ込んで、中身を掻き出す

痙攣しながら息絶える突撃級を見ながら、顔には笑いが張り付いていた。楽しい。楽しい。楽しい!!

一方的なまでの虐殺と言う物は、こんなにも楽しい物なのか!!

 

『そんなみみっちいの殺して、悦に浸ってるの?』

 

要塞級を解体(バラ)したらしい元ダルマ女が、長刀を担ぎながら聞いてきた

そうだ、こんな雑魚では満足出来ない。要撃級クラスだ、この機体(ジョン・ドゥ)ならそれが出来る

張り付いた笑みが消える。悪態をつくのと少しばかり冷静になったからだ

 

『うるせえ。今まで出来なかったんだから良いだろ』

 

『そうね。じゃ、私はもう1つ要塞級落としてくるから』

 

ギリ、と歯軋りをする。あの元ダルマ女は1番早くジョン・ドゥに適応し、最もスコアを上げている。今だって要塞級を既に1匹解体(バラ)した後だ

負けられない。パイルバンカーのリロードを終え、張り付いてきた戦車級をぐちゃりと握り潰しながら、跳躍装置に火を入れる

 

『負けてらんねぇんだよ、アタシは…!!』

 

跳躍装置の炎が死骸の表面を焼き、彼女は更なる獲物を求めて飛び立った

 

─────────────────────

 

「戦闘開始より1時間が経過しました。鉄原ハイヴからの増援が向かっています。囮役は完遂したかと」

 

「被害はどうなっている?」

 

「軽微です。ジョン・ドゥの損失数は10、後詰めの到着によって本格的な間引き作戦も可能ですが、如何致しましょう」

 

300機。それは重慶に送られてきたATの数だ。当初こそ誰もが不要だと考えられていたATが、今や世界的に必須な物となっている

受け入れたのだって帝国軍から頭を下げられたからだ。FP兵器の代わりにすらなるか怪しかったが、成程今考えれば、この縁もあの時から始まったと言っても過言では無い

 

「いや、作戦通り囮役に徹しよう。敵増援が到着次第後退を開始、AT爆弾で撤退戦を行いながら大連まで後退だ」

 

「分かりました」

 

"彼は絶対に世界を救う事が出来ますよ"阿笠は確かにそう言っていた。BETAの死骸を欲しがる人畜無害そうな子供が、今や世界を手中に収める一大重工の社長である

もう少し縁を深めておくべきだったな。そう考えながら烏龍茶を口に含み、合成特有の変な味に顔を顰める

 

作戦開始より3時間後、鉄原ハイヴからのBETA増援が到着。後退を開始

増援を大連前にて完全撃破せしめ、大東亜連合は間引き及び囮を完遂、人類の勝利に貢献した




Q.ベルゼルガくんそろそろ値段下がらない?

A.
鈴木「ベルゼルガよりこっちのブラッドサッカーとかどうです?」
陸軍「おー、ええやん!なんぼなん?」
鈴木「こちらスコタコ6機分となっております」
陸軍「ジョン・ドゥとジェーン・ドゥ両方買える価格やん!!ボッタクリやろコレ」
鈴木「でも誰でも乗れますよ?」
陸軍「…………………………………検討します」

Q.ところでご隠居は何処に居るので?

A.今は佐渡ヶ島に居ます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。