マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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弱冠15歳の開発者。帝国軍も当初はその事を信じられませんでした。その為帝国軍は繰り返し聞き取り調査やATの図面を引かせ、更には武装の図面まで引かせたのです

「あの時は殺されると思ったね」

これはインタビューに応じて下さった、AT開発者直々のコメントでした

─── AT博物館 本人インタビュー記録より ───


ええ!?中学生相手に尋問ですか!?

拝啓 父上 母上

 

ただいま私は帝国軍開発局と言う場所に居ます

すぐに帰れると思ったのですが引っ張りだこです

けっして色々な酷い事をされているなどはありません

丁重におもてなしを受けていますのでご心配なく

 

『本当の事を話して貰おうか』

 

シルエットしか見えない人の形。コレタケルちゃんが受けてた催眠自白か。おかしいな、記憶を辿ろう

えーと、あの後玄関開けたら帝国軍の広報部?広報課?の少尉さんが立ってたんだったよな

設計図を見た開発局の連中が、直ぐに連れてこいって言ってたから俺を連れて行って良いかの許可を両親にとってたな

あの人滅茶苦茶ペコペコしてたよな。今話してる人では無いのは確かだ。声とか違うし

んで、車乗せられて……あれ?そこからの記憶が無いぞ?もしかして麻酔ガスってやつ?

あ、だから運転席と仕切られてたのか。マジかあ、俺の人生初の全身麻酔が半拉致かあ

 

「アレは俺の引いた設計図です」

 

頭がぼーっとする。コレ自白剤も盛られたな。さっきから全部口に出てる感じがする

でも重要な事以外聞くつもりが無いのか。あ、注射器。自白剤追加なんすね。え、凄い嫌そうな顔するじゃん。ちょっと待って、そんなにヤバいヤツなのそれ

 

『君は中学生だろう?中学生があの設計図をひけるのかい?』

 

「パワーアーマーと戦術機から思いついたんです。月面戦争じゃあ凄く役に立ったのに、今は使われないとか勿体無いと思って」

 

なんか致死量とかって言葉が聞こえた。おいマジか、俺に致死量ギリギリぶち込んだのかよ。コイツら頭おかしいんじゃねえの

と言うか中学生にこんな尋問……いや拷問して恥ずかしくないんすか、聞けば答えるんすけど

 

『言葉を慎みたまえ……鈴木重信 15歳 身長163cm 体重63kg 製図は中学生に上がる頃に父親に習う、この頃から設計図を作りはじめていた……間違いないのか?本当に』

 

「はい、間違いありません。小さい頃から機械はありましたから」

 

尋問官が口を閉じた。やーいやーいお前がやってる事無駄骨〜アザとか作ったら拷問したのバレるから殴れない奴〜

お?なんだやんのか?え?タオルとやかん?ちょっと待ってそれガチのやつじゃん。ちょ、ちょっと待って!!お願い!!お願いします!!

 

「そこまでだ」

 

あ、なんか凄い数入ってきた。さっきの広報課の人の声だからコレマジでこの憲兵さんがやらかした感じかな

あ、憲兵さん連れてかれた。やーいやーいザマーミロ

 

「すまなかったね、直ぐに連れていくハズだったんだが……その、ぐっすり眠っていたから、仮眠室に寝かせておいたら連れていかれてしまったんだ」

 

単純なミスか、はたまたそう言う風に装う為の策略か。点滴を刺されてゆっくりと明確になっていく頭でそんな事を考えながら、口に出さないように必死に口を噤む

事実として、催眠もかなり浅かった。致死量の事についてもわざと口から漏らした感じがある。中学生相手にそこまでするか普通

 

「それで、君の送ってきた設計図通りにATを……」

 

「スコープドッグ」

 

身体をゆっくりと起こし、遮るようにして告げる。驚くような素振りすら無く、軍人は此方をしっかりと見据えている

冷ややかな目、と言う訳では無い。しかし意外だと言わんばかりの目である事は確かだろう。何せ俺自身起き上がれるとは思ってなかった

 

「アレの名前です。ATじゃない。俺はもっともっと作りますから。スコープドッグ。歩兵と戦車と戦術機の中間、歩兵でも使える操縦性、戦車未満戦術機以下の火力と制圧力、戦場でだってニコイチ出来る整備性、塹壕掘りから補給まであらゆる用途の雑用、どんな所でも使える汎用性……俺の目指すATは、こんな程度じゃありません」

 

軍人の目に、殺意に似た真剣さが宿っていた。それに応える術を、俺は既に持ち合わせていた

 

─────────────────────

 

「君の設計図通りに作ったし、マッスルシリンダー?と言うのも作ってみた。生体義肢の応用として作れるのが素晴らしいね」

 

「素材は特に指定しませんでしたが、試運転は大丈夫でしたか?」

 

「それを今からするんだよ」

 

試験用に組み上げられたスコープドッグを見上げながら、テストパイロットとして割り当てられた衛士がコクピットに乗り込む

何も間違って居ない筈だ。本当に設計図通り作ったのであれば、必ず動く筈だ

コクピットを開けっ放しにしたまま、衛士がレバーを前に倒す。立ったままの姿勢であったスコープドッグは、ゆっくりと歩を進め始めた

 

「成功だ!!成功だ!!!!成功だ!!!!!!!」

 

15歳の少年のガッツポーズ、組み立て作業員の歓声と共に、そんな言葉が試験場に響く。衛士がフットペダルを踏み、履帯がスコープドッグの身体を浮かせる

甲高い独特の音を立てて、スコープドッグが走り出す。滑らかに動くその様を見て、更に少年は興奮する

鈴木重工発足の瞬間は、この時決まったと言っても過言では無い。少年の夢は形となり、歩兵の神様はここに誕生した

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