マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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2001年。21世紀(未来)の始まり、20世紀(過去)の終わり
この年に生まれた方々はこう呼ばれた事はありませんか?躍進の子、明日の子、未来の子、と
これはこの年にオリジナルハイヴが制圧され、人類の未来が一気に広がった事が理由です
その為日本だけでなく各国で翌年の出産数が凄いことになったのですが……それはまあ、別のお話でしょう

─── AT博物館 未来の始まりより抜粋 ───


新年

2001年 1月1日

 

鈴木重信氏邸宅

 

新年と言う事もあり、邸宅には人が溢れていた。政財界の重鎮、財閥上層部、国会議員、軍、斯衛、五摂家……

邸宅内に入り切れず外で挨拶を待つ人々すら、一般人から見れば雲の上の存在と言えるだろう

 

「あけましておめでとうございます、代表」

 

「一番に来ると思っていましたよ、義兄上。あけましておめでとうございます」

 

鈴木重工襲撃以降、警備上の理由と難癖……否、親愛なる義弟と妹を守る為に近所に引っ越させた九條家当主は上機嫌である

何せ他の五摂家なんかよりも彼の人となりをよく知れるからだ。なんなら時間があれば入り浸り、尊敬する人の話を聞く事が出来る最高の環境だからだ

 

因みにではあるが、襲撃以降五摂家での警備の持ち回りや子供達専用の護衛部隊の編成等が何度も話し合われたらしく、増員された護衛部隊は全員が五摂家から選抜された人間である

 

そんな事は置いておき、1番に面会出来た嬉しさを噛み締めながら、秀一は新年の抱負を聞く事にする

これは重信自身がしっかりと明確な目標を立てていると言う事を示しており、それによって株価や国債が動くとすら言われる目標値である

 

「───今年の10月には、オリジナルハイヴを落とします」

 

「──────」

 

少なくとも、これで年明けの株式、為替、国債は酷い混乱を起こすだろう

秀一はそんな事を考えながらも、彼がこの新年の抱負を一度も達成しなかった事が無い事を思い出し、その表情は歓喜に染まった

 

─────────────────────

 

「あけましておめでとうございます、重信代表。新年の抱負は大きく出ましたね」

 

秀一氏が帰った後、恒例となった邸宅の屋根から掲げられる、鈴木グループの新年の抱負が発表された

 

オリジナルハイヴ攻略

 

外で待機していた者が配られた雑煮を急いで腹に押し込み、近くの公衆電話へと走る。ある者は車に戻って号外を刷る準備の指示を飛ばし、ある者はカメラを構えて何枚も写真に収めた

誰が始めたか分からない万歳三唱が辺りを包み、その号外は翌日には国連を通じて各国へと広まっていた

 

「いえ、今年がラストチャンスなんです。もう後が無いと言っても過言では無い」

 

目の前に居る男が一瞬誰か分からなかった。榊首相は後に述懐している

以前までの何処かのほほんとした、凡人たらしめながらもその頭脳を使うのを厭わない天才では無く。覚悟を決め、何かを背負った人間

榊首相はこの時の事を深く反省していると言う。「自らの手足たる従業員が虐殺され、それどころか秘書までもが裏切っていた事実を知りながら、私は以前のように接しようとした」と

 

「ラストチャンス、ですか」

 

「はい。申し訳ありませんが、私は使える物全てを使ってオリジナルハイヴを陥落させます」

 

「…………何か隠し事を?しかもかなり大きな……」

 

「首相、今日はお忙しいでしょう。後日必ずお話させて頂こうと思います」

 

護衛部隊の1人に促され、彼は退室を余儀なくされた。確実に何かヤバイ事をしようとしていると理解しつつも、必ず話すと言っていた彼の言葉を信じ、彼は部屋を出ていく他無かったのだ

 

私はこの時互いの信頼関係に胡座をかいていたのだ。覚悟を決めた男だと理解していながら、それまでの関係で居ようとした私は、とんだ愚か者だったのだ

 

─────────────────────

 

同日 EIKOがPVP対戦ゲーム、戦術機VS戦術機を発売

所謂背中からの見下ろし型……TPS視点で戦術機を操り、敵戦術機を破壊するゲームである

昨年の携帯ゲーム機に対応しており、各国の戦術機や世代によってモーションが違うと言う徹底ぶりであり、名作シリーズとなる第一作目である(色々な都合上第2世代までしか登場しておらず、とあるコードを打ち込むとATも出現する)

 

アーケードゲーム機としても稼働が開始されており、此方は美麗グラフィック、処理速度の上昇による動きの高速化、実際の戦術機操縦桿を使用した体感型PvPアクションゲームとなっている

お年玉喰らいがお小遣い喰らいを連れてきたと話題になり、EIKOは子供から集金する悪魔と呼ばれた

 

……余談ではあるが、これには財閥や他企業が深く関わっていると言われている。ATに人を取られまいとした各社が、鈴木重工から独立してグループ会社となったEIKOに話を持ち寄り、なんと戦術機シミュレータの技術を秘匿開示。EIKO側は余りの必死さに面食らったものの見事ゲームを作り上げ、テストプレイをした企業の人間は、嬉しさの余り涙を流したと言われている

 

当初こそ日本国内だけの販売及び設置予定であったものの、海外からの要望が非常に強く、海外でも発売する事になり、売り上げは素晴らしい額を叩き上げ、同年の内にEIKOは戦術機カスタマイズアクションゲームも発売する結果となった

が、此方はリアルを追及し過ぎたせいか一部コア層を獲得するだけとなり、隠れた名作。早すぎた発売。騙して悪いがここで死んでもらう。ようこそ衛士様!等々好き放題言われる結果となるも、細々と続くシリーズとなり……後年、爆発的な人気を得ることとなる




Q.ところでBETA製シリンダーってどれくらいあるんすかね

A.分かりませんが、少なくとも万は越えると思います。佐渡ヶ島の方々も横浜の方々もこれから使い潰されます

Q.こんな事しないといけないのですか???

A.少なくともこれでATと戦術機は馬鹿みたいな数を確保出来ますよね

Q.これって阿頼耶識タイプEみたいな事出来るんじゃ……

A.君のような勘のいい人間はシリンダー行きだよ

Q.復活した奴等の訓練とかってどこでやってるんすかね

A.佐渡ヶ島です。戦後処理のゴタゴタと銘打ってハイヴ内で訓練したりしてます

Q.そもそも復活した奴らは使えるんですか?

A.訓練次第ですが使えます。精神が落ち着けばやるしかねえになるだけなので
それに、代わりはいくらでもありますから
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