コレに乗る運命は変えられない。けれど、コレを使って運命は変えられる。頑張れ、私
2001年 某月某日
『どう東雲、慣れてきたかしら』
『慣れる慣れない以前に、気持ち悪さが先行します……』
『そりゃそうよね。じゃ、テストを始めましょう』
XG-70b 凄乃皇 弐型
佐渡ヶ島にて本日行われるのは、荷電粒子砲によるモニュメント除去実験である
国連、日本、大東亜、米国、ソ連……各国の科学者や軍人が見守る中、東雲 綾操る凄乃皇 弐型は所定の位置へと到着した
東雲 綾自身は気付いていないが、彼女の脳髄は量子電導脳と言う物に入れ替えられている
これは香月博士の理論を実証した物であり、彼女が整備されている間に実行された。彼女の脳髄は完全に死亡したものの、彼女はその事に気付く事は無かった
精々頭の回転が早くなったかな、程度の認識である。しかしながら、彼女の義体の首元から伸びるケーブルは彼女が量子電導脳へと移行した事を示唆している
『いつでも撃っていいわよ。あのモニュメント吹っ飛ばすつもりで』
『分かりました……撃ちます』
4分のチャージ後、荷電粒子砲が発射される。海上どころか大陸からすら見える程の光量が、モニュメントに直撃する
一瞬の静寂。その後に見えた大爆発は、およそ成層圏にすら届きそうな程の爆発であった
皆が息をのみ、吹き飛んだモニュメント跡を見て感嘆の息を漏らす
方や、この戦果とも呼べる物を見て当然とする人間が2人。鈴木重信と香月夕呼博士である
「ESP能力はつけなくて良かったのか?」
「あの子に付けても邪魔なだけ。純夏ちゃんだっけ?あの子とのコンビで使わせれば良いじゃない。霞もつけましょうか?」
「……そうだな、最悪そうして貰うか」
巻き上がる土煙と、ガラス化したモニュメントのあった場所を見ながら。彼は半ば上の空で呟いた
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2001年 5月30日
今朝、重信代表が直々に迎えに来ました。家の前にリムジンが停まった時は何事かと思ったし、中から厳つい人達が出てきたのにも驚いたし、もっと言うなら手土産でA5ランクの牛肉を貰った事にもっと驚きました……
何でも今日は特別業務なんだとか。私と武ちゃんはリムジンに乗せられて横浜基地に向かいました
久しぶりに会う重信さん、少し変わったような?雰囲気が変わったのかな?武ちゃんも気付いては居るみたいで、すこーし緊張してます
でも優しいのは変わってません。凄く申し訳なさそうに話してるけど……何があるんだろ?
横浜基地地下極秘区画に入るのは初めてで……こんな大きな物があるなんて思っても見ませんでした
XG-70b 凄乃皇 四型
全長約180m。私と武ちゃんは滅茶苦茶大きいその機体を見上げて……正直凄くワクワクしました
対ハイヴ殲滅用決戦兵器。武ちゃんが操縦と火器制御、私は航空士だそうです。それと、00ユニット?て呼ばれる人が別室のコクピットに乗るそうです
香月博士曰く、ML機関?の減速の為だとかなんだとか……よく分かんない!
ESP能力を使って補助もって言われたけど……どう補助したら良いんだろ?
この機体は来るべき日の為に使うらしくて、明日から私と武ちゃん、ヴァルキリーズ、御剣さん達、鈴木重工の部隊による共同訓練が開始されるそうです
アメリカから提供されたマップ、佐渡ヶ島ハイヴの経験、オルタネイティヴ4の情報からリアルに作られたヴェンジェンスでの仮想戦闘訓練……うあぁ、大丈夫なのかなぁ
あ、武ちゃんはそんな話全然聞いてませんでした。今日は起動試験するって言われて飛んで喜んでる位だったので
…………先が思いやられるなぁ
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「貴女が00ユニット……さん?」
起動試験終了後、別室のコクピットから出てきた人を見つけてしまったので声をかけました
人型の義体……?初めてみたけど、凄く精巧に作られてて驚きました。こう、なんて言うんだろう……ツインアイ?バイザー?武ちゃんがコクピットで操縦方法とか読みふけってなかったら分かったんだろうけどなぁ
『……驚いた。緊急中継機さんね』
はい。こんな事を言われるとは思ってもみませんでした。口が悪いとかそーゆーのじゃ無いと思います
いや確かに私も悪いかな〜とは思いましたけど!!最初に自己紹介しなかった私が悪いですねごめんなさい!!!
「ちゅ、中継機!?どう言う意味ですかそれ!!」
『もしこの機体になんらかのトラブルが発生した場合、貴女のESP能力で私の頭の中を中継して貰うのよ。だから緊急中継機さん』
「わ、私には鑑純夏って名前があります!!」
『私にも東雲綾って名前があるわ』
「あ……ごめんなさい。東雲さん」
『いえ、私も意地悪だったわ。ごめんなさい、鑑さん』
反省しました……当たり前だけどいきなりユニットなんちゃら、なんて言われて怒らない人なんて居ないよね
私だって怒るんだもん、他の人が怒らないハズないよ……それはそれとして、なんかこう……東雲ちゃんは不思議な人でした
なんて言うか……高速回転?思考を凄い勢いで回してると言うか……
……でもなんだろう、不純物が混ざってるような感じ……?
『もしかしたら長い付き合いになるかもしれないから、よろしくね』
「あ、はい!よろしくお願いします!」
差し出された手を握り返して握手をした瞬間、私の頭の中には殺意が流れ込んで来た
BETAを殺せ。武ちゃんを喰ったBETAを殺せ。皆を殺したBETAを殺せ。母さん、父さんを食い散らかしたBETAを殺せ……
思わず直ぐに手を離して吐きそうになったのを、コクピットから出てきて迎えに来てくれた武ちゃんに介抱されてなんとかなりましたけど……
あれって、私の殺意、なのかな……?なんと言うか、混ざってるような気が……?
Q.東雲ちゃんの首から伸びてる極太ケーブルって?
A.光ファイバーケーブルの束です。機体の隅々まで有線制御する為の必須品ですね
Q.トラブルって?
A.BETAにかじられて動かない!断線してる!とかを純夏ちゃんを中継機として強制的に機体を動かす時です
技術的にはジョン・ドゥと似た感じですよね
Q.それって純夏死ぬんじゃ……
A.( ◜ᴗ◝)
Q.ゴッドイーター部隊って戦後どんな要望でも通るような義体作ってくれるってマジっすか!!
A.マジです。VRチャットみたいなのが着たい?男だけど女になりたい?女だけど男になりたい?良いぞ、聞き取り調査だから存分に話せ……
これよりオリジナルハイヴ攻略を行う!!!義体に欲をかいた奴らはスコア上位じゃないと義体をナーフしまくるから覚悟しろ!!!