ハイヴ突入から6時間経過
地表にて機能を停止した凄乃皇弐型はBETAによって貪られ、安全に停止したML機関の機密保持の為自爆し、搭乗員全員の死亡が確認された
同時刻 凄乃皇四型が再起動。限界速度にて突撃を開始、荷電粒子砲の出力を絞り、眼前BETA及び
残存戦力 全軍合わせ AT4機 戦術機8機 全機中破以上
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『信じらんない!!普通目ぇ覚まさないからってキスする!?』
「仕方無いだろ!!もし何かあったらそうしろって言われたんだから!!」
「後でそれ吹き込んだ人も武ちゃんもぶっ飛ばすけど今はそんな時じゃないよ!!」
「純夏!?アレは非常事態だから……!!」
『はぁ〜!?!?アレだけ人の事貪っておいて何その言い草!!』
「それ夢の話だろ!?」
そんなイレギュラーが発生すれば夢は崩壊する。彼女が目を覚ました瞬間、目の前にあったのは自らの唇を奪う彼の姿
感情の処理負荷が一気に上昇し、彼女は目を覚ますと同時に彼を押し退けた。東雲にリンクしていた純夏が目を覚まし、改めて地獄に居ることに気付きつつも、先程の夢を思い出しては、目の前に飛んできた彼を抱きしめ、安堵した
が、その次に飛んできたのはまさかの浮気報告(?)
東雲にキスをした事実に怒り沸騰、凄乃皇四型の制御を補助したかと思えば、全速力での進軍を開始したのだ
『後できちんと話聞かせて貰うから覚悟しなさいよ白銀!!』
「後できちんと話聞かせて貰うからね武ちゃん!!」
2人の意識がリンクする。夢の中で繋がり、同じ人を好きになった2人にとって、眼前敵であるBETAは最早、恋路を邪魔するおじゃま虫でしかなかった
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ハイヴ突入から7時間経過
あ号標的 接触
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『あ号標的……コレ、が…』
『呆けているな!!来るぞ!!!』
地面を走っていたATが早々に触手に捕まり、四肢をもがれた。自爆しようとしたパイロットが捕縛され、触手によってぐちゃぐちゃにすり潰された
戦術機が一斉に駆け、近接武器を使って迫り来る触手を切り払う。荷電粒子砲の発射準備が開始されると同時に、触手は一斉に凄乃皇へと向かってくる
直衛になった皆が切り払い続けるも、何本かの触手がラザフォート場を中和して凄乃皇へと接触、まるで勝手知ったると言わんばかりに、早々に機体の制御が奪われ───純夏の意識が乗っ取られた
「理解不能。何故ここまで早く来れた?」
「───は?」
「並行世界において、ここまで早く上位存在に到達した事例は存在しない。何故このような事になったのか、
「何言ってるんだお前…!!並行世界!?訳の分からねえ事を…」
まるで訳が分からない。コイツはまるで、ここまで来る事は想定済みと言わんばかりだ
いや、コイツはもしかして知っていたんじゃないか!?だからこそあんな風に───
「あと7時間42分後に並行世界の上位存在と完全同期が可能となる。まるでそうなる事を理解していたような動きだ。何故そのように動く事が出来た」
「何故って……今年が最後の攻勢可能年だったからだ!!お前らをぶっ殺す為に何千何百って頭のいい人達が協力して、俺達をここに届けさせたんだ!!」
「理解不能。よもや事前に知っている者が居なければ理由にならない。我々のような上位存在が存在しなければ理由にならない」
コイツ……もしかして人類に
東雲がさっきから静かなのもおかしい、コイツから逆に情報を抜き取っているとでも言わんばかりに、純夏と手を繋いで何かを引っ張っているようだ
「……思い当たるのは、あの人だけだ!!鈴木重信……そのATを作った人だけだ!!」
「AT……理解。鈴木重信……記憶より読み取り完了……他炭素生命体と同個体…?理解不能」
理解不能とか言いながら凄乃皇のエネルギーをガンガン奪っていくのを止めろ、なんて口には出来なかった。コイツからしてみればコレすらも資源だ
何か、何か打開策がある筈だ!!
『やーっと必要な情報抜いたわよクソッタレ。アンタどれだけ持ってるのよ』
時間稼ぎは終わった。まるでそう言わんばかりに東雲が声をあげた
網膜モニターに映る東雲は夢の中で見たような容姿をしており、リアルタイムで補正をかけているのだと言う事に、数瞬気が付かなかった
「理解不能。東雲個体、どのようにして復活したのか」
『アンタが知る必要は無いわよ。けどよーく人間の事調べたのは褒めてあげる。私に元の体の事思い出させたのもね』
「理解不能。どのようにして情報を抜いたのか」
『アンタが純夏と繋がったからよ。私と純夏は今もリンクしてるのに、私の事そっちのけで話すじゃない?無防備過ぎんのよ。だからほら、こんな事も出来ちゃう』
そう言いながら、東雲がゆらりと手を動かす。凄乃皇や戦術機にまとわりついていた触手が離れ、まるでダンスを踊るかのようにしなやかに動き回る
乗っ取った。その結論に至るのに時間はいらず、同時に、荷電粒子砲のチャージが終了した
東雲が自らの生命維持に回すエネルギーをギリギリにまで落とし、捻り出したエネルギーだ
「理解不能。理解不能。理解不能。」
『良いから死んどけ。クソ野郎』
触手が触手を押さえ込み、六つ目の化け物の身体を引き裂いていく。トドメは任せたと言わんばかりの荷電粒子砲の引き金を、
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2001年 10月20日 20:18
オリジナルハイヴ 陥落
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『凄乃皇四型、衛星軌道に到達!!!作戦は成功です!!!』
一瞬の静寂。巻き起こる歓声
抱き合い、泣き、笑う。人類の悲願たるこの作戦の成功は、瞬く間に世界中へと届けられた
どこもかしこもどんちゃん騒ぎ。医務室からすら怒号にも似た歓声が出てくるのだから、最早誰も止められる者は居ない
そんな基地の中、へたり込む男が1人
会社を潰す勢いで支援し続け、この作戦成就の為に外道に堕ち、修羅にまでなった男、鈴木重信その人である
「…………終わったぁ……」
腑抜けた声であった。スーツが汚れる事すら気にせず、彼は芝生の上に寝転がり、大きな声を上げて泣いた
少なくない数の人間を犠牲にした。人類の為と宣って、ありもしない希望を抱かせた
間接的に何万と言う人間の命を奪い、1度死んだ者まで利用して、もぎ取ったこの勝利は、人類全体を救う物だ
一頻り泣きじゃくり、ようやく精神が落ち着いた。戻ってくる彼等の為に宴会の準備をしなければ。そんな事を考えていれば、近くに寄ってくる影が1つ
「居ないと思ったらこんな所に居たのね」
「ああ……これで俺の役目は終わった」
「はぁ?何言ってんの?寧ろこれからが忙しいわよ。ATの発注数、今回の損失分もあるからもっと増えるだろうし……何より凄乃皇も各地に派遣される事になるわ。東雲の負担とかも考えなきゃ」
「……はは、そうだな」
彼女に差し出された手を取り、立ち上がる。この先は俺も知らない状況ばかりが続くだろう。だからこそ彼女のような人間の協力は必要不可欠だ
それでもこの先人類が勝利する事は変わらない。今この瞬間だけは、自らが重ねてきた亡骸に、背を向ける事が許される気がした
勝利 栄光 希望の象徴
人類は勝利した 明日の為に
人類は勝利した 未来の為に
多くの犠牲があった 多くの敗北があった
多くの 死があった
それでも尚 人類は諦めなかった
明日を掴み取った人類に 更なる希望を与えよう
次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜
東シベリア 奪還作戦
雪すら解けぬ永久凍土に ローラーダッシュの音が鳴る
香月博士の恋は……
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報われる
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報われない