AT大国と呼ばれる中国としのぎを削る程にATの使用率は高く、PR液の消費も早いのですが、中国よりも交換の頻度が低いのは、自分達で修理した方が早いと言う理由もあったからでしょう
まあ何よりも、その方が安上がりと言う点もあったのでしょうが……
……因みにですが、ロシアがシベリアに鈴木重工を誘致した際、誰が呼んだかシベリア拘留と言うあだ名が付きました
─── AT博物館 シベリアについてより抜粋 ───
2001年 11月11日
ソ連軍による侵攻が開始され、続々と混成部隊が突入する
当初こそ何の抵抗も無く突入出来、早々に制圧が可能であると考えられたが、大広間にて超重光線級のなり損ないと思われるBETAと交戦を開始する
周辺に他BETAは存在しないものの、なり損ないと思われるBETAは
推定全高60m、30以上の小型衝角を持つ前部副節を大広間入口へと向けており、身体の至る場所に光線級及び重光線級の照射器官を取り付けたような風貌で、反応炉への一本道を塞いでいた
その代わりに超重光線級の際に存在した超大型の照射器官は存在しない
勝てる見込みがある。彼等は祖国の土地を奪還する為に
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「おかしいな……BETAって凍死しない筈だろ?」
貨物船に運び込む作業員の1人が、すっかり凍死したと思われるBETAを放り込みながら呟いた
彼はそれなりに勤勉であった。BETAが月に存在する事も知っているし、その月面での作業において、BETAは何の問題も無く作業を行っている事が確認されている
だが、現に運ばれてきたBETAは凍死している。ここで彼は推測する
1.雪に足を取られ、戻るに戻れずエネルギーが尽きて凍りつき、凍死
1番有り得る死亡原因だろう。彼等は除雪と言う行為が出来ない為に、深い雪に埋もれてエネルギーが尽きて凍死した
元来彼等は両足やそれに準ずる方法で身体を支えている。掘削作業中に雪が降ってきても気にせず作業を続行
エネルギーの備蓄が尽きる前に戻ろうとした所、積もりまくった雪に埋もれて凍死する……有り得ない話では無い。人間だって往々にしてある事だ
2.以前の新型種が関係している
新型種を優先する為にエネルギーをそちらに回している可能性だ
これは……どうなのだろうか、オリジナルハイヴからの命令でコレが優先されているのであれば、納得は行く
新型種を優先して製造している故に末端の補給を少なくしている
……祖国とやっている事が同じと言う点を除けば、合理的だろう
3.防衛体制の強化
ありえるのか?分からないが、現状の事を考えれば有り得ない話では無い
奴等は言うなれば指示役を失った作業員と現場監督だ。以前の命令を遵守しつつ、防衛体制を強化する事……奴らから見れば災害に対応するのも当たり前だろう
だとすれば、もしや……
「おい聞いたか。ハイヴの侵攻が中々出来ないって話」
「聞いた聞いた、何でも大広間で大苦戦とか」
……どうやら、全部込みで間違い無いようだ。巻き込まれない事を祈りながら、俺は凍りついているBETAの四肢を切り落とした
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『照射が来る!!!各機散開!!!』
光線級種の照射に何故間隔があるのか?とある生物学者は、冷却の為に必要な時間であったり、エネルギー補充の為と言う
では、その冷却が早く終わったら。エネルギー補充が必要無かったらどうなるだろうか?大広間と言うなんのしがらみも無い場所で、好き放題撃てるとしたら?
答えは簡単、絶望しか生み出さない
『大広間内の熱が上がりすぎてる!!PR液が馴染んでないぞ!!』
『接近しろ!!とにかく接近してコイツを───』
ジュッ。と言う音と共に、指揮官の乗っていたATが溶かされた。恐らくは重光線級クラスの照射を受けたのだろう
小型衝角がATを真っ二つにし、2本纏めて引きちぎったジェーン・ドゥを、4本の衝角がバラバラに引き裂いた
それでも我々は負けていない。ロケット弾を撃ち込み、戦術機が近接戦闘を仕掛けられるように援護出来ている
迎撃される事を援護と言えるのであれば、だが
『薙ぎ払いが来るぞ!!!』
何よりもATにとって厄介なのは、まるで掃除でもするかのように行われる小型衝角の薙ぎ払いだ
無論、的確に小型衝角を撃ってしまえば防ぐ事は出来る。だが、それが出来る人間が何人居ると言うのか?
『ぐおおぉぉ……!!!!』
何機かのATが横並びで薙ぎ払いを受け止め、小型衝角を撃ち抜いて耐え切った。何とかなる、そんな希望は光線によって掻き消され、纏まったATは大爆発をおこし、周囲で応戦していたATを巻き込んだ
ジリ貧、否、これではすり潰されるのを待っているだけだ
機甲科が早々に撤退したのは良い判断だった。もしこの場に居たら、ソ連軍は更に手痛い損害を受けていただろう
『どうする!?弾が切れるぞ!!』
『どうもこうも……!!待て、なんだこの音……』
誰かが走ってくるような音。今まで進んできた横坑を、全速力で何かが走ってきている
BETAでは無い。どちらかと言えば戦術機のような───
『おおおおおおおおおおおォォォォォォ!!!!』
ジェーン・ドゥである。長刀とパイルバンカーのみ持ち、全速力で大広間へと走ってきているのだ
何をするつもり、なんて問いは直ぐに解消された。大広間に入った瞬間、地面を蹴り、跳躍装置を使って、ソレは羽ばたいた
正確には走り幅跳びだ。時速600kmも出るようなスペックを持った機体が、その速度を殺さずに一気に突っ込んだのだ
跳躍装置を全力で吹かし、小型衝角すら気にせずに、一気に、鋭角に
なり損ないの視認が遅れたのは、AT達の爆発によって発生した重金属煙の塊が、風の流れによって大広間入口を塞いでいたからだろう
ゴシャリ、と音を立てて、ジェーンドゥがなり損ないに取り付き、98式長刀を突き立て、根元まで一気に差し込んで、へし折った
『撃て!!!!』
へし折った反動を使って頭部へと乗り移ったジェーン・ドゥからの指示に全員が従った
ロケット、36mm、30mm……98式の刀身にロケットが当たれば、なり損ないは大きな花を咲かせる結果となった
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同日 1800 エヴァンスクハイヴ内の頭脳級を破壊
ライジングサン以後、世界初のハイヴ攻略国として、ソ連は世界に名を轟かせた
従来のハイヴ攻略と比べればその損害は、異常な程に少ないと言える数であった
絶望を乗り越え 希望を手にする
最早我等に負けは無い 絶望を与えし者に 今反撃の狼煙を上げる
共に居てくれた先人よ 隣に居てくれた友よ 悲願が漸く叶う時だ
次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜
東シベリア 奪還作戦 4
絶望を乗り越え 希望を手にする それのなんと難しい事か
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なり損ない(超重光線級)
正確なサイズ等は不明。恐らくは再度超重光線級を作成しようとしたものの、素体が間に合わない為に製作されたと思われる
大小合わせて照射器官が80を越えており、そのクールタイムも2秒と短い
30以上の小型衝角を持つ前部副節を持つも、超重光線級のように中型衝角を持っておらず、また、前方を守る事にのみ特化している
定点防衛の為に出したのか、それとも急遽配備したのかは分からないが、投入された戦術機80機、AT800機の内、戦術機69機、AT500機以上を破壊している
これがもし気温の低い外で使用されていた場合の被害は計り知れず、結果的にBETA側に休息を与えない事が正解となった