マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

60 / 138
どうやら国鉄出身の議員の話のようだ


インタビュー記録 5

───取材を受けて下さりありがとうございます。まさか書きかけの原稿を見せて欲しいと言われるとは思ってもいませんでした(汗)

 

「いやー、原稿読ませて貰いました。どんな内情なのかな〜、なんて読んでたら全部繋がりまして。いやはや、私もマッスルシリンダーに脳味噌焼かれた人間だったなと思い出しまして」

 

───元の職場が国鉄で、そこから議員になったとか

 

「ええ。国鉄の要望を通しやすいように〜、なんて言う理由で若い自分が出されまして。最初はやる気なんてありませんでしたよ、寧ろ俺の仕事はここじゃね〜、なんて思ってましたし」

 

───なるほど、国鉄ですと地方への輸送も含めれば凄く重要な仕事ですし、誇りをもっていたのですね

 

「ええ。上の連中の権力争いよりも、地方に運びまくるのが俺の仕事だと思ってました。マッスルシリンダー車を見るまでは」

 

───国交省の試作車お披露目の時ですか?

 

「ええ。静かで、未知の動力で、それでいて既存の物と遜色が無い……最初見た時は壮大なドッキリなんじゃないか?なんて思う位でしたよ

周りもそう思ってたみたいで、どうせガソリンで動いてるんだろ、て笑ってましたよ」

 

───私も最初、他のメカニズムがあるんじゃないかと疑いました(笑)

 

「アレは仕方無いって。煙も出ない、電気って訳でもない、電池でも無い!!それでいて試作普通車は500万円以下?バカにしてんのかって怒鳴りつけそうになりましたよ(笑)

……けど違った。全く新しい機構の、鈴木重信氏が発明した、日本の切り札ともなれる物だった」

 

───かなりの人がソレで脳を焼かれましたよね

 

「そうだね。私も説明聞いてくとチリチリ〜、て脳味噌の奥が焼ける音が聞こえたもん。上手くすれば鉱山のトロッコだとか、国鉄が所持してるディーゼル機関車とか、全部変えれるんじゃないかって

それ通したお陰で今もこのバッヂを着けられているんだけど(笑)」

 

───鉱山でベルトコンベアーの動力がマッスルシリンダー製に変わった事が有名でした。その次がトロッコで、その次が非電化区画のディーゼル機関車でしたよね

 

「そう!!もしかして鉱山に関わってたね?あの頃は国内の石炭も火力発電のために必須だったからね。発熱しにくく、電気を使わず、メンテナンスも簡単なベルトコンベアー。マッスルシリンダー車よりも先に作られてたそれを真っ先に鉱山に納入させたんだ

アレのお陰でコストが減って、電気代が削減出来てね。血反吐を吐きながら続けるマラソンが、ゼハゼハ言いながら過呼吸するマラソンに変わったんだよ」

 

───ですが、トロッコ等への置き換わりにはかなり時間がかかりましたよね

 

「そう。何せノウハウが無い!!車みたいな一般にも受けるメジャーと違って、気動車なんてマイナーも良いとこでしょ?

鈴木重工で作らせる為に財閥の人達に頭下げに行ったら、寧ろ引き取ってくれて有り難いって言われたの、ほんとショックだった……開発とかも一からだし、財閥さんもあんまりやる気無かったから……」

 

───だからシートルーパーくんよりも後に出来たんですね

 

「そうだね。気動車の代わりにならないといけないから大量のマッスルシリンダーを使うし、それよりも先に資源の無い日本は海外からあらゆる物を輸入しないといけなかった

何よりも今までだってコストはかかれどきちんと鉱山の運転が出来ている。と言う点で、後回しにされたんだよ

そのせいでノウハウも何もかもがぜーんぜん貯まらなくて……まあそれでも、作って貰えただけ有難かったよ」

 

───マッスルシリンダー駆動列車が出来るまで、相当数の非電化区画路線が廃止が決まっていた筈です。どうやって残したのですか?

 

「そこは国鉄から切り離して、あくまで民間の一事業者の所有線路、て事にしてね。議員の力はこう言う所で使わないと。それに帝都の路面電車にもマッスルシリンダー駆動列車の話も入ってたし……廃止も撤廃されるって分かってたのもあったからなぁ

当時の俺、廃止したい他の議員さんからすっげー嫌われてたもん(笑)」

 

───マッスルシリンダー駆動列車が完成して、どれ程日本や世界が変わったと思われます?

 

「完成するまで見向きもしなかった連中が、完成した瞬間に我先にと群がってきたのは笑ったね

けど……やっぱり嬉しいのがあった。国鉄が息を吹き返したのも、国家プロジェクトとして他国に売るのが推進されるようになった事も、コレ全部俺が立役者なんだぜ〜、てさ(笑)

それに、世界的に見れば流通は様変わりしたと行っても過言じゃ無い。今のアフリカ縦断鉄道もシベリア鉄道もマッスルシリンダー駆動だし……やっぱり無理言ってでも作って貰って良かったと思うよ」

 

───鈴木重工に対してかなりの便宜を図ろうとしたとか?

 

「そりゃあね(笑)申請書類だとか速攻で通すとか考えてたんだけど、そんな事しなくてもみーんな脳味噌焼かれてたから早い早い!!事業計画とか土地購入関係なんて即日処理!!寧ろ財閥にまで凄んでやるって言わんばかりさ(笑)

……ほんと、あの時は俺も含めて皆24時間走り回ってたね。官僚の人達には迷惑かけたけど、その官僚の人達が明日の為なんだから休んでられるか、て言ってくれたのは本当に嬉しかった」

 

───その点を考えると、官僚の人達も脳味噌焼かれてますね

 

「列車関係の話によく食いついたね。ほら、当時は地方から出てくる人が多かったでしょ?非電化区間から出てくる人も少なくない数が居たから。本来なら廃止されるその路線を何とか食い止めようとする俺と息が合ったのかも(笑)

何より、国内の流通が息を吹き返すと言うのが大きかっただろうね。国の血流みたいなもんだし」

 

───貴重なお話ありがとうございました。

 

……オフレコで話は変わりますが、国営放送で今度、プロジェクトZ〜非電化区間を救え〜にて放送企画しているらしいんです。良かったら再現VTRに使わせて頂いてもよろしいでしょうか?

 

「え、マジ?やってやって!!うわー、嬉しい!!!その再現VTR俺も出たい!!スケジュール調整するから教えてよ!!」

 

 

 




アフリカ縦断鉄道
スエズ(エジプト)から南アフリカ共和国まで伸びる路線と、モロッコから南アフリカまで伸びる路線及び、それに付随する各国の路線を指す
広大なアフリカを移動するのに海路や車ばかりを使っては効率が悪いと言う事、アフリカ大陸内での資源の流動性の確保、並びに運送等の効率化、先進国に対しての当てつけも含めて、アフリカ連合によって可決された
総工費は日本円にして1000兆円以上が注ぎ込まれたものの、アフリカ連合内にて採掘出来る各種資源の売買が容易になった事で経済が加速、完成後6年で完済仕切った
マッスルシリンダー駆動列車を使用しており、ATの上半身を貨物車の天井に取り付けて銃座とし、盗賊、山賊対策としている
ほぼ年に1回、馬鹿な盗賊や山賊が列車を脱線させて大爆発を起こしている
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。