マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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ハイヴがほぼ同時に2箇所も攻略された。多数のATと少数の混成機械科のみによって
異常気象による大量の積雪があったとは言えど、現状世界でどの国家も行う事が出来なかった、短期間でのハイヴ攻略。本来であれば国連軍も協力して行う攻略を、ソ連軍は損害を覚悟の上で自軍のみでの作戦決行に踏み切った

被害は少なく、それどころか日本と鈴木重工の支援のお陰だと大々的に報じた為、世界のバランスを握っているのは日本であり、ソ連はその日本と共に1歩を踏み出した、どの国からも思われる事となりました

無論、これには米国を含めた西側が猛抗議を行います。ですがG弾の使用や一方的な日米安保の解消、更には米国内戦と言う最悪の札が、ソ連と日本から発表された給糧艦にて撮影された仲の良さそうな日ソの兵士達写真が、その抗議を民意の名のもとに掻き消してしまう

そんな物が理解されればどうなるか?世界は、日本と言うキングメーカーを賭けてアピールする手番に入ってしまったのです

─── AT博物館 余裕が生み出した悲劇より抜粋 ───


鉄原ハイヴ 侵攻

鉄原ハイヴ。大陸の足掛かり。日本の目の上のたんこぶ

此処を落とせば、日本は後方地としてかなり安全な部類に入る。是が非でも陥落させたい日本であったものの、オリジナルハイヴ攻略で疲弊していた

 

せめて来年、と考えていた頃、大東亜連合から打診がやって来た。大東亜主導で鉄原ハイヴを攻略したいと言う打診である

無論、日本としても支援をしたいのは山々である。しかしながら今年度のハイヴ攻略にほぼ全力を出し切った事による疲弊は、最早ピークに達していた

 

給糧艦を出すのとは訳が違う。帝国軍の圧倒的な火力が欲しいのは理解するものの、ライジングサンの後の再編成すらままならない状態なのである

大東亜連合が急ぐのも分かるとは言え、ソ連のようなフェイズ2ハイヴでは無い。このような疲弊しきっている状態で攻略に移れば、被害はこれまで以上となるのは明白である為に、帝国軍は渋りに渋った

 

帝国軍の渋りに痺れを切らした大東亜連合は、大東亜連合と国連による鉄原ハイヴ攻略を国連へと提案

ソ連単独の発言力が増す事を懸念した国連及び西側陣営は大東亜連合の提案に賛成し、横浜基地へ参戦命令を下した

が、横浜基地はその命令を拒否。理由としては未だ00ユニットの再調整が終了しておらず、凄乃皇四型の整備も終了していない為であるとした

凄乃皇四型の戦力を前提としていた国連軍は戦力の低下を懸念した為、作戦の中止を求めた

 

しかし、大東亜連合は大量のATと少数の機甲科を使用した間引き作戦とハイヴ攻略作戦を決行。常口市から繰り出した3000機を越えるスコープドッグが侵攻を開始。更に、大東亜連合内の後方国がジョン・ドゥ、ジェーン・ドゥ、殲撃10型によって編成された戦術機師団を投入

この衛士達は、帝国軍が送り込んだ試験部隊によって育て上げられた者達であった

 

─────────────────────

 

2001年 12月4日

 

「おいおい本気かぁ?(アタシ)達まで巻き込むのかよ」

 

「仕方無いでしょ、命令だもの」

 

「ま、祖国の為なら仕方無いわ……もう何年も祖国の土を踏んでないけど」

 

「言うな。我々が活躍すれば、更に評価があがる」

 

「かと言って何年も他国に貸し出すのはどうなのよ……」

 

それはその通り、うんうんと全員で頷き、改めて溜息を吐く。使い勝手の良い教導部隊、前線も任せることが出来、後進を育成する事も出来、更には他国に恩も売れる

使い勝手の良い物は使い潰される、それは分かっていたものの、それ故にライジングサンの時だって呼び出される事すら無かった。屈辱に近い物がある

 

そんな事は今は置いておき。問題なのはマレーシアにまで送られて後方国家で衛士を育て上げていた所で降りてきたこの任務である

ATによる間引きの後、戦術機師団でハイヴを攻略する。コレは大東亜連合としての威信をかけた作戦だ

 

『きょうか……隊長、AT部隊が接敵しました。我々はこのままハイヴに接近すれば良いのでしょうか?』

 

「ああ、それで良い。各機防水処理を確認しろ、陸に上がったら関節に海水入ってましたなんて、食ってくださいと言ってるようなもんだ」

 

AT部隊は地上から接近、未だライジングサンの損耗が癒えないBETAを駆除しながら間引きを行い、BETAの視線を引きつける

その間に師団規模の戦術機は海より接近、機甲科無し、AT無しの、戦術機のみで行われる無謀なハイヴ攻略

海からでも見える光線級のレーザー、爆発して重金属粉塵をばら撒くAT

それを見ながら無傷で到着する戦術機師団

同胞が死んでいく。人類勝利の為に。同胞が死んでいく。鉄原ハイヴが堕ちるのを夢見ながら

つい先程まで軽口を叩きあっていた衛士達が黙り、手の空いている者達は敬礼でその死を受け入れる

 

「感傷は後だ。あのモニュメントを死んで行った連中の墓標にするぞ」

 

『……了解!!』

 

士気は最高潮だと言っていい。それまで何処かたるんでいた緊張の糸が、ぴっしりと張られた感覚が、全員に共有されていた

シートルーパーくん4号を改造して作られた簡易空母から、全機が発艦する

空が狭くなる。次々と戦術機が発艦する中で、一匹の光線級が跳躍装置の光を捉え、予備照射を始めた

ダメだ、堕とされる。予備照射を受けた一機が編隊から離れて自らの死を待つと、予備照射のアラートが鳴り止んだ

遠すぎて分からないものの、何が起こったのかは分かる。スコープドッグ部隊が強行突撃して光線級を排除したのだ

 

『……同胞よ、あの世で会おう!!』

 

戦術機師団はAT部隊の活躍により、鉄原ハイヴモニュメントから2km地点にて、無傷の上陸を完遂した

 

─────────────────────

 

同日 10:32

 

AT部隊の活躍により戦術機師団が無傷上陸。また、衛星軌道からの補給ポッド投下も完了。ハイヴ攻略が開始される

この時、鉄原ハイヴは戦術機師団が横坑内へ侵入した事に気付いたのか、AT部隊に向かわせていた本隊を戦術機師団側へと向けた

これによりAT部隊はおおよそ半数の犠牲を出しながらも辛勝。補給と整備の後、戦術機師団援護の為に突入可能な人員を掻き集め、400機のATが横坑へと突入

BETA本隊挟撃が開始された




焦燥 苛立ち 憤懣(ふんまん)
どれだけ焦ろうと 結果は変わらない
分かっていれど この苛立ちは解消出来ない
憤懣として溜まってきた物を解消する術とは何処にある?
やるしか無い この憤懣(ふんまん)も 苛立ちも 焦燥も
貴様らにぶつければ全て終わるのだから

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

鉄原ハイヴ 侵攻 2

身を焦がす程の焦燥が 前へと進む力となる
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