中国と言う広大な土地を取り返す為には、朝鮮半島を奪還、日本、米国……あらゆる支援国家の足掛かりを作らなければ、順に攻略されるのは独自でハイヴを攻略したソ連から。面子を大事にする中国にとって、本土を完全に蹂躙されたソ連に負ける訳にはいかない
日本からの支援を受けて王になるのは我々だ、と言う事を考えていたのでしょうが……
……日本からみれば今までの積み重ねと今回の無茶な要請で、ソ連以上に信用しにくいと考えられていたのは、分からなかったのでしょうね
─── AT博物館 中国との関係より抜粋 ───
2001年 12月4日 10:40
侵攻率 11%
戦術機師団による侵攻は想定よりも早く侵攻する。が、制圧する事を想定していない為、最短ルートにて侵攻を行う
偽装横坑からの奇襲による全滅を懸念し、中隊規模に部隊を分けて侵攻する
オリジナルハイヴ攻略後に公開された最短ルート、米国によって公開された横坑内のデータにより何度かの奇襲を予測し対応したものの、新たに増設された偽装横坑からの奇襲を受ける
同日 11:20
侵攻率 36%
反対方向から侵入したAT部隊と戦術機師団の先遣中隊が中間広間にて合流する
両隊共に敵BETA本隊とは遭遇しなかった事から、横坑若しくは偽装横坑に退避したとして後方戦術機部隊へと連絡を取ろうとした所、突如として両隊が侵入してきた横坑が落盤
後の調査で分かったが、BETAが偽装横坑へと退避後にわざと横坑上部を掘削して分断すると言う、世界的にも例を見ない【戦術】を使用した事が判明している
先遣中隊及びAT部隊は残された大広間への道を進むしか無くなる
同日 12:58
侵攻率 不明
先遣戦術機中隊及びAT部隊との連絡完全途絶。先遣隊には日本から預かった試験部隊が所属している為、大東亜連合は他横坑より侵攻を試みるもルートが絞り切れず断念
後方戦術機部隊が複偽装横坑から複数回攻撃に合い始めた事から、これ以上の損耗は無益であるとして撤退を宣言
同日 13:02
侵攻率 不明
撤退を宣言した司令部に従わず、多数の戦術機が侵攻を再開。整備と補給の終了したATが多目的背嚢コンテナを背負い、横坑へと突入した
また、1人のオペレーターが個人的な繋がりから国連軍横浜基地へと情報を提供。00ユニットから提供されたルートを戦術機及びAT部隊へと伝達
司令部は下士官の反乱としてオペレーターをデータ送信後に更迭。現場の暴走は命令伝達の不備として処理し、非公式な作戦の続行が決定された
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「ダメね、やっぱり繋がらないわ」
「随分深くまで来たし、BETA本隊の居場所も分からん。まさか分断する戦術を持っているとはな」
「ATがコンテナ装備で来てくれて良かったわ。弾切れの心配が無い事だけは確かよ」
「それより先に私らが干からびるかもな」
まるで誘われるように奥へ奥へと進んでいる。何度か小規模な奇襲を受けながらも、ATが数台撃破される程度で済んでいる
そのATからもしっかりと
「しっかし普通逆じゃねえのか?今のBETAの状況は迫り来る災害をわざと自分の家に招き入れてるようなもんだろ?普通は逆だろ、外に押し出して何とか身を守ろうとするんじゃねえのか?」
「もしかしたら他に何か考えがあるのかも。例えば袋小路に誘い込んで全滅させるとか」
「ゴキブリホイホイってか?勘弁しろよ」
「でもルートは大広間に続く物1本だけが残されてるんでしょ?しかも今は休憩まで出来てる……中隊長、どう思います?」
「……俺達を全滅させる何かを用意して、待ち構えているのかもしれんな」
鉄原ハイヴは大陸にあり、オリジナルハイヴに近い。ともなれば、何かしら新しい種類のBETAを用意していてもおかしくはない
だとしても何故中隊規模なのだろうか?もっと細切れにして誘い込んでもおかしくは無いと言うのに
こう言った嫌な予感と言う物は総じて当たるのが自分だと、
『中隊長、偵察が終わりました。少数のBETAが掘削作業を行っていたので排除しましたが、それ以外は特に見当たりませんでした
……中隊長、本当にここはフェイズ4のハイヴなのですか?幾ら先のライジングサンで削ったとは言え、明らかにBETAの数が少ないです』
「…………休憩は終わりだ、この混成部隊で鉄原ハイヴを攻略する。各員我に続け」
『『『『『了解』』』』』
嫌な予感はあった。だが進まねば道は無い。戻る事すら出来ない袋小路に誘い込まれるように、我々混成部隊は歩を進める
それしか知らぬと言わんばかりに
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同日 14:18〜15:20
侵攻率 不明
横坑に突入した部隊が敵本隊と接敵。突撃級の攻撃をジョン・ドゥやジェーン・ドゥが真正面から受け止め、敵の初撃を躱す事が出来た為に戦況は優位に進み、戦術機部隊の被害は少なくないものの敵本隊の排除に成功した
それと同時に、通信用機材を持ち込んでいたATが、恐らくは大広間へと向かった混成部隊からの通信を拾った
途切れ途切れの報告ではあったが、一つだけ分かった事があった
───BETAが戦術機を使っている
この報告が上がった瞬間、聞いていた誰もが凍りつき、少しの間情報を処理出来なかった
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「ここが大広間……?反応炉はアレか?」
広い空間であった。東京ドームが何個も入りそうな程のサイズであり、天井は高く、床は平坦で、一体直径何メートルあるのかも計り知れない
地下にある筈なのに明るく、照明も無いのに奥までよく見える
最奥に鎮座する反応炉を確認し、歩を進める。120mmは既に使い切っており、
『……ん?おーい!そんな所で何してるんだ?速く行くぞ?』
1人の衛士が壁際に佇む戦術機に声をかける。全周警戒中にはぐれたのかと思い声をかけ、近づいた
通信越しにも反応は無く、不気味なまでに反応の無いソレに近付いて肩を掴む
ぐるりと、ソレは振り向いた。まるで今まで気付いて居なかったように、ソレは戦術機を捕捉して、肩を掴んだ殲撃10型の左腕を掴んだ
メキ、メキ、と音を立て、戦術機の腕がひしゃげていく。カメラアイで捉えているソレが戦術機で無いと気付くのに、時間はいらなかった
衛士は即座に左腕を切り離し、突撃砲でソレを撃った。コレが何であろうと突撃砲なら効果があると思ったからだ
近距離からの射撃と跳弾の音が大広間に響く。何事かと全員が振り向けば、そこにあったのは───
コクピットを潰されて上下に分かたれた殲撃10型と、赤い目玉を爛々と発光させる、ジョン・ドゥのようなナニカであった
人は環境を変えて生きていく
例えそれがどのような環境であろうと 人は開拓し 生きていく
であればもし 人以上に環境を変えて生きていく生き物が居たら
人は どのように立ち向かえば良いのだろうか
次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜
鉄原ハイヴ 侵攻 3
人は 自らの上位種を知らない