マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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戦艦ニュージャージーの登場と砲撃により、米軍、州軍、民兵が団結を果たし、ニューヨーク市街地に被害を出しつつも防衛に成功。そしてアメリカと言う国家がBETAの危機に晒された事から早急にリヨンハイヴだけでもどうにかせねばならない。アメリカが滅んでしまう。議員達から噴き出した不満……いえ、国家を思ったこの言説はアメリカファーストを掲げる者達によって支持され、大統領も首を縦に降り、BETAの米国侵攻から1週間後には、リヨンハイヴへの侵攻が決定しました

─── AT博物館 アメリカの底力より抜粋 ───


リヨンハイヴ 侵攻

1月26日

ニューヨーク市街地に被害を出しつつも、ニュージャージー登場以後の士気の高さを利用してBETAの上陸を防ぎ切る

民間人の被害はおよそ200万人にまで登り、現在もおおよその数でしか判明していない

この日を境に米国が本格的に対BETA戦へと乗り出し、31日には、国連軍や欧州連合と話をつけて、リヨンハイヴ侵攻作戦を提示していた

 

1月31日

米国、国連、欧州連合がリヨンハイヴへの侵攻で一致。アフリカ連合が参戦要請をするも国連軍が参戦要請を拒否。米国と欧州連合も先の味方殺しからアフリカ連合の参戦を許さず、アフリカ連合は目の前で戦果を奪われる形となる

 

2月1日 06:00

モロッコ、アイルランド、2方面からの侵攻が開始される。この時橋頭堡確保の為に使われた炸薬量は、当時日本帝国が保有する炸薬量の半分にも達すると言われている

 

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綺麗な映像だと思った

大量のロケット弾がBETAの占領する土地に撃ち込まれていく。ロケット弾は綺麗な曲線を描き、撃ち込まれた箇所には花火のような炸薬の華が現れる

そこにBETAの肉片が混ざって居なければ、もっと綺麗だっただろうに

ターレットレンズを何度か回して動作確認をし、大きく息を吸う。ああ、ここは確か恋人と来た海岸だった。そう思い出しては、赤く染まる海岸に、少しばかりの郷愁を覚える

 

『掃射終了10秒前……5秒前……』

 

『海岸を掃討せよ。司令部設置は2時間後である。繰り返す、司令部設置は2時間後である』

 

『敵光線級の位置は先程の掃射によって判明している。戦術機が向かうため、安心して掃討せよ』

 

上陸艇の前面が降り、ローラーダッシュの音が響く。ここから見る星空が好きだった事を思い出しながら、対小型級用レーダー装置の電源を入れ、部隊のレーダーに小型級を映し出す

まるで星空のように画面に映る点を味方部隊のレーダーにも映し出す

 

『レーダー感度良好。掃除を始めるぞ。2時間以内に終わらせろ』

 

『要撃級や突撃級は他のATに任せろ!!戦術機がレーザーヤークトから帰ってくるまでに、少しでも負担を減らしてやれ!!』

 

皆冷静だ。BETAの死骸を上陸艇に放り込んで、でこぼこな海岸を均していく

小型級用レーダーには反応があるものの、腰に装着されている12.7mmを使って【効率良く】掃討していく

奇妙な感覚だった。今こうしてBETAを殺し、BETAを集めている我々は、果たしてBETAと何が違うのだろうか?

……否。このBETA共がやって来なければこんな事にはなっていないのだから、明確な被害者と言う違いが存在するのだ

ここから先は、もっと頭の良い連中に任せればいい

 

『さー動け動け!!安心しろ、採掘しやすいように奴等が均してくれたんだ、俺達が均すのも楽なもんだ!!』

 

『ハハ、人類もBETAも均す時は変わりませんね!!』

 

重機を入れないのか?と言われるだろうが、重機ではBETA相手に対処が出来ない。重機を入れるのは我々ATが制圧し、戦車や自走砲が入ってから

と言うよりもATが汎用性が高すぎるのが原因でもある。日本では海岸掃除にATが駆り出されていると噂があるが、本当だろうか?

今や世界中で使われるATだ、おかしな話では無いだろう

 

『隊長、作業行程の半分が終了しました。予定より大分早く仕上がりそうですが、如何しましょう』

 

『そうか、では我々だけでも防衛線を用意する。塹壕掘りの時間だ、均した後は掘る時間だぞ』

 

『イエス・サー……工兵隊が何で4脚やら履帯のATを欲しがるのか、今なら分かります』

 

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2月1日 10:00

継続的な軌道爆撃及びF22A(ラプター)によるレーザーヤークトにより、光線級の排除を完了する

海岸沿いに仮設司令部の設置が完了し、海岸沿いから10km地点に防衛線が展開され、人類は欧州奪還の1歩を踏み出す

 

2月1日 16:00

中東連合がアンバールハイヴの完全掃討完了を報告。続いて参戦要請を行うも、欧州連合と国連が参戦要請を拒否

以後アフリカ連合と中東連合は互いのせいだと擦り付け合い、関係が悪化する

米軍、国連、欧州連合の機甲科がようやく上陸を完了する。防衛線へと展開後、翌日にハイヴ攻略を持ち越す

 

2月2日

横孔内へ侵攻開始。米軍、国連軍、欧州連合軍、3ヶ所からの同時突入によってBETA側の戦力を分散させ、各軍の負担を軽減させる目的である

どのハイヴも同じような構造である事を利用し、各軍で最短ルートを計算済みであり、どのように攻略するか、どの軍が攻略するかを競う形となる

 

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「今回は欧州連合に譲ろうと思うがどうだろうか?」

 

「国連はオルタネイティヴ4と言う切り札もありますし、国民感情が納得すれば良いと思います。我々は土人とは違いますから」

 

大統領は珍しく上機嫌だった。今まで自分が訴えてきたBETA脅威論が、ニューヨークへの上陸がきっかけで支持された為だ

更にはニュージャージーを動かした何処かの馬鹿を含めて表彰した事で支持率は爆増、更には移住船(もう使わない物)を鈴木重工が天文学的数字で買い取り、世界的プロジェクトとして軌道エレベーター建設を音頭した

人類の門出。宇宙への旅立ち。資源を宇宙から。そんな謳い文句を掲げて、アメリカもよーく食いこんだこの事業は、世界中から支持を集め始めている

アメリカに風が吹いている。アメリカの背中を押す風が

 

『では、我々欧州連合が頂く形で。国連軍の方々は病み上がりですからな』

 

『ハッハッハ、先に頂いても全く問題は無いのですがな。病み上がりの病人にコレは重すぎます』

 

何て和やかに物事が進むのだろうか。大統領は改めて、自らにコンタクトを取ってきた中東連合とアフリカ連合の連中を思い出し、葉巻に火をつけた




リヨンへ リヨンへ 我等が故郷(こきょう)
リヨンへ リヨンへ 我等が明日へ
誰もが歌うその歌は 人類の明日を導く物である
誰もが信じ 誰もが願う たった一つの望みを歌にして
明日を夢見る者達に せめて良い夢を

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

リヨンハイヴ 攻略

夢見の悪い者達に せめて安眠を
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