亜大陸は未だ奪還出来て居らず、ハイヴも多数残っている。だと言うのに少しばかりの余裕が人々の内心に残っていた感情を燃え上がらせる……
そして、BETAを前にして、想定しうる中での最悪の事態が発生してしまいました
─── AT博物館 欧州戦争より抜粋 ───
2002年 3月1日
日本帝国軍 富士教導団の1団が集団切腹未遂を行った事件が各国にて報道される
麻酔弾をもって鎮圧されたソレは、日本独自の責任の取り方であると言う事実が広まったものの、上官が部下の責を自らの死で収めようとする姿勢は、欧州戦線にとって最悪のニュースであった
アフリカの土人共とは違う、誇りと名誉をもったやり方だ。騎士道とは違う武士道の本懐を見た。
これにより、アフリカ連合に対して兵士の死を持って事態を収拾すべき、と言う意見が出始める結果となる
2002年 3月5日
中東連合の兵士が宗教観の違いから欧州連合兵士を殺害しようとする
最初は口喧嘩であったものの、中東連合の兵士が『欧州の地は我々が救った、貴様ら十字軍は無能だ』と煽った結果殴り合いへと発展
両陣営の上官が収めようとしたものの、中東連合の兵士が拳銃を抜き発砲
欧州連合の兵士は重傷を負い、これによって対立が更に激化。更には宗教観の違いから発生した為に国連軍にもその火の粉が降りかかった
3月10日
米国で行われた軍事裁判により、アフリカ、中東、両連合に対して国連軍への謝罪、戦術機と衛士の補填、国連軍への賠償金の支払いが決定する
両連合は欧州戦線に展開させている部隊をそのまま国連軍に押し付け、更には賠償金代わりに国土の1部を国連軍に割譲し、賠償金の代わりにする事を提案した
この提案は国連軍を更に激怒させる事となり、国連軍はこの提案を一蹴、賠償金が期限までに払われない場合、アフリカ、中東、両連合領土から国連軍を撤退させる事を宣言した
3月11日
元スペイン領にて離反発生
国連軍に編入される事を拒否されたアフリカ、中東、両連合の兵士が武装して補給物資集積所に立て篭る
2箇所の補給物資集積所が制圧される形になった為、国連軍及び欧州連合が対応に当たるも、米国は自国に関係無い物として傍観に徹する
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『我々はこの欧州の地を救うためにやってきた!!!国連軍に組み込まれようと、我々アフリカ連合は、全力を以て───』
スピーカーを通して流されるご高説に辟易しながら、武装解除のための通告を再度行う
離反するなら最前線ですればいいのに。なんて、誰かが呟いた。頷きたくなるのを必死に抑えながら、装填されている訓練用のゴム弾を確認する
アフリカ連合の兵士側もゴム弾を装填しているのか、マガジンには青色の帯が着いている。明らかなまでのガス抜きだと言うのは、現場の誰もが分かっていた
要するに揉め事を起こし、1度本格的にぶつかった、と言う建前が欲しいのだ
そうする事で現場は協力不可能、と言う事を伝えたい訳なのだが……
「催涙弾の効果は?」
「一応はありました。まあ、催涙弾撃ち返されてこっちも被害を受けました。何人かは鼻と目から汁垂れ流してます」
「そうか」
怪我人は多少出ているものの、死人は出ていない。何よりも後方地となったスペイン領でやっているのだから、テロでも起こらない限り出るはずも無いのだが
……その点を考えて居なかった。なんて考えは頭の片隅へと追いやり、数日すれば上も事態を重く見るであろう事に願いをかけつつ、椅子に腰かけようとした瞬間
「───あ?」
胸を熱い何かが貫通し、天幕に穴を開ける。続いて響く乾いた音に気づく前に、身体は地面に倒れていた
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3月11日 13:20
離反勢力を包囲していた士官の1人が狙撃によって重傷を負う。これにより離反勢力に対し、即時の解散及び狙撃手の出頭を求めたものの、離反勢力は当該人物が存在しないとして拒絶
これにより、蜂起勢力と正規軍による戦闘が開始される
後年判明した事だが、この狙撃を行った人物はアフリカ連合の失脚を狙った中東連合の兵士であった事が判明している
当該人物はBETAとの戦闘で死亡が確認されており、復活させられた後に判明した事実であった
3月13日
離反勢力が降伏。物資集積所に運び込まれていたAT及びPR液を爆弾代わりに使用したゲリラ戦術によって、正規軍側にも少なくない被害が発生。離反勢力正規軍合わせ、この2日間だけで100人以上もの人間が死亡した
アフリカ連合、中東連合はこの事態を重く見た為、欧州より撤退を開始
アフリカ連合は国連に対して謝罪。賠償金を支払う為の猶予を求め、国連はそれを容認
アフリカ連合は欧州連合や米国に対して鉱石や石油と言った資源を売却し、その金を国連への賠償金とする事を決定した
中東連合は謝罪と共に長期間の賠償猶予を求め、国連はこれを容認。また、国連軍に対して賠償の1部として太平洋側領土の一部を割譲、衛士及び戦術機の補填を行い続けている
3月15日
アフリカ連合及び中東連合の欧州戦線撤退完了。欧州連合及び国連軍はイタリア半島のBETA掃討戦を開始
この際、
米軍からの援軍もあったものの、戦力の絶対数の不足から当初予定の1ヶ月から大幅に遅延し、6ヶ月かけてイタリア半島を奪還する事となった
信じる者は救われる 例えその救いが どのような物であろうと
死して天国に向かうか 生きて地獄に留まるか
その答えを持つ神は 何も答えてはくれない
その手に握るは 祈りか 銃か
次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜
復活
地獄で足掻く事こそが 試練なのやもしれぬ