マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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国連軍横浜基地では桜が有名です。正門の桜から始まり、鈴木重工の敷地内まで伸びるその桜並木は、高台から見ると正に桜の絨毯と言えるほどです
国連軍と鈴木重工によって周辺は歩道も公園も整備されており、多くの人がそこで花見や宴会を楽しんだ事があると思います
そして、今でも続いている公園での野点会は、この時の野点会が発端だ、と言われています

─── AT博物館 日本の運命を変えた日より抜粋 ───


野点

「妙案を思いついた」

 

「唐突ね。いきなりどうしたの?」

 

両名が軟禁生活にすら慣れ始めてしまっていた時、監視カメラの映像を見ていて思いついた妙案

重信の妙案は本当に斜め上を行く妙案であり、それに巻き込まれ、尚且つ乗り切った者は大成すると言われる程である

事実として、鈴木重工の重役は全員がその妙案に巻き込まれてきた者達であり、全員がその妙案のお陰で大成してきた

……正確には、突拍子も無い事をどうにか纏めあげる事で力がついた、と言う事実なのだが

 

野点(のだて)をしよう」

 

「野点?なんでまた」

 

「桜が綺麗だから、かな」

 

はぁ?と言う声がかかるよりも前に重信は受話器を取り、鈴木グループ(被害担当)に電話をかけていた

 

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野点会(のだてかい)のお知らせ?」

 

「はっ。鈴木重信が主催をする野点会に是非とも参加を、と」

 

煌武院家に届けられた一通の招待状。国連軍横浜基地と鈴木重工横浜プラントにて行われる野点会に、なんと煌武院悠陽(現政威大将軍)を招待すると言う暴挙

本来であればこんな物を出した時点で打首モノであるが、この混乱期において、そんな無礼は二の次であった

何かしら思惑があるに違いない。重信と言う男はこう言った妙案(思いつき)であらゆる不可能を可能にしてきた男だと、この頃の煌武院家は良く理解していた

 

「理由は何と?」

 

「はっ……一面満開になる桜を見て欲しい、と」

 

「…………それだけ?」

 

「はい。後は参加か不参加か、だけです……」

 

一瞬の静寂。恐らくは読み上げている者の喉は緊張で貼り付き、息をする事すらやっとだろうと言うのに

次の瞬間に起こったのは、笑わないと言われる煌武院悠陽が、下品にも声を上げて笑うと言う珍事であった

 

「ふぅ、ふぅ……参加しましょう。そんなに綺麗に咲いたと言うのですから」

 

「で、ですがご予定が……!!」

 

「スポンサーに良い顔せねばならないのは、私とて同じでしょう」

 

建前であるのは誰の目にも明らかである。が、仮にも政威大将軍の初めてとも言えるワガママに、誰も反論する事は出来なかった

 

─────────────────────

2002年 3月23日

国連軍横浜基地、鈴木重工横浜プラントにて、重信氏主催の大規模な合同野点会が開かれる

一部時間帯を除き、桜並木沿いや国連軍正門広場、横浜プラントの駐車場が解放され、来場者には甘酒が無料で振る舞われた

大量の出店も出店されており、以後、この野点会は国家の重要人物達が集まったりする恒例行事となっていく

 

更にこの日、煌武院悠陽が野点会に参加する事が野点会開催の30分前に鈴木重工警備部によって発表された。現場は一時騒然とするも、斯衛と警備部による完全警護によってマスコミどころかネズミ1匹すら近寄る事の出来無い厳重警備が敷かれ、2名は1時間ほど話し合ったと言われている

この時、重信は今までの非礼を詫びると同時に、改めて将軍への忠義を示したと言われている

 

この野点会の後、重信以下鈴木グループは、現在の歪な政治機構に対して批判し、政威大将軍をトップとした権力の一本化を帝国議会へと要請

西や東から圧力を受けていた帝国議会はこれ幸いと戦時法として権力の一本化を全会一致で可決(責任を上に押し付けた)

一時的であるとしながらも、帝国議会を含めた政治はようやく、将軍の名のもとに1つとなった

 

─────────────────────

満開の桜と、人々の嬉しそうな声。点てられた抹茶を飲みながら、悠陽はほぅ、と息を吐いた

御所から見える桜も綺麗であったが、こう言った喧騒の中の静寂に身を寄せながらゆっくりとするのは初めてであり、同時に、自らが将軍と言う肩書きを忘れないようにしながらも、何処か腑抜けてしまうのも仕方無かった

 

「……世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」

 

「散ればこそ いとど桜はめでたけれ ()き世になにか 久しかるべき……」

 

「自分は名乗る事すら必要無い凡夫、と?」

 

「自分ではそう思っていても、他の人々はそう思ってくれない、とも」

 

詠み名不詳の返歌を返しながら、重信は悠陽の点てた抹茶を飲む。これはとてつもない名誉であり、将軍直々に点てた抹茶を飲んだ者は、それこそ片手で収まる程度であろう

同じ抹茶で点てた筈なのに味わい深さが違う事に驚きつつ、満開の桜を眺めては、高そうな茶器を置く

詩織も誘ったものの、貴方のような度胸を持ち合わせて居ないと言われてしまった

 

「貴方は何故この国に……日本に拘るのですか?鈴木グループは今や世界的企業、アメリカでも何処でも好きに行けるでしょう?」

 

「……この国が好きだから、と言うのもありますが、この国に恩人が大勢居るからでしょう。両親から始まり、陸軍の阿笠局長、五摂家の義父上、横浜基地の人々、支えてくれる社員……責任を、私は果たさなければならないのです」

 

桜並木から見える横浜基地を見上げ、重信は応えるように呟いた。責任。自分のせいで死んでいった人の為に。自分が殺した多くの人の為に。逃げる事は許されない。その両肩に乗っているのは、最早投げ捨てられる物では無いのだから

人並みの答えである事は自負しているものの、その答えに悠陽は優しく微笑み、何処か安心していた

 

「……私はこの国に、煌武院悠陽様に忠誠を捧げています。武家では無いにせよ五摂家の端くれ、その忠誠の証として、会わせたい者が1人居るのです」

 

「会わせたい者?勿論構いませんが……」

 

重信が一礼して席を外す。少しして現れたのは、悠陽が生き別れ、その死の報告を確かに聞いた筈の、片割れの姿であった




Q.この野点会で重信くん国内戻れるんすか?

A.重信くんが将軍様に頭を下げている写真を報道各社にばら撒き、尚且つ鈴木グループとして議会に圧力をかけたのも報道したので国内に戻れる様になりました

Q.よく冥夜が会うの受け入れましたね?

A.恩人の頼みを無下には出来ないからね、しょうがないね

Q.小競り合い2日間って長くない?

A.対BETAで小競り合いをどうにか出来るような人材が死にまくってどうやって収めるのか分からなくなってるからですね

Q.そう言えばインドってどうするの?

A.横浜基地(オルタネイティヴ4)と鈴木重工が回復してきたので亜大陸奪還作戦がそろそろ始まります。凄乃皇四型も投入しての超短期戦を目指します

Q.そう言えば軌道エレベーターどうなってるの?

A.決済書にサイン出来たのでようやく建設が進みます。やったぜ

Q.今回の野点会にかかった費用って全部グループ持ち?

A.今年度はグループ持ちです。以後は自治体がやりたいと言う申し出があった為、協賛するようになってます
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