マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

87 / 138
インド亜大陸。亜大陸のDデイ以後、その活躍は鳴りを潜めました
そもそも亜大陸のDデイであってもあくまで遅延作戦、本格的な反攻作戦とは言えない事であるのは皆、十分承知していた筈でした
ですが、長い月日を経て、研ぎ澄ました刃はようやく日の目を見る事になります
インド亜大陸奪還の為に、インド政府は大東亜連合、日本、国連に援軍を要請。ここに、インド亜大陸復活の日がやって来たのです

─── AT博物館 インド亜大陸奪還作戦より抜粋 ───


復活

2002年 3月20日

大東亜連合内、暫定インド政府がインド亜大陸奪還作戦を提案。大東亜連合は欧州奪還が目前と言う事も有る為、国際社会における大東亜連合の立場を更に強固にする為に承認

大東亜連合は国連軍及び日本に対し援軍を要請。戦力の再建が完了した国連軍は、実地試験も終了した凄乃皇 四型を投入する事が決定される

日本側も国連軍と歩みを共にするとし、大陸派遣軍の更なる増援としてAT1個師団、機甲科2個旅団、戦術機2個大隊、空母機動艦隊の投入を決定

スリランカとベンガル湾からの同時強襲が決定し、作戦決行日は4月5日となった

 

4月4日

凄乃皇 四型が横浜基地から離陸。成層圏近くを飛行し、インド亜大陸へと向かう

ニコバル諸島からベンガル湾に艦隊が展開、大東亜連合の艦隊と合流し、翌日の作戦開始時刻まで待機

 

─────────────────────

4月4日 ベンガル湾

 

1人の女性衛士が、黒髪をなびかせて潮風に当たる。ヴェンジェンスを使用した演習を終え、疲れた目を(いたわ)る為に出てきたのだが、潮風は想像以上に強く、強化装備を着けていても足場が不安定に感じる程だ

 

晴れ渡った空、遠く地平線を臨む景色、この一瞬、彼女はBETAの事を忘れられた

 

甲板で作業している兵士達の視線に気付き、そう言えば上着を着てこなかった事を思い出す。今更恥ずかしい物ではないが、確かに彼等からしてみれば気が散るだろう

上着を持ってこようと(きびす)を返せば、見慣れぬ衛士達とぶつかりそうになる

 

「おっと。もしかして日本人?久しぶりに部隊以外で日本語の通じる人と会えて嬉しい。新型戦術機試験部隊の佐藤よ」

 

そう告げた彼女は何処か嬉しそうに手を差し出してくる。新型戦術機試験部隊、大東亜連合に対してPRする為に組織された、ジョン・ドゥのみで構成された部隊の事だ

その後の事はよく知らないが、少なくとも彼女らが帰国したと言うのは聞いた事が無い

 

「ええ、よろしく……もしかしてずっと前線に居たの?」

 

「帰国命令も無くてどうするかって話してたら、帝国軍からの命令で、マレーシアやフィリピンでジョン・ドゥの教官をしてたわ。高橋よ、よろしく」

 

使い勝手が良いから使い潰すか、なんて言う思惑が透けて見えるような命令である

後方国であり発展途上国であるアジア諸国では、F4以上の戦術機となると選択肢は無いに等しく、鈴木重工のジョン・ドゥやジェーン・ドゥは救世主と言える程の安さであっただろう

だからこそ、帝国軍は試験部隊を教導部隊として貸し出した。教える者が居なければ、兵器と言う物は使えないのだ

 

「今の日本はどうなの?これが終わったらようやく帰れるから、聞いておきたいの」

 

「トルーパーくんシリーズが社会の根底に関わってる位で、他はそんなに変わりませんよ」

 

「そんな事になってんのか……」

 

久しぶりの同郷との会話に花を咲かせる彼女らを、咎める者は誰も居なかった

 

─────────────────────

4月5日 07:00

作戦開始。作戦名は復活の日と題され、艦砲射撃による、海岸線への制圧射撃が開始される

光線級による迎撃が無い事から、沿岸部には通常BETA種しか存在しないと断定。戦術機とATによる橋頭堡確保を開始する

 

09:46

沿岸部の掃討及び、ベンガル湾からの強襲上陸が完了し、橋頭堡を確保する

ボパールハイヴからの増援は認められず、掃討作戦が開始される

 

11:52

想定以上の速度で掃討が続けられ、コダイカナル(作戦目標の3分の1)までの掃討が完了する

BETAの動きの鈍さから、オリジナルハイヴに最も近かった事による被害があったと推定され、更なる殲滅速度上昇が求められる

 

12:00

ペリヤー国立公園に凄乃皇 四型が着陸する。既にBETAは殲滅済みであった為、大東亜連合と共に進軍を開始する

 

16:51

バンガロールに戦術機部隊が到着。後続部隊と足並みを揃える為に掃討をしながら待機する

余りにもBETAの抵抗が少ない為に警戒線を敷き、後方の味方からの合流を待つ

 

20:15

コダイカナルを中継地とした部隊がバンガロールに向かう途中でBETAからの襲撃を受ける

また、沿岸部に設置した司令部や補給路までもが日没後に襲撃を受けている事が判明し、BETA側が夜間活動を主にしている事が判明する

同時刻ボパールハイヴが活性化。10万規模のBETAがポパールハイヴより出現、突出した戦術機部隊へと侵攻が開始される

 

─────────────────────

 

『アイツら夜でも見えるのかよ!?』

 

『良いから撃て!!!死ぬぞ!!!後退の準備だ!!!』

 

『地下から出てきてやがる!!!奴等地下道を掘ってたんだ!!!』

 

『おいマジ───』

 

まるでアリの巣に入った虫であった。地下から溢れるように現れたBETA達は、戦術機を蟻地獄に引きずり込むように捕まえ、地下道へと消えていく

重光線級が対空戦闘を開始したらしく、星空を何本もの光線が飛び交い、照明弾のような閃光の後、難を逃れようとした戦術機が落下し、爆発する

爆発によって地下道への落盤が起こり、一部分ではあるものの、その全貌が顕になりはじめた

沿岸部にまで伸びると言わんばかりの横坑(ドリフト)。明確なまでの殺意を含んだソレは、重頭脳級の復活を思わせる程の采配であった




復活の日は近い それは果たして 人か BETAか
否 奴等に復活は有り得ない
我々は奴等を 必ず殲滅する
復活の日は近い 人が人足り得る為の日が

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

ボパールハイヴ 攻略

銃を手に取れ 祈る為に
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。