マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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ソ連は東シベリアを奪還後、更に侵攻を始めます。モスクワまで一気に侵攻するつもりでの大攻勢、鈴木重工が発売したAT用カチューシャを使用した飽和攻撃、要塞級だろうが突撃級だろうが関係無しに排除していく、圧倒的なまでの火力
かつてのソ連が戻ってきた。誰もがそう思い、誰もが信じ、そして、誰もがソ連の復活を危惧しました
人々はまだ、対BETAと言う表面上での纏まりが欲しかったのです

─── AT博物館 ソ連領奪還より抜粋 ───


ソ連領 奪還

2002年 1月15日

大規模な寒波の到来と同時に、オリョクミンスクハイヴへの侵攻が開始される

この大規模な寒波は大量の雪を伴っており、積雪だけで60mを越えるほどであった

この頃になるとソ連軍のATほぼ全てに雪用装備が行き渡っており、雪中や雪上であれば、世界一と言っていい程の練度があった

 

1月20日

寒波が通り過ぎず、積雪が80mにまでなる。ソ連軍はこの事態を想定しており、ATによる雪内除雪及び通路開拓を行い、まるでBETAの横坑のように通路を作り上げた

雪の中を通行する事により、地表部分(?)での光線級による照射を受けず、これまで一機の損失も出さずにオリョクミンスクハイヴへと接近した

 

1月22日

オリョクミンスクハイヴ内部に通じる横坑を発見。上下20mほどを掘削し、静かな侵攻を開始する

横坑内にてメタンガスの存在を検知し、火器の使用が封じられる。恐らくではあるが、永久凍土を採掘した際に発掘された物だと思われる

この際いっそ爆発させれば良いのでは無いか、と言う案が出た為、BETA側がゲート級を配置している事を確認次第、爆発させる事が決定する

 

1月24日

横坑広間に溜まっていたガスを爆破した際、想定以上の爆発によってBETA側に察知されたと思われる

大量のBETAが深部より発生したのを検知した為応戦しようとするも、下層部の膨大な量のメタンガスに光線級のレーザーが引火

───結果として、直径6km、深さ400mにも及ぶ超大規模なクレーターへと変貌し、オリョクミンスクハイヴは、大量のATと共にその姿を消した

 

この爆発の衝撃波は地球上を5週したと言われる程であり、大量の塵や土砂を大気中に放つ結果となり、旧ソ連領では、マイナス200度を観測する場所まで現れはじめた

また、大気中に大量の二酸化炭素が放出され、気候変動が更に発生する原因にまでなってしまった

 

─────────────────────

 

「マイナス200度でATやジョン・ドゥが動くか、ですか」

 

「はい。党本部はマイナス200度の中でもATやジョン・ドゥが動くなら、ハタンガハイヴをその最中(さなか)に攻略したいと」

 

アラスカ AT生産工場 事務所内

視察にやってきていた重信を捕まえ、党員の1人が問いかけた。党本部は早々にシベリア地域を奪還し、モスクワまで奪還する事を命題としており、既にハタンガにまで歩を進めようとしている

既にソ連は世界的にもハイヴ破壊数がずば抜けている。こうなると慢心が入りはじめる物だが、今の指導者はそれを許さないらしく、こうして重信を捕まえたのだ

 

「動くか動かないかで言えば、動きます」

 

「では「しかし、中の衛士やボトムズが持ちません」」

 

当たり前の話だ。確かにマイナス200度でもATは動く。だがそれは中に居る人間の事を考えていない

仮にATが耐えられとして、搭乗者は凍りつくのだ

もしそんな凍りついた後に動けるとしたら、化け物でしかない

 

「そもそもそんなハイペースである必要があるのですか?人類の優勢は覆りません、もう少し待ってからでも……」

 

「党本部はハタンガにもメタンガスが埋蔵されていると睨んでいます。地質調査が出来て居ないのでなんとも言えませんが……どちらにせよ、今回の急激な気温低下でメタンガスは気化せずに凍るでしょう

以前のような大爆発を起こす訳には行きません。なのでメタンガスが凍っている間に叩きたい。何か策はありませんか、無人運用だとか、そう言う物は」

 

小耳に挟んだであろう事を惜しげも無く告げる党員を前にして、重信は懐から一欠片のチョコを取り出し、噛み砕く

数分の間、沈黙が流れる。室内とは言え肌寒いと言えるはずなのに、党員は内心肝を冷やし続け、制服の中では汗をかき始めていた

 

「…………手が無い訳では、無い」

 

「おお!!!やはり貴方は天才だ!!!」

 

叩けばアイデアが出てくる、お願いすれば道具を出してくれる、人の事を見捨てる事が出来ない人の良い天才を一番上手く使っているのは、恐らくソ連だろう

溜め息をつきながら何処かに電話したかと思えば、重信は書類を印刷し、党員に手渡した

所謂概算見積もりである。その書類に目を通した党員は、ただただ目を見張る事しか出来なかった

 

「それだけの額がかかります。何処で聞いたのか分かりませんが、あくまでそれは概算です

もっとかかる事も考慮して頂かなければなりません」

 

「………………掛け合ってきます」

 

その一言と共に、党員は走り出していた。自らの上司である党高官にその書類を押し付け、肩の荷が降りたと安心していた所に、君も一緒に話しに行こうか。と肩を叩かれ、ストレスから来る胃痛に悶え苦しむ事が決定したのだ

 

─────────────────────

 

2月1日

シベリアを覆う程のダウンバーストが発生する事が国連軍から全世界へと通達される

以前の大爆発によって発生する物であり、各国にまで被害が出る可能性がある事から、警戒するよう通達があった

このダウンバーストに合わせ、ソ連軍は無人機でのハイヴ攻略を提唱。鈴木重工にて製作された無人ATや無人戦術機を使用しての、試験的な物である筈であった

 

2月14日

ハタンガハイヴ陥落。無人機による作戦の結果であった




振り返り 後悔し それでも前に行く
例えそれが もう戻れないと知っていても
人はその行為を辞められず その思いを胸に 先へと進む
先へ進む為に その後悔を燃料として

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

ハタンガハイヴ 攻略

後悔よ せめて背中を押してくれ
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