マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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現在でも、元国連軍横浜基地ではBTのコピーが案内をしてくれます。私のように柔らかい声ではありませんが、あらゆる質問に答えてくれますし、案内も的確です
ジャックの手に乗ったりコクピットに乗せてくれたりする為非常に人気が高いのですが、オリジナルは何処にあるのか?と言う質問だけは絶対に答えてくれません
決して探すような事をしてはいけませんよ?

─── AT博物館 隣接する元国連軍横浜基地の事より抜粋 ───


ジャック

2002年 1月25日

 

『おはようございます、パイロット。本日の予定は───』

 

右耳からBTの声が聞こえ、目を覚ます。外から差し込む日光は酷く煩わしく、改めて自分が朝に弱い事を思い知らされる

AIともっと信頼関係を築きなさいと香月博士に言われ、自分は四六時中BTと過ごす事となった

 

無論、BTはジャックと言う戦術機のAIである為、宿舎になんて入れない。その為、香月博士と重信様と白銀武(先輩)によって子機と呼ばれる物が作られた

 

今サイドテーブルの上で飛び跳ねている、まるでプラモのような、超合金?だとかで作られた全長20cmのF4がソレだ

新機軸を組み込んで〜、と意気揚々と話していたものの、この超合金の為に結構な額を使ったらしく、御三方は罰としてかなり絞られていた

……因みにだが、鈴木文庫では、週間でパーツを発売してこのF4を組み立てられるような商材を画策しているらしい

 

「今起きる、BT。今日は訓練だったか?」

 

『その予定でしたが、重信様が来訪され、我々に話があるとの事です。0900には格納庫に到着する予定です』

 

「……今何時だ?」

 

『現在時刻は0830です。昨夜、訓練だけならギリギリまで寝てて良いな、と仰っていたので』

 

「そういう所本当に嫌いだぞBT!!!」

 

『光栄です』

 

急いで身支度を整える。シャワーを浴びる事もせずに軍服を着て、食堂へと向かう

おばちゃんに声をかけて、今やすっかり当たり前になった天然物の小麦で作られた食パンを取り、ベーコンエッグを乗せてもらう

コーンスープとコーヒーを添え、未だシャッキリとしない頭を叩き起こす

 

『0845です、パイロット。5分で朝食を食べましょう』

 

「いただきます」

 

警備任務を終えた歩兵の人達の一服に混じり、一気に掻き込む。トーストされた食パンの香ばしさも、ベーコンエッグ特有の肉と卵と脂の暴力も、全てを堪能せずに咀嚼し、コーンスープで流し込む

2分で食べ終え、食後のコーヒーだけは3分かけて飲み干す

 

「ご馳走様でした!!!」

 

「あいよ!!!頑張ってきな!!!」

 

おばちゃんに見送られ、BTと共に基地内を早歩きで駆け抜け、格納庫に到達する

時刻は0855、朝食やシャワーをもっとゆっくり楽しみたかった、なんて考えを頭の隅に起きつつ、BTに寝癖が無いかをチェックして貰う

 

『『パイロット、襟が曲がっています』』

 

「分かったから同時に話すのは止めてくれ。心臓に悪い」

 

『失礼、まだ慣れていないもので』

 

時折こう言ったジョークまでかましてくるのだからタチが悪い。中身人間なんじゃないか、と思うのは当たり前の事だろう

0900、時間ピッタリに重信様が到着した。護衛の表情はバラクラバによって見えないが、その目には誇りと自負が宿っているのがよく分かる

 

「いやあ、急に呼び出して済まないね」

 

「いえ、自分はジャックのテストパイロットです。重信様からの命であればどのような事でもさせて頂きます」

 

覚悟の決まり方に重信は思わず苦笑いしそうになるのを抑え、誤魔化すようにジャックを見上げつつ、ふぅ、と息を吐く

明らかに何かを伝えようとしている。命令だろうか。クビだろうか。バクバクと脈動する心臓が破裂しそうになっているのを悟られないように顔に出さず、枢木は重信の言葉を待った

 

「ソ連から要望があってね。無人戦術機及び無人ATを使用してハイヴ攻略をして欲しいとの事だ」

 

「……戦術機の自律機能では無く、ジャックを使うと言う事ですね?無人ATにもBTを使い、堕とすつもりですか」

 

重信が頷き、BTはその提案を思考する。枢木の乗るジャックからデータをコピーして他のジャックに移し、戦術機とATのみでハイヴを堕とす

決して現実的では無い。だが、BTには白銀武と言う人類最高峰の戦闘データが入っている。それが大量に使えると考えれば、勝ち目が見えてくる

 

「そうだ。ATには戦闘データに特化したBTを、戦術機には玄武君と共に培ってきた戦闘経験済みBTを導入したい。君が嫌で無ければ、だが」

 

「問題ありません。寧ろ光栄です。自分のような者の戦闘データが役に立つかどうかは分かりませんが……」

 

『安心して下さい、パイロット。以前の実地試験の結果から、現在の貴方は以前の白銀武よりも強いのは明白です』

 

「そうか、BT。じゃあ今の武さんなら?」

 

『パイロット。それは無謀と言う物です』

 

遣り取りに驚く重信を見ながら、2人……否、1人と1機はやってしまったか、なんて内心考えていた

当たり前だが、ここまで親しくなる予定では無かったのだろう。もし廃棄と言われてもなんらおかしくは無い

 

「…………よし、君の培ってきた戦闘データのみをコピーしよう。まさか君達がそんなにも信頼関係を結んで居たとは驚きだ。丸々コピーしては勿体無い」

 

何処か満足そうに笑う重信を見ながら、2人は何故笑っているのかが理解出来ず、同じタイミングで首を傾げた

 

この報告を重信から受けた東雲は歓喜し、特撮の撮影予算を更に増やそうと画策すると同時に、自らも撮影に参加する決意を固め、巨人降臨(タイタンフォール)撮影の為に全力を尽くしたと言う

 




Q.ATと戦術機が死も恐れずにやってくるんですか???

A.はい。なんなら人が入っていないので600km/hを即座にぶち込んで来たりします

Q.これってやってることBETAと一緒じゃ……

A.BETAに勝つ為にはBETAと似たような事をしなければならない。いやー恐ろしいですね

Q.今軌道エレベーターはどうなってるんですか?

A.海上施設の建設が思うように進んではいませんが、着実に進んでいます
もうすぐ試験的にデブリ産の鉄鉱石が送られてくると思います
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