マブラヴ〜鉄のララバイ〜   作:rezeaizen

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無人AT、無人戦術機……これまで日の目を見てこなかったこの2つは、ハタンガハイヴを攻略した事により、一気に注目を浴びる事となります
コストはかかれど人的損害の一切出ない、完全な戦闘マシーン。金に糸目を付けないのであればどの国も欲しい物であるソレは、人類が、BETAの言う創造主になった事を半ば示唆していました
そうです、人類はここまで来てようやく理解したのです
我々はBETAに似始めているのでは無いか、と

─── AT博物館 無人機より抜粋 ───


ハタンガハイヴ 攻略

2月6日

鈴木重工からの無人AT1000機、無人戦術機500機、総計1500機がウラジオストクに搬入され、ハタンガハイヴへの配備が開始される

監視及び管理の為に鈴木重工から枢木玄武及び多数の技術者が派遣され、ソ連は無人ATと無人戦術機への接触を一切禁止された

 

……なのだが、一部の無人ATや無人戦術機がAIによって自我を獲得。スピーカーを通してソ連兵士達とコミュニケーションを取ろうと図る事件が発生

 

全てが同じプログラムで動いている中、このバグにも似た結果を更に調査すべく、技術者達は自我を獲得したATや戦術機との積極的なコミュニケーションを本社へと要請。重工側は追認する形で許可を出し、AIと人のコミュニケーションが始まった

 

2月10日

4日間に及ぶハタンガハイヴへの配備は、ほぼ全ての無人機に自我が獲得された事を証明した

未だ自我を獲得していないと思われる無人機でさえ、その内部機構では多数の処理が発生しており、人間の言う事を理解していると考えられる

 

何故このような事が起こったのか、技術者達は戦地で仮説を立ち上げ1つの結論に至った

赤ん坊や幼子が、多数の人との関わりによってコミュニケーション能力を得ていく事と同義では無いか、と言う物である

現在無人機に搭載されているAIは、オルタネイティヴ4の発明の1つである、高性能戦術機自律戦闘プログラムとは違う物だ

 

AIと言うまっさらな人格を搭載しているソレは、戦いの事をプログラムされた赤ん坊であり、その知的好奇心は留まることを知らない

1番最初に自我を獲得した個体は、自らをBT2と呼称していた事から、枢木玄武の搭乗しているジャックとの会話を聞き、自我が発現したと思われる

 

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2月12日

 

「……そしたらよ、ソイツなんて言ったと思う?"アンタと付き合ってるのは天然物の嗜好品が貰えるからよ"だってよ!!!幾ら何でも酷くねえか!?!?」

 

『アルチョム、分からないの?それって照れ隠しよ。考えてもみなさい、アンタが何回その女に天然物あげたっての?1、2回でしょ?』

 

「クソまた負けた!!おい、その演算装置しっかり切ってあるんだろうな!?」

 

『ストレロク、そもそも俺相手にチェスはどうかと思うよ』

 

流暢なロシア語が響く、ハタンガハイヴ近くに設けられた、雪中内の中継所

問題があるとすれば、片方は人間で、片方はATやら戦術機やらである、と言う事だ。自分とBTのように、いや、それ以上の速度で、死地を共にする戦友として、AIを搭載した無人機達は、馴染み始めている

 

「こんなの重信様になんて報告したら良いんだ……」

 

『ありのままを報告すれば良いかと。東雲様の作り上げたAIは、最早人と何ら遜色ありません』

 

困った事ではあるが、BTの言う通りだろう。本来は戦闘だけを行わせる戦闘マシーンであった筈が、AIを搭載していたせいでこうなってしまったのだから

先が思いやられる。否、余りにも人側がAIに入れ込み過ぎているのを心配しながら、せめて彼等が、戦闘開始前にしっかり退避してくれる事ばかりを祈る事しか出来ない

 

「……入れ込みすぎだ。AIはAIとしておかないと……」

 

『私も賛成です。人と我々では死生観が違い過ぎます』

 

少なくとも、BTも感化されはじめている。あまり良くない傾向なのを理解しながら、自分はその先駆けな事に気づいてしまい、1人ごちる事もせずに、深く溜め息をついた

 

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2月14日 08:00

ハタンガハイヴ攻略開始。同時期にダウンバーストが発生し、雪中内でもマイナス100度近くにまで達する

無人機はそれすらも意に介さず侵攻を開始。ハタンガハイヴ内は凍結し切っており、メタンガス等の発生も確認されなかった

 

08:30

BETAと接敵。初の戦闘は寸分違わぬ連携により完勝、敵BETA3000を全滅させ、無人機は損失すら無かった

 

10:24

中継広間へと到達。要塞級や突撃級が現れ、攻撃を開始するも、無人戦術機によって一方的とも言える蹂躙が開始される

白銀武の戦闘データを使用している為に、要塞級は即座に無力化され、突撃級は最高速度に到達する前に、パイルバンカーによって無力化された

小型種、中型種はほぼ全てがATによって対処され、推定1万のBETAを、AT100機程の被害のみで突破する

 

13:58

大広間(メインホール)目前にて3万を越えるBETAが雪崩込み、横坑を塞ぐ。800機の無人ATが自らの記憶媒体を抜き取り、戦術機に託した後特攻。大爆発を起こして血路を開く

その血路をATと戦術機が支え、2機の無人機によって頭脳級が倒される

ハタンガハイヴは攻略され、想定以上の速度と正確さから、このデータは極秘扱いとしようとするも、ソ連側に潜んでいたアメリカのスパイによって情報が洩れ、この情報は必然的に全世界へと広がる事となる

 

2月16日

ダウンバーストの影響も止み、ソ連軍は改めてBETAの回収及び掃討を終え、ハタンガを奪還。モスクワ目前にまで歩を進める事となる




人よりも優れた物が出来た時 人に価値はあるのだろうか
自らよりも優れ 自らよりも強く 自らよりも従順で
ソレを見た時 人は恐怖に駆られるのか 怒りに駆られるのか
それとも ソレを使って更なる上を目指すのか

次回 マブラヴ〜鉄のララバイ〜

マンダレーハイヴ 侵攻

人よ せめて奴等(BETA)と違ってくれ
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