高専交戦-モブだった俺が高専界隈最強になるまで- 作:留年生リズ
準決勝、第一試合は馬場先輩の圧勝だったらしい。結構体格が大きかったのに。
そして第二試合。試合がまだ始まっていないというのにこの盛り上がりようだ。それもそのはず、女子の注目の的の剣崎先輩と期待の1年なんてもてはやされてる俺がバトルするのだから。
父の願いとか言ってたけどなんでだろう。親に圧かけられてるとかかな。
俺と先輩が向かい合う。
[レディ...............ファイッ!!!!!!]
幕が切って落とされた。先輩がとかく切りかかってくる。防御で精一杯だ......!
「タロウ君が押されてる......頑張れーー!!!」
「いけ模部ー!!4年の先輩なんか倒しちまえー!!」
「動きが悪すぎるわよ模部!!!」
『みんな...先輩方......』
「よそ見をするな!」
『うぐっ!!』
同級生を中心に俺のコールが起こっている。みんなの応援に応えるためにも、勝ちたい!
だんだん剣崎先輩の攻撃にも慣れてきた。とにかく早いが、攻撃パターンが単調なような......?こちとら伊達にサンドバッグやってねえんだよ!
「神崎先輩の様子がおかしい!」
「ええ。スピードが落ちてる。剣道にはスタミナが欠かせないはずじゃ......?」
先輩の攻撃スピードが遅くなってきた。息切れもしている。彼は短期決戦型なのだろう、長期戦に持ち込めばこちらに分がある!
先輩が攻撃をやめた隙に俺は懐に潜り込んで腹に一発かました。
「ぐっ!!......こんなところでは......」
『まだダメか』
よろけはしたがとどめにはならなかった。腹に手を当てて先輩はまたも切りかかってくる。観客席の女子からブーイングが上がっていた。知るか!
攻撃を交わして左、右と二発。倒れる気配はなさそうだ。こいつ、スタミナ切れというわけではなさそうだ。
『焦って攻撃に迷いができただけか』
「......」
『これで終わりだ!』
誰もが俺の勝利を確信したその時。
「爪が甘いな」
ドゴッ!!
何が起きた。俺が殴られた...?何がなんだかよくわからないが、腹が痛い!
先輩が攻撃体制に入った。まずい、またやられる!
「タロウ君!!」
「動きが見えない......これが噂の実力だというの......?」
「言っただろう。負けるわけにはいかないと」
『それが親の願いだからって言ってたよなあ!お前はそうは思ってないってことか!?』
「......!俺は......!」
『俺だって応援されてる以上、みんなに願われてる!だけどそれ以上にお前に勝ちたいんだよ!!』
「俺だって......こんなところで、後輩相手に負けたくない!!」
先輩の動きがますます読めなくなった。本気を出してきたってことか!?
「今までにない速さ......ここにきて本気を出してきたわね......」
「今まで手加減してたってことか!?」
「多分そうでしょうね。まさかこれほどとは......」
正直速すぎて、防御で精一杯だ。ダメージが大きくなっていく。
俺はついに身動きが取れなくなった。
「これで終わりだ......!!」
『ぐっ......!!』
「タロウ君!!!」
木刀で腹を突かれ、俺はうずくまって動けなくなってしまった。今すぐ立ち上がらないと...!
10カウントはすでに終わったようだった。俺は負けてしまったのか。
黄色い歓声が場内に響き渡る。
「大丈夫か......えっと......」
『模部です、ええ......さすが噂ですね。え?先輩?』
先輩が手を引いて俺を立たせてくれたのはいいが、手を話してくれない。え、手震えてない?大丈夫?
「模部、俺はどうしたらいい...?次は決勝だ......決勝の相手は馬場ショウコだろう......?勝てる気がしないんだが......」
『先輩なら勝てますよ!しっかりしてください!』
「......俺が勝てるならお前でも勝てると思わないか?」
『俺でもってなんですか!俺じゃ敵いませんよ!』
先輩とギャーギャー言い合って、スタッフに退場を促されたので仕方なく先輩を連れて退場した。
「タロウ君お疲れ様!......先輩も」
「まあ、よく動いた方じゃないの」
『剣崎先輩、俺を盾にしないでください』
「だって怖いんだもん......」
こうして俺のクラスマッチ公式バトルは終わった。ちなみに3位決定戦は普通に勝ったので賞品は出ます。やったね。
クラスマッチ公式バトルは優勝が馬場さん、2位が剣崎先輩です。タロウと剣崎先輩は普通にLINE交換して仲良くなりました。