エメトセルク先生と透き通った青春   作:無名の古代人

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前回が長かったので、いつも通りの文章量に。



2-3 似た者

00Ⅰ

 

『ゲヘナの風紀委員長……空崎ヒナ。外見情報も一致します、間違いなく本人のようです。ですが、ゲヘナ風紀委員長ということは……ゲヘナにおいてトップの戦闘力……この状況でそんな人物まで……』

 

小さな少女に宿る力に私は驚かされる。

この場にいるどの生徒よりも強い――総合点で判断すればホシノに勝るとも劣らないと私の中では結論付けることが出来た。確かに、何らかの力においてはホシノの方が上回るがそれ以外の、例えば広範囲への攻撃などにおいてはヒナの方が上回るだろう。

よって、ほぼ同格と。

 

私の誠に勝手かつ失礼な想像は当たっていたのだ。

あいつから見た、ゼノスやランジート――あれらよりはとても可愛らしい外見だがその身に宿る力たるや明確に脅威。

しかも、ヒナ本人が来た以上はアコに使った方法での無力化は厳しいだろう。なんせ、相手はゲヘナの『力』を象徴する存在。度重なる『政治』の象徴からの嫌がらせを受けてなおその組織を存続させられるほどの実力者。

話がわかる相手ならいいのだが。

 

「…………」

『そ、その……これは、素行の悪い生徒たちを捕まえようと……』

「便利屋68のこと? どこにいるの? 今はシャーレとアビドスと、対峙してるように見えるけど」

『え、便利屋ならそこに……って、い、いつの間に逃げたのですか!? さ、さっきまでそこにいたはず……!』

 

便利屋68の撤退は完了した。

その結果、アコはヒナの言う通り我々と敵対しているだけの――正当な権利など何もない存在になってしまったのだ。これでは、どう言い訳しても苦しいだろう。先ほどまで居たんだ、と言っても結局は言い訳にしか聞こえない、そしてそれはヒナの不機嫌さを加速させるだけ。

 

私の授業も虚しく別の手で決着がついてしまったのは少し悲しいものではあるが、こればかりは仕方がないのだろう。

 

『え、えっと……委員長、全て説明いたします』

「…………」

 

私の暴挙をどうやって止めるか、そして今度は目の前のヒナを如何に納得させるかに知恵を割くアコだが、人は予想外の事態が2回も連続して起きた場合、そうそう上手く対処できないものだろう。

 

かくいう私も、光の暴走を突然制御し立ち上がった者と死んでもおかしくない檻を抜け出してきた者という想定外を2度連続で経験したのだから。

 

「いや、もういい。だいたい把握した」

 

だろうな。

この場に来た時点である程度は把握済み。そして、自らの目を通してしっかりと理解したのだろう。

 

「察するに、ゲヘナにとっての不安要素の確認及び排除。そういう政治的な活動の一環ってところね」

 

大体正解と私も思う。後はそこにアコの個人的な感情が加わるかどうかというラインだがそれをアコがこの場で言うわけもない。よって、ここは『ゲヘナの為』だけですませるとしようか。

 

同時に、ヒナの頭の回転の良さも褒めるべきだろう。

殆どの人がこの現場を見れば、画策について考えるよりも『負けた』とか『余計な事』、『何を考えてるんだろうか』という考えに至るはず。

部下の性格もきちんと把握しているわけだ。

 

「でもアコ、私たちは風紀委員会であって、生徒会じゃない。シャーレ、ティーパーティー、それに連邦生徒会長。そういうのは『万魔殿』のタヌキたちにでも任せておけばいい」

 

政治は自分たちの仕事ではない、と言いたいのだろう。

これは同意できない。巨大な集合体、その中の組織の一員であるなら多かれ少なかれ政治には関わる必要がある。アビドスの様にそんなことに構っていられない物理的な事情があるならまだしも風紀委員会は人員も多く、数人はそういった事に長けた人物を用意して『タヌキ』と話し合いでもさせるべきだと思う。

 

まあ、これは深い実情を知らない外様の意見なわけだが。

 

「詳しい話は帰ってから。通信を切って校舎で謹慎していなさい、アコ」

『……はい』

 

大軍を指揮していた時の余裕はどこへやら、母親に怒られた子供のようにしょんぼりとしたアコは素直に通信を切ってそのホログラムと共に消えた。

失礼な話だが、見た目で行けば立場は逆だろうに。

 

「…………」

「……じゃあ、あらためてやろうか」

「おい、私がここまでしてきた努力を見てなかったのか……?」

 

ヒナの圧に対して物怖じせずに戦うという気概を見せたシロコを窘める。

一人くらい血気盛んな奴が居てもいいとは思う。だが、話し合いでまだ何とかなるかもしれない相手に最初から武器を持って挑みかかると言うのは少し、文明的ではない。

キヴォトスではそうなのかもしれないが、それでも私の監督下ではもう少し話し合いを大切にしてほしい。戦う事の方が面倒だと思うからな。

 

『ま、待ってください! ゲヘナの風紀委員長と言ったら、キヴォトスでも匹敵する人物を見つけるのが難しいほどの、強者の中の強者ですよ! ここは下手に動かず、一旦交渉するのが吉です! どうしてそんなに戦うのが好きなんですかっ!』

「……で、でもこっちには先生が……」

「その私が、やめろと言ってるんだ!」

「……ご、ごめん」

 

アヤネと私から――というより、殆どアヤネの剣幕だが――お叱りを受けたシロコは戦闘態勢を解除し、大人しくなった。

むしろ、シロコの行動を助長させているのは私なのではないか……?

 

『こちらアビドスの対策委員会です。ゲヘナの風紀委員長ですね、初めまして。この状況については理解されてますでしょうか?』

「…………もちろん。事前通達無しでの他校自治区における無断兵力運用、及び他校生徒たちとの衝突。……けれど、そちらが風紀委員会の公務を妨害したのも事実。違う?」

『……そ、それは……正式な公務なんですか?』

 

一瞬答えに詰まったアヤネだが、私が介入する前に先ほどまでアコを苦しめた『正式な公務』であるかどうかで反論した。

しっかりと私の話を聞いて内容を理解したからこそ、それを使っているアヤネは見事と言だが、相手はその組織の長。やろうと思えば、この場で委員長公認と言ってしまえばある程度は通ってしまう。

 

「……そうだと言ったらどうするの?」

『……っ!?』

「だとしても、私たちの意見は変わりませんよ?」

 

返答に窮した後輩にノノミからの援護の手が加わり再び、拮抗状態へと戻る。

だが、この拮抗状態はアビドスだけで見れば危険な状態だ。

この場に居る対策委員会のメンバーはシロコ、ノノミ、セリカの『抗戦派』とアヤネの『対話派』に分かれる。先ほどまでは私が『対話派』に属してアコと話していたからアビドス内の天秤が傾く事は無かったが一旦は様子見をしている以上、戦う方向に流れるのも時間の問題だ。

 

「シャーレの先生、あなたは?」

 

沈黙を貫く私にヒナが問いかけてきた。

私を排除したいなどではなく、純粋に公平な視点を求めてかあるいは纏める気はあるのかを問う為。

 

「お前を相手に『万魔殿』に抗議する、と言ったところで面倒な事が増えた程度にしか思わないだろうなあ。それにどうあれ委員長自ら正式な物だと言った行動にとやかく言う気もない…が、少なくとも対策委員会を巻き込みかねない状況下で砲撃し、誤解を解こうともせずに敵対的な行動を続けた2点は公務の妨害を差し引いても1点は残るはず。それに――」

 

一呼吸置こう。

万が一、次の回答でヒナが戦いを決意した場合の落ち度は全て私だ。

強引な手を使ってでも、全員を避難させなければならない。

願わくばそうならない事を祈り――

 

「それにお前自身で言っただろう、『便利屋68が何処に居るのか』と。よって、居ない者に対しての行動を公務として認められるのか?という疑問は残ってしまうな」

 

何とか公平な視点で、風紀委員会の立場も踏まえての個人的な感想を述べる。

今なら、風紀委員会も大きな損害を被る事無く到着した時点で既に便利屋68は消えていたという体に出来るのではないかと。

先生での立場がないなら、別にお前たちが悪いんだと判じてもいいが、先生である以上は片方の味方ばかりでは駄目なのだ。

 

私の意見を聞いたヒナは返答はせず、ただ私の目を見るのみ。

少し都合のいい回答すぎたか。

 

「ただ私にも落ち度がある。お前たちの事情について調べもせずに『万魔殿』に抗議しようとした事と威圧した事は、すまなかった」

 

ならここは私が泥を被ろう。

実際、卑怯な手段ではあったのだ。被るべきかと問われたらまず間違いなくそうだと言うだろう。

だからどうか、許してはもらえないかと。

そして、別に問答無用で攻撃してきても良かったはずのヒナがこうして会話を選択してくれていることへの敬意でもある。

 

「別にあなたは当然の権利を行使しようとしただけ……」

「抗議についてはそうかもな。だが、威圧については正直わからない。正しいと思う気持ち半分、やりすぎたと思う気持ち半分だ。だからここはお互い様で終わらせないか?」

 

正直に言うと『ついでに、処理』という部分に腹が立ったというのは大いにあるだろう。

だがそれは私が便利屋の信念を知っているからであり、知らない者からすれば当然の言い回しでもあるわけで。

生徒同士を繋ぐ『橋』にでもなれたらいいんだがな。

中立な立場と言うのは本当に難しい。

 

「どうして、生徒にそこまでするの?」

「伊達に長生きしてないんでな。先に生きた者としてこいつらの『選択』を見守り、その『責任』を取るのは私であるべきだ……と、最もらしく言うが正直な所、性格の問題だ」

 

何故か、望んでこうなったわけではないのだが頼まれた事を途中で投げ出したり、自分だけのうのうと生きる事が出来ない……と言うよりも嫌いだ。

途方もなく重いものを背負わされるのは厭になる、とエルピスでそう言った筈なのに。

 

それはアゼムとの時間がそうさせたのか、それとも私自身が単純に複雑な性格だったのか。

結局の所わからないままだが、それでも進む、それが私故に。

 

「……苦労しそうな性格」

「お互いに、な」

 

疲れの溜まった目、いや目の下の隈を見ればすぐにわかる。

睡眠不足、そして歩き方からは不健康さを感じる。

恐らくは禄に食事や睡眠を取らずに仕事をしているのだろう。

 

同じ気怠そうな態度を取る私とは大きな違いがある。

私は食事はそれなりに取っている。睡眠も寝てはいるし昼間に休憩を挟むことが多い。

 

驚くべき点は風紀委員会全員がそういう様子ではなく、ヒナ一人がそのような状態であると言う事。

これはつまり、業務の大半をヒナが担っていると推測するには十分だった。

 

残酷なものだな。

目の前の不幸な少女は、己の『強さ』によって苦しんでいる。もしこれで難のある性格だったならばこれほど疲れる事もない。なまじキヴォトスの中でも理性的であるが故にこのザマだ。

そして、己と肩を並べられるほどの『強さ』を持つ者がいない。よって、常に駆り出され続ける。

このままでは、仕事によって心身がすり減っていきいつか限界が来るはずだ。

 

アコもそれを分かっていて、いろいろ画策したのだろう。

だが、結局それをしくじればこうなってしまう。目下、この風紀委員会に必要なのはヒナほどで無くともある程度の問題に対処できるほどの実力を持ち、頭の回転もそれなりにある存在。

それから、こいつ自身が仕事をきちんと振り分ける意思を持つことだ。

 

そう考えてヒナを見続ける私と、別の思考で私を見続けるヒナの間には言葉は無くともある程度の『妥協』は出来たのだろう。

 

「まあいい、私も戦うためにここに来たわけじゃないから」

 

そう言ってヒナは他の風紀委員に帰還の指示を飛ばし始めた。

難は去ったが、別の問題を見つけてしまうというあまり気分のいい終わり方ではなかった。

だが、それは自分の仕事に終わりはないとある意味では今後の目標になるものでもあったのだ。

 

『先生、ありがとうございました。ホシノ先輩もいない中で交渉が決裂していたらと思うと……』

「……ホシノ?」

 

感謝を述べるアヤネのホシノという言葉にヒナが反応し振り返る。

 

「アビドスのホシノって……もしかして、小鳥遊ホシノ……?」

 

警戒する表情を見ると知っているように見える。

 

――昔のホシノは今と違っていた

 

その時を知っているのか?

 

「うへ~、こいつはまた何があったんだか。すごいことになってるじゃ~ん」

 

来たか。

その顔はいつもの顔だが、碌な時間の過ごし方ではなかったのだろう。

街の惨状とは違う相手へ向かる不機嫌さが微かに宿っている。

 

『ほ、ホシノ先輩!?』

「ごめんごめん。ちょっと昼寝しててね〜、少し遅れちゃった」

 

対策委員会の一大事には常に誰よりも先に行動するお前が、昼寝で遅刻などするものか。

今この現状よりも大事な要件、件の生徒会長の件かそれとも――アビドスの今後に関わる内容か。

 

「昼寝ぇ!? こっちは色々大変だったのに! ゲヘナのやつらが……」

「でも、もう全員撃退した」

「まだ全員ではないですが……まあ半分くらいは。さっきまで先生が話を付けてくれていました」

「ゲヘナの風紀委員会かあ……便利屋を追ってここまで来たの?」

「…………」

 

答えないと言うよりも緊張や衝撃という態度がヒナから伺う事ができる。

なるほど、ヒナの知ってるホシノが過去のホシノなら随分と様子が違うことに驚いているのだろう。

イメージチェンジとは言うが、ついこの間までルガディン族だった人がララフェル族に変わっていたら驚くだろう。

外見の差はそれほどまでではないだろうが、記憶との齟齬はそれくらい受け入れがたいものだ。

 

「うーん、事情はよく分からないけど、対策委員会はこれで勢揃いだよ。ということで、あらためてやり合ってみる? 風紀委員長ちゃん?」

 

血気盛んな奴が多いな本当に。

もう話はついて帰ろうとしているのに。

恐らくホシノならば互角で決着つかずかあるいは……

ヒナとてそんな挑発に乗るほどでもないだろうが。

 

「……一年生の時とはすいぶん変わった、人違いじゃないかと思うくらいに」

「……ん? 私のこと知ってるの?」

「情報部にいた頃、各自治区の要注意生徒たちをある程度把握してたから。特に小鳥遊ホシノ……あなたのことを忘れるはずがない。あの事件の後、アビドスを去ったと思ってたけど」

「…………」

「……そうか、そういうことか……だからシャーレが……」

 

要注意生徒たちを把握か、なら明日以降その記録に私が追加されるんだろうな。

要注意危険人物と。

 

まあ、そんな冗談はさておき私が来る前の話だ。正直、生徒の昔の行いまではとやかく言いたくないのだ。その過程で味わっていた苦難や悩みには向き合いはすど、その『選択』にまで説教をしていては只の煩い大人だ。

だから、ホシノの過去に何があろうとも一切責めるつもりはない。

どんな事件に巻き込まれ、あるいは起こしていようとも。

 

「そもそも、さっき撤退するように言ったから。何度も言うけど、戦うために来たわけじゃない」

 

そう言って、ヒナは頭を下げた。

それも軽いものではない。背筋を伸ばし、深く頭を下げる――心の籠った謝罪だ。

 

別にそこまでする必要はないだろうに、と言いたかったがそれを言ってはヒナに失礼だ。

 

「えっ?」

「頭を……」

「事前通達無しでの無断兵力運用、そして他校の自治区で騒ぎを起こしたこと。このことについては私、空崎ヒナより、ゲヘナの風紀委員会の委員長として、アビドス廃校対策委員会に対して公式に謝罪する」

 

お前は……

イイ奴すぎる。

少しくらいは駄目な部分を持つべきだ。

 

「今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することは無いと約束する。どうか許してほしい」

「委員長……」

「ま、待って委員長! あの校則違反者たち……便利屋はどうするんだ!?」

 

イオリの抗議に、ただ無言で睨みつける。

これで終わったのだから余計な事を言うな、という意味だろう。

イオリは再び先ほどの様にしゅんとなってしまった。

 

何とも不憫な事ばかりだな。

イオリの落ち度は話を聞かなかった事だが、それも立場を見ればそこまで責められるものでもないだろう。

 

「あ、う……」

「ほら、帰るよ」

 

その一言で既に退却の準備をあらかた進めていた風紀委員会は帰還を開始する。

先程よりも統率が取れたその行進は、正しく軍の規律を思わせる。もし、ヒナが戦わずともその場にいればまた分からなかっただろうな。

 

私もヒナへ伝える言葉がある。

だからと、彼女の方へ向かおうとすると先にヒナが近付いてきた。

まだ何か、あるのだろうか。

 

「……シャーレの先生」

「どうした」

「そう。あなたに伝えておきたいことがある。これは直接言っておいた方がいいと思って」

「ちょうどよかった。私もあるんでな。先に言え、私のはそう……あいさつ程度だから」

 

もし同じ背丈なら目と鼻の先と言える距離まで縮まった。

だがそこまで来られると私が見れない……よって、私は目線を合わせるため屈む。

 

「……ごめん」

「いや……200cm越えの私が悪いだろ、これは」

 

実際、ヒナが悪いわけではない。

どう見ても、身長の高い私が悪いのだ。

もし、背丈が古代人の時の私だったら……ヒナの2倍以上だから目も当てられない……と言うよりも他の大半の生徒の2倍はあるのだ。

 

「カイザーコーポレーションのこと、知ってる?」

「まあ、つまらない事を考える連中と言える程度にはな」

「……そう」

 

酷く退屈で、つまらなく、見るに堪えない。

くだらない連中。

私の気まぐれの、ポリシーのお陰でまだ黒幕であれる存在。

 

詳しくは知らない、だがそれでもこれまでの過程ではそう判じつつある。

そして、裁定が終わった時の結末も。

 

「…………これはまだ『万魔殿』も、ティーパーティーも知らない情報だけど。あなたには知らせておいた方が良いかもしれない。アビドスの捨てられた砂漠……あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでる」

「……やはり、砂漠に脚を運ばねばならないか」

「本当なら、廃校予定のアビドスに教える義理はないのだけど……一応、ね」

 

私には知らせておく方が良いと思えるのか、この短時間で。

似た性格だから、というわけでもあるまい。

 

「感謝しよう。私からだが、今日の事は私が悪い。『万魔殿』に報告はしてないが、もし面倒事に巻き込まれたら必ず手を貸そう」

 

そう言って私はヒナへ微笑む。

お互い様と言ったはずだ。

お前だけが『悪役』である必要はない。

 

「……わかった」

「それから。ちゃんと寝ろ、適度にサボれ。そうしたってお前の仲間は怒らないさ」

 

あいつなら頭でも撫でてやるのだろうか。

それとも元気の出るポーズをしたり、笑わせてやるのだろうか。

 

生憎と、そんな事が出来るほど私は……

だが、そう。

笑顔で見送る事は出来るだろう。

 

「……私には……ううん、ありがとう。じゃあまた、エメトセルク先生」

 

恐らくはそんな事できない、と言うつもりだったのだろうがそれを呑み込んでヒナは感謝の言葉を述べた。

それを言えるように、少しくらい我が儘であれるようにいい方向に変えてやるのも私の『仕事』なのだろうな。

 

まったく、今日でいろいろな『未来の仕事』を見つけたぞ。

 

「ああ、ヒナ。せめて今日は言いつけを守ってみろ。先人からの、アドバイスだ」

 

せめて、次に会う時にはその隈がマシになっていることを祈るばかりだ。




エメトセルクも隈が酷い日はあったのかどうか。

きちんと生徒たちのメンタルケアにも奔走するエメトセルク先生に今後もご期待ください。
本人のメンタルケア?
まあ、あの時と比べたら……ね?

今後の展開について(絆エピソードや番外編は書きます。アビドス編後の流れについて聞きたいです)花のパヴァーヌ(花)、エデン条約(エ)、カルバノグの兎(兎)

  • 原作通り(パ1→エ→パ2→兎→パ2)
  • 変則(エ→パ1,2→兎)
  • その他(コメントでお願いします)
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