エメトセルク先生と透き通った青春   作:無名の古代人

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大勢の方に一話を見ていただけてうれしいです!
エメトセルクらしさを出していくのは大変ですが、彼の考えなどが少しでも伝わっていくように頑張ります!


1-2

 

 

初めてキヴォトスの空気を味わった私は、「なんて透き通った広い空だ」と心の底から思ったものだ

こんな空の下に集う生命はきっと善き人生を歩んでいるのだろうと

だが、外に出てしばらくしたらすぐに考えを改めた

 

この青い空の下で繰り広げられているのが、暴力だと──

 

さて、私は──

──どうにか出来るのか? 

             エメトセルクの手記

 

 

00Ⅰ

 

なんだかんだ30kmの旅路を陸路で進み、問題の場所までは難なく到着することができた。

その過程で色々とこの世界の構造物や技術の一端を触れる事が出来たのも、私にとっては嬉しい結果だ。

 

だが──

 

「な、なにこれ!?」

 

ユウカの大きな声を容易に掻き消す程に大きな爆音や鳴り響き続ける銃声。

そして硝煙の香りが嫌でもこの場所が戦場であり、悲しいかな私エメトセルク先生も巻き込まれてしまったのだと実感させる。

ああ、厭だ厭だ……

どうしてこいつらは口がついているのに、先に銃を撃つんだ。

文明的な技術とは異なり、そこに住む住人はアーテリスに住う『蛮族』と呼ばれた者たちと同じかもしかしたらそれ以上に『蛮族』なのではないか。

おっと失礼今は『友好部族』だったかな? 

 

「どうして私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!」

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから……」

「それは聞いたけど……! 私これでも、うちの学校では生徒会に所属してて、それなりの扱いなんだけど! なんで私が……!」

 

ここにきて私の中ではユウカの振る舞いが旧友に振り回される私を彷彿とさせて、何と言うか同情的に見る事が出来るようになった。

逆にリンは苦労しているが他人を巻き込む性質も持っているのでユウカや私ほど振り回されているタイプかと言われたら……現状はそこまでだ。

図太さもあるわけだしな。

 

にしてもこいつらの動きは無駄がない。いや本当に戦い慣れている動きで銃弾から身の安全を確保しているではないか。この歳でここまで動けたら立派だろう、あの〝英雄〟と呼ばれたあいつだってあの歳でここまで動けたのかと言われると返事に困るだろう。

 

だが戦場で大きな声で吠えると言うことはそれ即ち、的になると言うことだ。私からそうはならないが、魔法が使えるわけでもないユウカは不良からの銃撃を受けその命を──

 

「いっ、痛っ! 痛いってば! あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!」

「伏せてください、ユウカ。それに、ホローポイント弾は違法指定されてはいません」

「うちの学校ではこれから違法になるの! 傷跡が残るでしょ!」

 

──散らす事はなく先程同様に大きな声で文句を言っていた。

移動中に聞いてはいたが、なるほどやはりそれなりの頑丈さはある、アーテリスの住人くらいにはあるのかも知れない。これならもしかしたら、私が魔法を酷く加減してやれば収められそうだな。

 

喧嘩に巻き込まれたから使いますと言うのは『冥王』として『エメトセルク』の座にいた者としてどうなのかとは思う。どちらかと言えば『調停者』と呼ばれたエリディブス……ゾディアークから出てくる前のあいつにピッタリだ。

 

そんな事を考え、長身でありながらボケっと突っ立っている私を見て背の高い少女──確か名前は羽川ハスミ──が声をあげる。

 

「今は先生が一緒なので、その点に気を付けましょう。先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です」

「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではないところから来た方ですので……、私たちとは違って、弾丸一つでも生命の危機にさらされる可能性があります。その点ご注意を!」

「分かってるわ。先生、先生は戦場に出ないでください! 私たちが戦っている間は、この安全な場所にいてくださいね!」

 

……随分と侮られたものだな。

この程度の銃弾で私が斃れるとでも? 

そもそも当たる前に魔法で弾けるし、暁の連中がしてきた攻撃と比べたらデュナミスが籠っていない分脅威にすらならない。

逆に私の魔法にどれだけキヴォトスの住人が耐えられるかと言う方が差し迫った問題だ。

 

「ハァ……そんな事を言う前に自分の安全を確保しろ。あいにく、私は自分の身は自分で守れるからな」

 

優しさに素直に感謝したいとは思うが、それ以上にこの個人プレーの応酬で咄嗟に私を守る判断ができる奴がいるのかと思う。

 

各々が自分の戦い方をやっている……個人の技量があるからどうにかなっているだけで戦場を把握出来てはいない。

例えばそう、敵の数とその配置などを想定しているのかと言いたい。

突発的なパーティだから連携できないは言い訳だ、あいつが星を呼び寄せ問題を解決する時やヒュペルボレア造物院に私とヒュトロダエウス、ヴェーネスそしてあいつで言った時も半ば急拵えだったがうまく連携出来た。まあ、後者は知り合い同士だからと言うのもあるかも知れないが……

 

辞めよう。

私は『先生』なのだ。

ならこいつらに不平不満をぶつけるのではなく、導いてやるべきなのだ。

与えられた『役割』は果たしてやらないとな。

 

「厭だ。とも言ってられないか。私がお前たちに策を示す、わかったな?」

「え、ええっ!? 戦術指揮をされるんですか? まあ……先生ですし……」

「連携とは何たるか、己の役割をどのようにこなせばいいのか、そこを補ってやるからお前たちは集中して戦え」

 

もしこれがアゼムやヒュトロダエウスならもう少し上手く伝えてやれるんだろうな。

あいつらは私よりも不器用じゃないからな。

 

ソルを演じていた時はもう少し上手く出来たものだが……責務から解き放たれて自我が出てきてしまったか。

 

「分かりました。これより先生の指揮に従います」

「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします」

 

だが、そんな私の心配は杞憂だったようだ。彼女たちはまるで私の指示に従うのが当然かのように、私を信頼している。

 

この私を? 

これまで無条件で信頼された事はない、それどこから警戒される事ばかりだった。

強いて言えばエルピスであいつに会った時くらいか。

だが、あれは必然だ。あいつは私を知っていたのだからな。

 

一人くらい文句を言ってくれるだろうと、期待を込めてユウカを見た私に帰ってきたのは──

 

「よし、じゃあ行ってみましょうか!」

 

なんて残酷なんだ……

 

00Ⅱ

 

結論から言おう。

特に私が介入する必要もなく戦いは進行した。

 

「建物の上だ、2時の方角」

「ユウカ、お前が敵の視線を惹きつけろ。その間に残った奴らは攻撃。チナツ、お前はユウカの支援だ」

「スズミはハスミが攻撃するための隙を作れ。一撃はハスミに任せて敵を削り、もし倒せるならそのままいけ」

「敵を集めすぎるな、少数を確実に倒す。これの繰り返しだ」

 

戦術指揮と言っても、アーテリス……いや、アゼム式の進み方の徹底くらいしか言っていない。

ちょうど、盾役・攻撃役二人・支援役一人の4人構成だ、ならあいつのやり方でやる方が効率がよさそうじゃないか、実際サクサクと進んでくれているしな。

 

しかし同時に驚いてもいた。

私を信頼し、言った内容を理解して、その通りに行動を取れる。

ソルとして活動していた時、これほど戦術指揮が上手くインプットされた事はほとんどない。

『先生』の教えをしっかり吸収する善き『生徒』と言った所だな……上手く行き過ぎた『筋書』だ……

 

だが、今はその『筋書』に乗ってやろうじゃないか。

それにこの調子なら私が『出る』までもない。

 

「よし! 建物の入り口まで到着!」

 

ほらみろ、ユウカもそう言っている。

つまりもう終わりという事だ、なんて素晴らしいんだ! 

これでようやく、この世界をゆっくり調べられそうだ──

 

だが、そんな楽しい未来への思考を不愉快な機械の轟音が乱す。

今度はなんだ? 

 

「……うん? この音は……」

「気を付けてください、巡行戦車です……!」

「クルセイダー1型……! 私の学園の制式戦車と同じ型です」

「不法に流通された者に違いないわ! PMCに流れたのを不良たちが買い入れたのかも!」

 

おい、本当にどうなっているんだこのキヴォトスは……

戦車やヘリの不法流通については先程も話として聞いていたが、学園がそれらの兵器を採用したり金持ちには見えない不良が買い入れてあまつさえ操縦できるだと? 

……話自体は分かるが、理解することを脳が拒否している。ガレマール帝国の様な学園が存在して戦争でもしているわけじゃないだろうに……こいつらの学生生活は控えめに言っておかしいし理解不能だ! 

 

確かに私たちの時代にだって騒ぎの一つや二つあって。

やれ、創り出したイデアが火山を噴火させただの、脱走して暴れまわっただの……

だが同胞が集団で創り出したイデアを使って喜び勇んで戦闘をしていたなどという事態はなかった。

 

 

だが今すべきは思い出の回想ではなく目の前の戦車への対処だ。

4人を見れば、やはり攻めあぐねている。

今までの体制が一人に敵視を集めて他が叩くという戦法だったために範囲攻撃やユウカへの攻撃が激化してしまう状態では維持できないという事だ。

魔法でない機械的な方法でシールドを張るユウカだが、それは機械の計算によるもので計算外のダメージを受けてしまうとシールドを維持できなくなる。

そうなれば、無防備な生徒になる。

 

これは不味いか……

よし……

 

「ここは任せて、お前たちは継続してそいつらを片付けろ!」

「先生!? 危険ですから──」

「生憎と、お前たちに心配されるような人生は送っちゃいない」

 

ユウカの焦る声に私は平然と返し、そのまま姿を消す。

よし、魔法は変わらず使えるようだな。

なら、まずは話し合うとするか『文明的』にな。

 

「よしよし、あいつら戦車にビビってるぜ!」

「当然! 火力も装甲も段違いだからな! はははは!」

「全く、兵器一つで随分と大きな態度だ……」

「!? なんだ、このおっさん!!」

 

『テレポ』で戦車の中に入り込んだ私を待っていたのはおっさんという罵倒だ。

驚かれるのは当然だろうが、この顔のどこがおっさんなんだ……

 

「失礼な奴だな……私のど・こ・が、おっさんなんだ?」

「そりゃ、眉間の皺……」

 

全てを聞くまでもない。

眉間の皴については、老けてついたものじゃない。

私は再び消えて、ユウカたちのそばまで戻る。

 

「!? 先生、どこに行ってたんですか!」

「……騒ぐな、聞こえてる。戦車の中で話し合いに言ったんだが、まぁ交渉は決裂だ」

 

そういって、大きく右腕を突き上げる。

その動作を戦場の誰もが不思議に思う。

当然だ、降参でもしたいのか? と勘違いされても仕方ないが、これが私のやり方だ。

 

パチンッ! 

 

指先が小気味いい音を鳴らせば、戦車が爆発を起こし吹き飛ぶ。

その光景はキヴォトスでは見かけないものなのだろう、ユウカたちと不良は理解できないものをみたかのように私を見る。

だが、私の心配は戦車の中に居た不良たちだ。

戦車を眺めていると悲鳴を上げながらも、無事に這い出ている。

なんだ、本当に頑丈じゃないか。

外側の爆発だけとはいえ戦車が戦闘不能になるクラスの爆発から生還するだけでなく、自力で脱出できるくらいに。

 

「いいか、私はおっさんじゃない!! せめて、お兄さんにしろ!」

 

大きな声で宣言する。

当然だ、そこまで老けた顔じゃないむしろ全盛期のソルの体な以上は青年と言う方が正しいだろう。

その宣言か、それとも私の魔法が原因か──

まず間違いなく後者だが、不良たちは戦意を失い散り散りに逃げていく。

ユウカたちの機会を奪ってしまったか……いや、これはご褒美だ。

素直に信じて私の指示に従ったお前たちへの。

 

「先生、今のはどうやったんですか?」

「いつ、爆弾を?」

 

ああ、追求される可能性を忘れていたな。

 

「世の中には理解不能な事象を引き起こすものがある……と、今はそれで満足しろ」

「納得できません! 論理的な説明をしてください!」

「なら、先に任務を終えるぞ。そしたら質問に答えてやってもいい」

「はい!」

 

とは言え、その後は碌な抵抗にあわず「やべーおっさんだ!」と私の顔を見るなり逃げ惑う不良しかいなかった。

無事、任務は達成だ。

 

00Ⅲ

 

「うーん……これが一体なんなのか、まったくわかりませんね。これでは壊そうにも……」

「なら、それを返してもらえるか?」

「……あら?」

 

私の存在に気付いた彼女──ワカモは、こちらへと視線を移した。

リン曰く、この騒ぎの首謀者であり百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱走した生徒。

ドマで見かけるような和装に、黒髪。特徴的な狐の仮面で顔を隠し、その素顔を見る事は出来ないが……

これまでの生徒の中では一番、強い事だけは私にもわかる。

それは前科持ちだからという訳ではない。エーテルを見れば一目瞭然だ。

 

「一応名乗っておくが、エメトセルクだ。本日から先生とやらになった。お前たちにとっては不運かもしれないがな」

「あら、あららら……」

 

私の顔を見て固まるワカモ。

おい、またか! 

どうして、こっちに来てこうも顔の事ばかり……

 

「…………」

 

「…………」

 

なんだこの間は……

おっさんと言うんだろう、どうせお前も。

半ば諦めた気分でワカモを見る私だったが、どうも違うらしい。

 

「あ、ああ……」

「?」

「し、し……失礼いたしましたー!!」

 

そう叫んで手に持った《箱》を投げ捨てて凄まじい勢いで逃走していった。

 

「おい……なんだ、私の顔はそんなにか? 失礼な奴しかいないな、全く……」

 

おっさんと言われる方がまだマシだ。

顔を見て逃亡されたことは初めてだ、私の正体を知っている場合を除いて。

ワカモが私を知っているはずがないから、ますます『私の顔が怖い』のではないかという疑念が湧き上がってくる。

いや、怪しい顔かもしれないが怖くはないと思うぞ……

 

「お待たせしました……? 何かありましたか?」

 

私自身の顔への疑念に頭を悩ませているとリンが地下室へと入ってきた。

 

「私の……いや……ワカモが逃げた、思ったより逃げ足が早くて驚いていただけだ……」

 

リンに聞いても仕方のない事だ、むしろ知ったことかと怒られるだろうな。

 

「……そうですか。ここに、連邦生徒会長が残したものが保管されています。……幸い、傷一つなく無事ですね」

 

私の応答に特に疑念など持たず──と言うよりもワカモの制圧までは頼まれていないのだから当然だが──リンは先ほどワカモが持っていた《箱》を拾い上げる埃を払った後に私へと渡す。

 

「……受け取ってください」

「この《箱》をか?」

「はい。これが連邦生徒会長が先生に残したもの。『シッテムの箱』です」

 

正体不明の連邦生徒会長殿からの遺し物と言ったところか。

《箱》とは言うが実態はアラガントームストーンのような端末に近いであろうそれを渡されてもどうしようもないのだが……

と言うよりもなぜ私はこれの名前を聞いた事がある気になっている? 

この世界に関する事は星海での接触くらいだが、その時の記憶ははっきりと言えば曖昧だ。大筋も託された物も覚えてはいるがわざわざ『シッテムの箱』と言う名前を覚えているのかと言われると怪しい。

カイロスのような記憶操作機構でも働いているのか? 

 

「普通のタブレット端末に見えますが、実は正体の分からない物です。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みのすべてが不明」

「古代アラグの秘宝か何か……いや、気にするな。こっちの話だ、ほんの少し前までいた場所の古い話だ」

「……連邦生徒会長は、この『シッテムの箱』は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも……」

 

それ以上は言わない……いや言えないと言うのが本音だろうな。言うならば私が最後の希望でもし起動させることが出来なければ希望は潰えてしまうことになりお先真っ暗と。

 

本当に、ほんと〜に大きな期待を寄せられたものだ。

連邦生徒会長とやらにも、そしてこいつら『生徒』たちにも。

 

「……正直なところ、まだ自分が星海で夢を見ているのだと思っているくらいには実感が薄い。それに、どちらかと言えば私の旧友の方が向いていそうな『役割』を与えられて、命運すら委ねられてしまった。言えるなら言いたいよ、厭だとな。だが誰かに助けを求められた時、あいつは必ずその手をとった。私自身それに巻き込まれ文句を言いながらも楽しんでいたし、眩しいと思ってもいた。己にないものを持っているあいつに」

「……」

「だから、せめて次にあいつと逢うまでの期間くらいはあいつの真似事をしてもいいかもな。故に私、エメトセルクはお前に問う。リン、私はなんだ?」

「勿論、『先生』です。既にあなたがここまで私たちを導いたのですから、疑いようもないことです」

 

こいつは本当に、頭がいい。お前ならば私が居なくてもキヴォトスを纏められるはずだ。しかし、そうはならない。私が『先生』であるならば彼女とは協力してキヴォトスを纏めていくことになるのだから。

そして、ここまで私の『口上』に乗ってくれたのだ無碍にはしないさ。

 

「ならば、後は私に任せろ」

「…………では、邪魔にならないよう、離れています」

 

そう言って部屋の隅へと移動するリンに私は背を向けシッテムの箱と呼ばれた端末に触れる。

私の指が画面に触れた途端に画面が点灯する。

まずは第一関門突破というわけだな。

さて次はパスワードの入力を求める画面だ。

 

「……うーん?」

 

聞いて、感じて、考えて

いや、これは違うな。

確かにあの夢の中で聞いたが、これがパスワードのはずがない。

なら、何故かは知らないが思い浮かぶ一節の方か。

 

ーー我々は望む、七つの嘆きを。

 

ーー我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

誰の言葉なのか、そしてどう言う意味なのか。

アーテリスでは数多くの演劇を観てきた私でも知らない。

これが落ち着いたら少し調べてみるか……

 

『「シッテムの箱」へようこそ、ハーデス先生』

 

頭の中に声が響く。

それは私が知っているはずの声で、キヴォトスでは一度も名乗っていない私の名前を呼びかけるが、何故がどの声かはわからない。

 

『生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムのA.R.O.N.Aに変換します』

 

その言葉と共に眩い光が私の目を灼き、思わず目を閉じてしまった。

どうなってるんだと、再び目を開ければ画面には見知らぬ空間、海の上にある崩壊した教場が広がっていた。

 

「くううぅぅ……Zzzz」

 

ある種の神秘さを放つその空間には不釣り合いな寝息が響く。それは机に突っ伏した少女ーララフェル族1.5人分くらいの等身をしたーが立てていたのだ。

 

「むにゃ……カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……」

 

何とも随分と心地よく寝ているじゃないか、この私は眠れずに起こされたと言うのになぁ。

それになんだ、カステラにはいちごミルクよりもバナナミルクのほうが合うだと? さっきまでとの温度差がこの私に襲いかかる。

 

こんな子供の子守りのために『シッテムの箱』を起動したわけじゃない。外で待つ、私を信じた生徒たちを救うためだ。

だからこそ、カステラいちごバナナミルク問答に付き合う気は一切ないぞ。

 

「えへっ……まだたくさんありますよぉ……」

「いや、もう満腹だ」

 

画面を指で叩くが、「うへ」だの、「むにゃ」だの謎の鳴き声を出すだけで一向に起きない。

だんだんと机を叩く勢いも上がってきたが変わらない。

 

『キミ、ダメじゃないか。優しく起こしてあげないと……ね?』

 

頭の中で旧友の一人が文句を言った気がする。だが、知ったことか。

私はお前じゃあないんだ、目的の為なら多少強引な事もするさ。

どうするかって? 

まず大きく息を吸う、そして

 

起・き・ろ!!

「ひへ!? ……ありゃ? ありゃ、ありゃりゃ……!? え? あれ? あれれ?」

 

予想外の大声で起こされた少女は、まさしくララフェル族のように大袈裟に慌て出し、周りをぐるぐると見渡している。

ああ、慣れてるさ……ララフェル族って奴は必ずこう言うことをするのさ。別に悪意も他意もなく種族的な特徴と言ってもいい。まあ、あざとさを感じさせることがあるララフェル族と異なり目の前の少女は本気で慌てふためているのだろう……

 

なら、寝るなよ……

 

そう呟きそうになったが心の中にしまって置いた。言わぬが花とも言うだろう? 

 

「先生!?」

 

じゃあなんだこの子供も『生徒』なのか? 

 

「この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさか、本当にハーデス先生……!?」

「……なぜ私の名前を! いや、ならお前が『シッテムの箱』そのものなのか……?」

 

ハーデス。

先ほどこの端末を起動した際も確認できたその名前はエメトセルクの真名。

エメトセルクとは本来は十四人委員会の座を表す言葉の一つで、魂の管理など、死後の運行を司る。そして座に就任したものは本来の名前よりも座の名前を呼ばれることが多くなる、そして各々の名前などさして意味を為さなくなった終末後から一万2000年間の間、ハーデスと名乗る事も呼ばれる事も無かった。

 

『ところで、エメトセルクの本名は?』

 

『……ここでそれを聞くか? まあ、いつかときが来て、お前はそれを知るかもしれないし、知らないまま終わるかも……だ』

 

そう、その『いつか』が来たあの瞬間までは。

 

だからこそ何としてもこの少女から真相を聞き出さなければならない。

 

「う、うわああ!? もうこんな時間!?」

 

だと言うのにその少女は答えをはぐらかしながら勢いよく立ち上がった。我慢比べのつもりか? 私が根負けして許してやるとでも? 

 

「うわ、わああ? 落ち着いて、落ち着いて……えっと……その……あっ、そうだ! まず自己紹介から!」

 

はつらつとした元気な声でまずは自分を知って欲しいという少女の提案に乗ってみる事にした。幾らはぐらかされて腹が立っても子供相手に何も本気になることはない。

 

「私はアロナ! この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

OSだとか詳しい言葉はわからないが、やはりこいつが『シッテムの箱』そのものという直感はほとんど当たっていたようだ。

 

「やっと会うことができました! 私はここで先生をずっと、ずーっと待っていました!」

「……爆睡して到着した私に気が付かなったのにか?」

「あ、あうう……も、もちろんたまに居眠りしたこともあるけど……」

「まぁ、眠るのはいいことだ。私だって時間をやり過ごすために寝ることは大いにある……聞きたい話は多いが、とりあえずはよろしく頼むぞ」

「はい! よろしくお願いします!」

 

本物の子供の様に表情が豊かな奴だ……

……ルキウスが幼い時もこんな感じだったな。

私の子供か……

 

「まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが……これから先、頑張って色々な面で先生のことをサポートしていきますね!」

 

これが機械なのだから驚きだ。

声の調整と言うが、機械的な声ではなく本物の声と言われても違和感がない。

何というか、本当に、技術の進歩と言うのは恐ろしいものだ。

 

「あ、そうだ! ではまず、形式的ではありますが、生体認証を行います♪」

「そうか。私が本当に『私』かどうかは確認しなければ権限は与えられないか」

 

先程よりも流暢になったな。

なるほど、事前に準備されているセリフなら問題なく話せるがそうではない日常的な会話などはまだまだ発展途上と。

 

「うう……少し恥ずかしいですが、手続きだから仕方ないんです。こちらの方に来てください」

「いいだろう」

 

一体何が求められるというのか。

裸になれなどと言われたら流石に怒るぞ。

 

「あ、もう少しです。さあ、この私の指に、先生の指を当ててください」

 

突き出されたアロナの指に合わせて私も画面に指を置く。

なんだこれは……危機を救いに来たはずが子供と遊んでいるという事態に私は少し混乱した。

 

「うふふ。まるで指切りして約束するみたいでしょう?」

 

約束か。

ふん、子供のくせにやけに私に考えさせる言葉を使うじゃないか。

 

「実はこれで生体情報の指紋を確認するんです! 画面に残った指紋を目視で確認するのですが……すぐ終わります! こう見えて目は良いので」

 

自信満々に言い放ったアロナだったが……

 

「どれどれ……」

「うう……」

 

とじっくりと凝視し始める。

本当に大丈夫なのか? 

 

「うーん……よく見えないかも……まあ、これでいいですかね?」

 

小声ではあるが、かなり怪しい発言を呟いたのである。

おい、高性能なAIなんだろう!? 

そう声に出したいのを私は我慢した。

私が突っ込めば突っ込むほど、泥沼にハマってしまいそうだ……

 

「……はい! 確認終わりました♪」

「……そうか」

 

もう何も言うまい。

こいつは懸命に私の生体情報を確認し、問題はなかった。そう言う事にしておこうじゃないか。

私は記憶を改竄し、ぎこちないながらもにこやかな顔をしておいた。

一挙手一投足が全力の子供に大の大人がいちいち文句を言うのは違うだろうしな。

 

「……なるほど……先生の事情は大体わかりました」

 

私の随分とにこやかな顔に満足したのだろう、少し胸を張って己の性能を誇示しながらアロナの仕事は終わった。

 

「連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった……」

「……お前、連邦生徒会長の素性をどこまで知ってる? なぜ、私の真名を知っているかなどは?」

 

『シッテムの箱』を準備したのが連邦生徒会長であったならば、アロナは何かを知っているはずだ。

そうでなければ、私をハーデス先生として登録したりはしない。

そう考えていたのだが、返答は否定の言葉だ。

 

「私はキヴォトスの情報の多くを知ってはいますが……連邦生徒会長についてはほとんど知りません。彼女が何者なのか、どうしていなくなったのかも……それに先生の名前は既にそう登録されていたんです……お役に立てず、すみません」

 

本当に申し訳なさそうな顔をするアロナを見て、責めるほど私は邪悪じゃない。

仕方ないじゃないか。私の真名も、連邦生徒会長の情報が知らされていないのも、そう設定されていたとすればアロナに罪はない。

自分で探っていけばいい、いつものように。

今は不滅なる者でなかったとしても、『人生』の時間は長いのだから。

 

「気にするな。だが、名前はエメトセルクに変更しておいてくれ」

「わかりました! 連邦生徒会長の情報についてはお役に立てませんでしたが、サンクトゥムタワーの問題は私が何とか解決できそうです!」

 

出来る事を一つずつ着実に進めていこう。

それが積もっていけば、『終焉を謳うもの』にだって届き倒せるとあいつが示したように。

 

「なら頼むぞ、アロナ」

「はい! 分かりました。それではサンクトゥムタワーのアクセス権を修復します! 少々お待ちください!」

 

その第一歩を進める。

『過去』を取り戻すための戦いの第一歩を踏み出したように、今度は『未来』への一歩をここで踏み出すのだ。

 

私の指示からたった数秒で地下室の電力が回復する、それだけではない建物全体が息の根を吹き返したように駆動し始めたのだ。

なんて早い仕事だ、機械にそこまで詳しくないがこんなに簡単なものではない事くらいは知っている。

 

「……サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……。改めましてエメトセルク先生。サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります」

 

待て。

一分もかからずにキヴォトスの危機を回避したというのか? 

それも建物全体の制御権を獲得して? 

こいつなら魔大陸への鍵を持っていなくても入っていけそうじゃないか……

 

「今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」

 

そしてアロナは私の指示に従う以上、事実上私がこのキヴォトスで最も強大な権力を持つ存在になってしまったわけだ。

帝国は一日にして成らずとは言うが、皇帝には数分もかからずになれるらしい。

 

だが、そんな権力を今の人生で持ってても仕方がない。

私は『皇帝』ではなく、『先生』なのだ。

生徒と向き合うときにその権力は邪魔になるかもしれないのだから。

 

「先生が承認さえしてくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。でも……大丈夫ですか? 連邦生徒会に制御権を渡しても……」

 

ちょうど、アロナがそのことについて提案してくれた。

連邦生徒会への不信感が微かに宿る言葉ではあったが、そんな事は私には関係ない。

もし私を害する者がいるというなら……いつでも相手をしてやるさ。

 

「今の私には必要のない権力だ、しっかりと押し付けてやれ」

「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

アロナの言葉を聞いた私は漸くこの画面から目を離すことが出来た。

いつまでも画面の前で問答をしていてもおかしな人物に映るだけだ。

 

「……はい。分かりました。サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね。お疲れさまでした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

「それが私の仕事だからな、その第一歩としては大きな一歩だが……それにお前もご苦労だったな、リン」

 

私にしかできない事ではあったが、それでもここに至るまでにリンもまた苦労しているはずだ。

なら、その労をねぎらわれるべきは私だけじゃない。

 

「ここを攻撃した不良たちと停学中の生徒たちについては、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく」

「ほどほどにな。やり過ぎて更にグレたら元も子もないんだ」

 

ああいう手合いは行き場所を無くしていたり、誰も親身にならないからそうなったという場合もある。

ならそれに居場所や役割を与えてやれば悪事を働かなくなる可能性だってあるのだ。

そうやって人の心を動かしてこそ……ああ、昔の悪い癖だ。どうしても人を導くとなると『皇帝』を演じてしまうな。

少しずつ慣らしていくしかないな。

 

「それでは『シッテムの箱』は渡しましたし、私の役目は終わったようで……あ、もう一つありました」

「?」

「ついてきてください。連邦捜査部「シャーレ」をご紹介いたします」

「そういえば、私の仕事場がまだだったな。多くの事があり過ぎて、忘れてしまっていた……」

 

リンに追従する形で地下室から出た私はまたエレベータに乗り、職場への移動を開始する。

きちんとした建物だとは思っていてが、中身も立派で広い。もう少し荘厳さが外観にあればそれこそ皆が仰ぎ見る立派な建物になっていただろう。

移動の間、私はそんな事やこれからの事について考えて動いていたのを察してかリンもまた無言で先導してくれた。沈黙が耐えられないタイプと違ってよかった。

会話がないのは気まずいさばかりではないのだから。

 

「ここが、シャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」

 

長いこと放置していたわけではなく、きちんと掃除はされ続けていたのだろう。目立った埃などは一切見当たらない。

『空室。近々始業予定』

お前の仕事も今日で終わりだな。

 

「そして、ここがシャーレの部室です」

「青空をいつでも見られるんだな」

「ええ。もし何か置きたい物などがあればお好きに設置していただいて構いません」

 

長机とモニター、そして地図に壁の銃火器。

少し殺風景だから、何かを置きたいが……アーモロート風の何かでも創造魔法で拵えてみるか? 

だが、それもこじんまりとしたものでいい。新しい人生を送るんだ昔の場所の思い出としてはいいが、それがメインになってはいけない。

 

「ここで、先生の仕事を始めると良いでしょう」

「優先順位はあるか?」

「……シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない……という強制力は存在しません」

 

白紙委任とは少し違うな。

恐らく、具体的な目標はワザとおいていないのか。

 

「キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です。面白いですよね。捜査部とは呼んでいますが、その部分に関しては、連邦生徒会長も特には触れていませんでした」

 

深読みするならな、中立性の確保というわけか。

その名の通り捜査するわけでもないし、何をするかは分からないからこその。

 

「つまり、何でも先生がやりたいことをやって良い……ということですね」

 

一番困るんだよ、それが。

確かにあいつの真似事をしてもいいかと言ったが、あいつみたいにやりたい事をやっていい結果を出し続けるのは難しいし、正直やりたい事をやるというのは私の性格上困難だ。

 

「……本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。私たちは彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起きる問題に対応できるほどの余力がありません」

 

私の難しい顔を見てかリンが助け船を出してくれている。

だが、あちこちで起きる問題を好きに旅をして見つけると言うのは……

 

「今も連邦生徒会に寄せられる様々な苦情……支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど……もしかしたら、時間が有り余っている『シャーレ』なら、この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね」」

 

そうだ、それでいい! 

最後らへんの言葉は少し含みのある言い方だが、そうやって何をするべきか、使命があればこそ私は動きやすいのだ。

使命の為に好きに動く事と、使命を見つけるために好きに動くと言うのは違うのだから。

 

「実際に形として声が届いているなら、対処もしやすい。助かったぞ、リン……時間を持て余すつもりは無いけどな」

 

私の返事にリンは少し微笑んだ。

他人が忙しくしているのに、自分だけふんぞり返っている気はない。

それは皇帝時代も変わらない。一兵卒と共に飯を食らう事が楽しみの一つでもあった、彼らの苦労や思っている事を共有してこそ相手を知れるのだから。

 

「その辺りに関する書類は、先生の机の上にたくさん置いておきました。気が向いたらお読みください。すべては、先生の自由ですので。それではごゆっくり。必要な時には、またご連絡いたします」

 

そう言い残してリンは部屋を後にした。

あの言い方……あいつの仕事も振られるのだろうなこれは。だが、大体の仕事はこなせるだろう。

判子押しだろうが、書類の確認だろうが、決算だろうが、それらは全てソルの時代にあらかた経験済みだ。どうして、今更手間取る事があるのか。

 

そうして、私は窓からキヴォトスを見る。

 

本当に……

いい青空だ。

 

 

00Ⅳ

 

「ええ。サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます」

「お疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

「SNS?」

 

ひとしきり窓から眺めた後に、シャーレ前でユウカたちを労っていた。

SNSとはなんなのだろうか。まてよ、若者の流行りというなら抑えておかないとそれこそおっさんになるのか? 

あぁ、厭だ。

 

「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください、先生」

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひ訪ねてください」

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできるかも?」

「ああ、近いうちに必ず行くさ。お前たち今日はご苦労だったな。しっかり休息をとって、明日を迎えろよ」

 

そういって、私の方が先に背を向ける。年配者がいつまでも去らないと自分たちが帰っていいか分からないだろう。それに、こいつら世代の流行を調べる必要もあるしな。

 

「先生、ではまた!」

 

背後から聞こえたユウカの声に私は、振り返る事なく……

 

いつものように、手を払うように振った。




戦闘はできるだけ短くしたい……

古代人にもやばい奴はいたんですが、エメトセルクはそんな危ない奴と関わらないで済んだのが良かったんだと思います。
だからこそ、あそこまで全力でアシエンであれたんだと。

次回はユウカのメモロピになるかな。
なんせ、大体の人の初めてのメモロピですからね!

今後の展開について(絆エピソードや番外編は書きます。アビドス編後の流れについて聞きたいです)花のパヴァーヌ(花)、エデン条約(エ)、カルバノグの兎(兎)

  • 原作通り(パ1→エ→パ2→兎→パ2)
  • 変則(エ→パ1,2→兎)
  • その他(コメントでお願いします)
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