人理保証機関カルデア 英霊召喚第二成功例ー時計頭 作:無頼Doボデド
馬鹿みたいに威力強いけど即死じゃ無かったという想定です。
ヒナコが死ぬレベルでカドックが生き残るのは…
まあ運がめちゃくちゃよかったで済ませてください。
思い付きで始めたので多分続きません。
どうしてこうなったのだろうか。
ポーンポーンと時計の音が煩わしく響く。
燃え盛る管制室。大半が死ねども気にせず動くカルデアス。
先程まで希望/使命感に満ちていたみんなの横顔は
もはや冷たく、目に光が宿っていない。
騒がしかった管制室は、もはや針と火の音だけが響いている。
この中で僕だけが生き残っているのは、ただ運が良かっただけだろうな。
爆弾だったのだろうか、それとも魔術だったのだろうか。
この惨状を引き起こしたものは、中央にいたキリシュタリアの足元だった。
僕を一撃で殺し損ねたのはきっと、一番隅に居たからだろう。
スタッフも、所長も、みんな血を流して倒れ伏している。
そして、助かった僕ももうじき死ぬ。この傷じゃあスタッフも間に合わない。
死の間際に悪態を吐こうとして、血潮を胃から吐き出す。
結局、僕なんかに合う役目じゃ無かったか。
ふと、後ろの[サーヴァント]のことに意識を向ける。
壁際に立っている様に指示されていたからこそ無事だった彼に。
あの言葉も碌に交わせない、スキルも分からない、身体能力も高くない、
クラスすら分からない、人かどうかも怪しい、
正しくサーヴァントとして出来損ないの彼。
レイシフトを見たらスキルか、或いは記憶が目覚めるかも、
というダヴィンチ女史のアドバイスにより後ろに立たされていた。
顔を見ると時計の針ををいつになく激しく動かしている。
この期に及んでまだ何かを伝えようとしているのか、それともただ慌てているのか。
どうでもいい、と無視しようとして/眠りにつこうとして、体の痛みをひどく感じる。
ショックで固まっていた痛覚が働きだす。
ここまで絶望的な状況なのに、まだこの体は生きたいみたいだ。
助かる方法は、と考えて一つだけ思いつく。
あのサーヴァントはもしかしたら僕らを何か助けられるのではないか。
何の根拠もない、ただそうあって欲しいという願望。
どこまでいっても凡人な己に吐き気を覚えても、湧き上がる言葉を抑えられない。
「頼む、僕らを助けてくれ。」
治療系の能力を持っているかも知れない。
万に一つの可能性を信じて頼んだ願いは、意味の分からない針の音で返される。
首を横に振っているところから見るに、力がないのか、助ける気は無いのか。
詰まるところもう僕は助からない。
最後の力が抜けて体がへたり込み、恥ずかしさに口角が歪む。
意思疎通ができるかすら分からない相手に命乞いをしたなんて。
卑屈な笑みが自然と浮かび、次いで視界が狭くなる。
その薄れゆく意識の中、最後に聞こえたのは
「システム起動ー」僕らの死を無視して機械的に動くカルデアスと。
更に忙しなく鳴り響く時計の音。
そして、鎖が勢いよく動いたかの様な轟音だった。
爆発で倒れた彼らが見える。
駆け寄ろうかと思ったが、炎が私の行手を阻んでいる。
〈何が、あった?〉
これが何を意味するのか。
分からない。記憶を失った私には分からない。
ただ、予想通りでは無かったのだろうということだけは彼らの顔を見て理解できる。
悲壮感に溢れた顔達。絶望に歪んだ顔。
言葉は通じない、文字も分からない。
聞こえる言葉の意味は分かるけれど、それを伝えることは出来ない。
だからこそ互いに理解し合うことはできなかった。
それでも、彼らがこの仕事に熱意を持って、
己の全てを賭けるかの様な使命感を抱いていたことを、私は知っている。
〈誰か、誰か生きていないのか!?〉
必死に声をかけるが、意味は通じていないだろう。
ふと、この地獄の中でも動く者に気づいた。
カドックと名乗っていた彼だ。
生きていたことを喜ぼうとしたが、傷が深いことに気づく。
急いで助けようとし、
燃え盛る中に飛び込もうとしたが耐えられず戻ってしまう。
誰かに助けを呼ぼうにも私の言葉は通じない。
彼も私に気づく。苦しそうな顔で、それでも笑いながらこう言った。
「頼む、僕らを助けてくれ。」
無理だって。私は助けを呼ぶことすらできないんだ。
〈・・・申し訳ないけど、私にはどうしようもない。〉
声を出せども伝わりはしない。
私にできることはないんだ。だから、そんな顔で見つめないでくれ。
『そうではありませんよ、ダンテ。』
〈誰だ!?〉
唐突に誰かの落ち着いた声が聞こえる。
慌てて周囲を見渡しても誰もいない。
起き上がる人も、生きている様に見える人も。
『彼らはまだ救うことができますし、
救うことが星位を刻むことにも繋がります。』
知らない女性の声が頭に響く。
〈星位を、刻む?一体何を…〉
その言葉に心を動かされる。
全く知らないのに、なぜか己の生きる目的かの様に胸に残る。
『だから、顔を上げ、星を見上げてください。』
『そして、もし彼らを救いたいのなら、
私がこれから話す言葉を復唱してください。』
『お前の星に従え。』
何も分からない。彼女が誰か、私が誰か、星位を刻むとは何か。
そもそもどうやって彼らを救うのか。
それでも私は、できることなら彼らを救いたかった。
〈お前の、星に従え。〉
瞬間、頭の中で何かが音を立てながら落ちてゆく様な感覚。
そして生まれる幾つもの鎖が突き刺さり、突き刺される様な痛み。
それと同時に視界の隅で、私の体から彼らの方へと私から向かっていく鎖。
〈はっ・・・う、うわぁああっ!!!〉
とてつもない激痛に耐えきれず、悲鳴を上げたまま腰を抜かす。
ただひたすらに苦しみは襲い来て、震えて堪える事しかできない。
気づいた時には鎖は既に消えていて、何かが変わった様子も無い。
〈一体、何が・・・〉
『これにて契約は完了です。そしてこれからは彼らを甦らせる番です。』
〈何を言っているんだ?〉
『さあ、時を巻き戻しましょうか。』
再び起こる耐え難い激痛、心臓が引き裂けんばかりの痛み。
全身が壁に叩きつけられる様な、炎に焼き焦がされる様な、地獄の苦しみ。
心臓の次は頭、腕、胸、とにかく体の全部位を潰されるかの様な痛み。
〈がああぁぁぁぁ!!!〉
やがて、決して終わらないかと思った
地獄の苦しみが収まり、薄れゆく意識の中で見えたのは、
「何が起こったんだ?」「・・・想定外だ。」「あら。どういうこと?」
困惑しながら起き上がる8人と、
赤く染まり煌々と輝く天球だった。
[アンサモンプログラム、スタート。
霊子変換を開始します。]
サーヴァントプロフィール系ダンテ
ダンテ
クラス:?????
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力? 幸運? 宝具EX
身長/体重:???cm/??kg
出典:『神曲』? limbus company
地域:[都市]
属性: 中立・善 副属性:人 性別:男
スキル カリスマ:E-
上に立つ者の素質を表すスキル。
彼の場合、ある程度の才はあるが
記憶を失っている為クラスは低くなっている。
時計頭:EX
現代の技術では再現不能な産物によって、彼の頭は構成されている。
魔術による干渉すら防ぐこの時計がどこからやって来て、
本来の頭がどこに行ったのかはダンテ本人すら分かっていない。
食事などは出来ないが、
代わりにありとあらゆる精神被害、ガスによる毒などの状態異常を防ぐ。
囚人契約:A+
他者を己の囚人とすることが出来る能力。
発動できるタイミングは一度のみだが、
一度囚人とした者には二つ目の宝具が適用される様になる。
また、一部の本来この世界に存在しない物質を用いることで、
囚人を強化することもできる。
宝具 限定起動/硝子窓:EX
詳細不明
仮想展開『お前の星に従え』:EX
囚人となった者を対象として、蘇生/治療を行うことが出来る。
時間の遡行によるものか、シンプルに死者を甦らせているのかは不明だが
いずれにしろ[魔法]の領域に入っている宝具。
このサーヴァントの最も強力な能力ではあるが、
治療のたびに対象が味わった苦痛と同等の苦痛を味わう欠点がある。
カルデアの英霊召喚実験成功例の二人目。
本来ギャラハッドがマシュの体に召喚されるはずだった儀式で、
何故か霊体を持ったまま召喚に成功した。
召喚した当初の頭は時計では無かったが、状況を理解するや否や
いつの間にか首を挿げ替えていた。
情報を取ろうと数多くの実験が行われたが意思の複雑な伝達に失敗し、
危険な実験は貴重なサンプルの喪失を恐れて行われなかった。
多分続かない。続きを思いついたら書きます。