人理保証機関カルデア 英霊召喚第二成功例ー時計頭 作:無頼Doボデド
図書館のゲストになって、ついでに狂気も全てかなぐり捨てる予定なので
次の投稿は遅れます。
度を越して駄文になってるのでご注意!
骸骨の群れから逃げ延びて数分。
必死にカドックの教えてくれた方向に向かっていくと、
聞き覚えのある女の声が聞こえてきた。
「レフ、誰か、誰か他にいないの!?
ああもう、誰か、誰か!生存者は他にいないの!?」
〈あの声って!〉
「ああ、所長だ! 無事だったか、取り敢えず急ぐぞ!」
私も何度か見たことがある人だ。
所長と呼ばれていて、レフって人にそばにいてもらってた。
あの管制室にもいて、爆発には・・・
どうだろう、煙とかもあってよく見えなかったかな。
覚えてる感じとしては、いつも何か焦っているように見える人だった。
・・・・・・最も、今ほどは焦っていなかったと思うけど。
「大丈夫か!?」
「カドック!? 良かった、Aチームと合流できるのは大きいわ。」
「カドックさん?」
近づいてようやく分かったけど、ここにはもう一人いた。
いつもはマシュと呼ばれていた無口な少女だ。
彼女もあの時管制室にいた。
それでもやっぱり、どの程度爆発に巻き込まれてたかどうかは覚えていない。
私はあまり関わったことがないけど、
カドックたち他のAチームの皆とはある程度距離があったと思う。
あの所長と呼ばれる人とも。
〈取り敢えず無事で良かった。怪我とかはない?〉
「待って、どういうこと!?
なんであのサーヴァントがこんなところにいるの!?
そいつはレイシフトを見るだけのはずだったじゃない!」
「本来来る予定じゃなかった所長もこの場にいるじゃないか。
爆発とかの影響で何か異変とかが発生したんだろう、
何かしらのせいであの部屋にいた連中が飛ばされたんじゃないか?
取り敢えず僕は目覚めたらすぐ近くにこいつが居た。
色々あったが、取り敢えず今は一緒に行動してる。」
「ああもう、問題が発生しすぎよ!一体何が起きてるわけ!?
本来の計画と全然違うじゃない!これを魔術教会にどう説明したら・・・
いえ、今は違うわね。とにかく理解はしました、
一応聞くけれどそのサーヴァントについて分かったことは何かあるかしら?」
「もう分かってると思うがかなり分かったこと、変わった事があるんだ。
そこら辺を全部話したいんだが、いかんせん話が長くなる。
ひとまず落ち着ける場所を用意しないか?そのタイミングで話すさ。」
「まあ、いいでしょう。それまで待ちます。
ただし、そいつは何を考えてるか分からないんだから
問題とかを起こさないようにしっかり制御しておきなさいよ!」
「ある程度は心配ないと思うぞ・・・多分。」
未だに私は警戒されてるようだ。
二人からは露骨に距離を取られている。
まあこんな時計頭の人間、疑われても仕方がないか。
「一応聞くが、他にAチームの皆は見つかってないのか?」
「ええ、これに巻き込まれてから会ったのはあなた達が最初よ。
マシュと私はほとんど同じところにいたわ。」
「それなら所長、これから僕らはどうすれば良い?
皆を捜索するか、それとも問題が発生したから一旦帰還するか。」
「帰還なんて有り得ないわ! 今帰還して何になるのよ!
そもそも誰がレイシフトに巻き込まれたのかを確認しておかないといけないし、
まずこんなので死ぬメンバーじゃないでしょう!?
ひとまずは行動のための簡易拠点を建てます。
マシュ、あなたの持ってきた盾を貸してちょうだい。
それを触媒にして召喚サークルにしつつ、カルデアの管制室への目印にするわ。」
「はい。分かりました。」
マシュが引きずってきた十字の盾?を所長が触ると黄色の粒子が舞い散り、
そして周囲が青と幾何学的な模様に囲まれた幻想的な空間に移り変わる。
〈・・・魔術師って凄いな。〉
「まあ、見た目はキレイだよな。
ただ、今のうちにこういうのには慣れとけ。
他の連中はもっとヤバいこともできるから。」
〈君達ホントにすごいね!?〉
「・・・・・・」
ふと気づくとマシュが私をジッと見つめている。何か伝えたいことでもあるのだろうか
と考えて、今までまともに彼女とは話したことがないことを思い出す。
何を話すべきか、まず言葉は通じるのか、そんなことを考えていると・・・
『やっと安定した! もしもし!!繋がっているかい!?
こちらカルデア管制室、そっちは大丈夫!?』
〈ロマニさん!?〉
確か何度も私に話しかけてくれた緩い白衣の人だ!
筋力調査だったかなんだったかをひたすら調べられた記憶がある。
確かみんなにはDr.ロマニとかドクターとか呼ばれていたかな?
管制室には確か居なかったと思うけど、というかなんで彼がここに出るんだ?
「ドクター!?」
「ロマニ!? 何故あなたが出るの!?
レフは、レフはどうしたの? レフを出しなさい!」
『所長!? マシュ!? よくあの爆発で生き残ったね!?
大丈夫、怪我は無いかい? ダメだ、あんまりよく見えないな。』
「いいから答えなさい!何故医療セクションのトップがそこにいるの!?
他の人員は、レフは一体どうしたの!?」
『・・・・・・もう、他に人員なんていないんですよ、オルガマリー。
生き残ったカルデアのスタッフは僕をいれて20人に満たない。
僕より上の権限を持つ人がもう誰もいないから、
僕に作戦指揮が任されているんです。
レフ教授は管制室でレイシフトの指揮をとっていました。
あの爆発の中心に立っていた以上、生存は絶望的だ。』
「そんな・・・ 生存者が20人にも満たない?
それじゃあマスター適性者やコフィンは?」
「40人が危篤状態、Aチームに至っては爆心地にいた都合で、
全員コフィンから吹き飛んで、死体すら残っていません。
危篤状態の残りの彼らも、何人か救えたとしても全員は・・・」
「待て、待ってくれドクター。ご覧の通り僕は生きてる。
他のメンバー達も生きてるんじゃないか?」
『カドック!!!? 嘘だろ、致死量レベルの出血の痕跡があったんだぞ!?
なんでそんな無事で、いやなんでもいい、兎に角無事でよかった!』
「待って、それならもしかして!」
『ああ、それなら他のAチームも、レフも生きてるかもしれない!
というのも彼ら全員共通して死体が無かったからね!』
「良かった、レフは生きてるかも知れないのね!?
そしてロマニ、コフィンに入っているマスター候補達は瀕死なの?」
『数人は救えるけど全員を救うには時間が足りない。
誰を救うか選ばないと・・・』
「ふざけないで、所長であるオルガマリー・アニムスフィアが許可します。
コフィンの機能で、全員を冷凍保存しなさい!
蘇生方法は後回しでいい!とにかく人命救助を優先!」
『成程、コフィンにはそういえばその機能があった!
至急手配します!』
(本人の許諾無しの冷凍保存はかなりの犯罪だったはずだが・・・
思ったより決断が早いんだな。
僕もまだ、完璧には所長のことを分かってなかったか。)
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「状況は分かったわ。まあ私でも同じような対応を取った
と言えるくらいには貴方もしっかりとした判断をしています。
いいでしょう、貴方に一時的な作戦指揮権を委任します。
カルデアの問題の現在できる範囲の解決をしておいて下さい。
私たちはこれからこの街でカドック、マシュの両名と共に、
このサーヴァントを連れて残りの人員の捜索などを行います。」
『危険はないのかい!? 一回戻った方がいいんじゃ・・・』
「所詮ここら辺にいるのは、スケルトン、いても竜牙兵ぐらいよ。
どちらも低級の怪物だし、特に問題はーー」
「くっそ! おい、キリシュタリアいるか!?
助けてくれ! コイツは俺が相手するには無理だ!」
〈うわっ!!〉
私には入れなかった会話は、悲鳴によって唐突に断ち切られた。
近くからは刃物がぶつかり合う音が聞こてきている。
「おい待て、今の声はベリルじゃないか!?」
「嘘でしょ、ベリルが勝てないレベルのやつがここにいるの!?」
ベリルガット、Aチームのメンバーの一人だ。
いつもただおちゃらけていたように見えたけど、
皆の反応を見る限り実力はちゃんとあったようだ。
さっきあの凄いのを見せた所長が驚いてるってことは、彼女以上なんだろう。
それでも逃げようとするって、どれだけその相手はー
ん? 逃げようとする? どこかに?
待てよ、これ、不味くないか?
〈ねえカドック、ベリルはどこに向かっていると思う?〉
「それは強い魔術師、キリシュタリアとかがいる方だろ。
ベリルは力量を見誤るような奴じゃないし、あいつが逃げてるってことは、
逆に言えば逃げて誰かを見つけられれば対処できるってことだ。」
〈もう一つ聞きたいんだけどさ、魔術師ってどういう場所を探すんだっけ?〉
「・・・マズイな。 所長、臨戦体制に入るぞ! ベリルはここに多分逃げてくる!」
(僕がアイツなら、霊脈地に皆が時間で集まると考える。つまりアイツは、
ここにキリシュタリアとかがいる可能性に賭けて逃げてたんじゃないか!?)
「はぁ!? ちょっと、嘘でしょ、ベリルで勝てないのに私たちで勝てるわけ、」
『何があったんだい!? ちょっと、大丈・・・』
「ドクターうるさい! 一旦通信を切る、また後で連絡は繋ぐわ!」
「3人でかかったら物によっては希望がある、取り敢えずー」
どんどん金属音と戦闘音が近づいてくる、そしてついに・・・
「おい、誰か助けてくれよ!? 誰もいないのか!?」
ベリルが拠点の前に出てきた。ほんの一瞬でこちらに誰がいるかを確認したようだ。
苦しそうだったが希望のあった顔が、唐突に苦々しく歪む。
「チクショウ、しくじったか!」
「おいベリル、大丈夫かー」
瞬間、ベリルの首が宙を舞う。
〈は?〉
「嘘だろ・・・」
「え、そんな・・・」
「ベリル、さん?」
飛び散った鮮血が、私たちを赤く染め上げる。
ごろんと転がった首は、光を失って地面を見つめている。
とんでもない速度でベリルの首を掻き切ったのは、長い紫髪の女性だった。
「逃げなければ優しく殺してあげたというのに。」
そう呟きながら平然とこちらに近づいてくる彼女に、
私たちは逃げることも、戦うこともできない。
見ただけで分かる圧倒的な実力差。あの速さに、勝てる気がしない。
絶対的な格差を前に抵抗する気も起きはしない。
「サー、ヴァント・・・か。」
カドックは震えた声で、現状を言葉に出し。
「イヤ、嫌嫌イヤ嫌、嫌、いやぁぁ!!!!!」
所長は目の前の惨状にパニックを起こし。
「ベリル、さん?」
マシュは動揺の余り動けていない。
斯く言う私も
〈ここで、終わりかな。〉
腰が抜けて動けやしない。
ゆっくりと近づいてくる彼女は、たまたま一番近かった私へと狙いを定める。
手に持った鎌が見た目だけでないことは、
滴り落ちるソレと先ほどの光景が証明している。
「おや、貴方もサーヴァントでしたか。
あまりに弱そうなので、普通の魔術師かと思いました。」
その言葉で、私もサーヴァントだったと思い出す。
何がサーヴァントなのかも分かってないし、彼女ほどの能力も持ってないけど。
「スキルの一つも使わなかったと言うことは、優しく殺されたいと言うことですね?」
待てよ、なんでそんなこと私は決めつけるんだ?
私だってサーヴァントなんだろう?
彼女と同レベルの凄い存在とするならば、
もしかしたら、私にも何か、隠された力があるんじゃないか?
「では、お望み通り・・・」
頼む、どんな力でもいい、何かあるんなら起動してくれ!!
「ならば、お任せください、ダンテ。」
また、頭の中でいつもの彼女の声が聞こえる。
私が困った時に助けてくれる声。
でも、何か力が生まれると言った感覚は無い。
そして、タイヤの擦れる轟音を最後に、私の意識は暗闇に消えー
タイヤの擦れる轟音?
「があっ!!!?」
目の前を見上げると、さっきまで紫髪の女が立っていた場所にはバスがあった。
「は?」
「・・・え?」
「・・・・・・・・・?」
〈一体、一体何が?〉
「グボッ、ガハッ!
罠、でしたか、ですがこの程度では・・・!!」
急に現れたバスによって、あの女は壁まで叩きつけられたようだ。
・・・バス? なんでこのタイミングでバスが現れるんだ?
なんでわざわざバスなんだ?
〈これが、私の能力なの?〉
「はい、ですがこれはまだ一端ですよ、ダンテ。
まずは全員を中に避難させることをお勧めします。」
視界の片隅で、奴がそろそろ立ち上がりそうなのが見える。
〈全員、バスの中に入って!!〉
「! ああ、了解した!!」
「は? カドック、貴方急に何を・・・」
「所長、悪いが担ぐぞ!」
「ひゃあっ!?ちょっと、何するのよ!?」
「マシュ! 急げ!」
「了解です!」
各々バスに向かって走り込み、そしてなんとか入ることに成功する。
盾を持っていたせいで一番遅かったマシュが、扉を閉めると同時に轟音が鳴り響く。
ギリギリのタイミングだが私達は生き残ったようだ。
しかし、
ギリィ、ギリィ、ガキンガキン!
バスの外身のあちこちが攻撃を受けている。
武器の都合もあってか、すぐには突破されそうにないけど
それでも時間の問題だろう。
「ダンテ、今はこのバスをどうやって出したかなんてことは聞かない。
取り敢えず感謝する、だがこれからどうする?
キリシュタリア達がくるのに賭けるのもいいが、
このままじゃアイツが先に何処かを壊して入ってきそうだ。」
〈ごめん、私も混乱してて・・・
このバスだってよくわからない内に出せたんだ。〉
見渡してもまるで見覚えの無い車内だ。
本当にこのバスってなんなんだろう。
「急に出た能力ってことか。」
「待ってカドック、貴方はコイツの言葉が分かるの!?」
「え? あの、所長。私にも聞こえるのですが、所長には聞こえないんですか?」
「マシュまで!?」
「所長には聞こえてないのか?」
(声が聞こえるのは何が条件だ?Aチームか、レイシフト適正か、それともーー
いや違う、今考えるべきことはそれじゃない。)
「とにかく一旦奥に行こう、外から見えたよりもこのバスはずっと広い。
もしかしたら何か安全地帯がー」
パキン。と、
軽い音が鳴る。見てみればあの女が、入り口の窓を叩き割った所だった。
「くそっ、早過ぎるだろ!」
「よくも面倒なことをさせてくれましたね。まあ、これもそろそろ終わりですが。」
口からは血が出た後があるが、それだけだ。
死にそうな様子も、戦意を喪失した様子も無い。
「手間をかけさせてくれた分、苦しく残酷に殺してあげます。」
〈とにかく全員、奥に逃げ込め!〉
必死に奥に逃げようとする。
しかし、あの速度を相手に逃げ切ることができるだろうか。
そもそもどこまで行っても、最後にはバスの端にたどり着いて終わりだろう。
「ダンテ、抽出室に入ってください。
そうすれば、この状況にも対処できるでしょう。」
〈抽出室ってどこさ!?〉
「その廊下の四つ目の扉、そこです。」
また頭の中に声が響く、この声は本当に誰なんだろうか。
後ろの方では遂に入り口の扉が開け放たれたようだ。
死が私に迫り来る。
いくつも分からないことはあるけれど、
それでも今は一切の疑問を忘れ、ひたすらに走る。
〈ここか、みんなこの中に入って!〉
「うぉおおおお、間に合え!」
「なに、この中に入るの!?きゃあああああ!?!」
キンッ、キンッと金属のぶつかり合う音が
すぐ後ろで聞こえていたが、間に合ったことは奇跡だろう。
ガシャン、と戸が閉まり、次いで金属が擦れる音、
何か柔らかいものが潰れる音が聞こえる。
〈なんとか、ひとまず助かったね。〉
「ちょっと、疲れた、わ。」
「みんな、生きてるか?」
なんとか部屋に入るが、しかし一人分の声が足りない。
〈マシュはどうしたの?〉
「待って、なんでマシュは入ってこないの?」
「まさか、ちょっと待て、少しだけ扉開けるぞ。」
そう言って扉を開いたカドックは、
入り口の方を見ると少しえずき、すぐにまた扉を閉め直した。
「ちょっと、まだマシュが!?」
「見るな! 見ない方が良い。ダメだ。
それよりダンテ! なんで僕たちをこの部屋に連れてきたんだ!?
何か理由があるんだろ、早くするんだ!」
〈ちょ、ちょっと待って! すぐ確認するから!〉
慌てて部屋を見渡すと、中央に鎖で作られた球体が見える。
そしてまた、頭の中に声が響く。
「ダンテ、貴方の手の中に[抽出用チケット]を用意しました。
それを用いることで、貴方の囚人の[持ち得る可能性]を
その部屋で抽出することができます。」
いつのまにか私は微妙に動く、黄色い薄紙を手に握っていた。
〈抽出? 持ち得る可能性?
よく分からないけど、それで現状を打破できるんだね?〉
「はい。ですのでそのチケットを強く握って下さい。」
〈分かった。信じるよ。〉
ただ、強く握りしめる。すると、チケットがサラサラと消えていき、そして・・・
〈!!〉
「なんだ、鎖から光が?」
「これが、貴方のスキル、いや宝具なの?」
部屋の空間の一部が黄色く光り、その光へと鎖が球体から伸びていく。
黄色く光るその場所へ、私も釣られて手をのばす。
光る空間へと飲み込まれた私の手は、その中で確かに硬いものを手に掴む。
力に身を任せて引き抜くと、それはー
〈黄色い、円盤? 写っているのは・・・〉
枠を金色に縁取られた小さな円盤。
その内側には体を氷で囲まれたカドックが、
氷の城をバックに立っている姿が写っている。
下には[TETH 氷の脚]と、まるでラベルかのように刻まれている。
〈これは、一体なんだ・・・?〉
「なんで僕が、こんな見覚えのない格好をして写ってるんだ?」
「無事に抽出が出来たようですね。
それが貴方たちをサポートする力の一つ、E.G.Oです。
それでは、今手に持っている端末へと円盤を入れてください。」
またいつの間にか手には機械を持っていた。
Aチームの皆の名前が刻まれたその機械の[カドック]の欄へと、
体が動くままにその円盤を入れようとしてふと止まる。
〈この円盤を入れたら、どうなるの?〉
「カドックさんが円盤に写っている形態へと変化します。
この形態であれば、サーヴァントが相手であってもある程度の勝負ができます。」
〈何か、問題とかはないの?〉
「・・・この武装は、非常に精神を消耗します。
消耗の度が過ぎると暴走が起き、周囲に被害をもたらす可能性、
それと場合によっては使用者に後遺症が残る可能性があります。」
本当に私の判断でしてしまって良いのだろうか。
ここは一旦、カドック本人に聞いてみよう。
〈カドック。〉
「あの円盤について、説明でもしてくれるのか?
それとも現状打破の方法でも見つかったか?」
〈どちらとも言えるね。とても簡単に言うなら、
あの円盤は写ってる人を写ってる特殊な武装に切り替えるものらしい。
たから、今のカドックは円盤通りの武器を使えるんだ。
そして頼む、あのサーヴァントと正面から戦ってくれないか?
今戦える可能性があるのは君しかいないんだ。〉
「は? 僕が、アレと、戦う?正面切ってか?
・・・一応聞くが武器の性能はどんな感じだ?」
〈分からない。一応サーヴァントとの勝負はできるらしい。
ただ、場合によっては重篤な副作用が起こることだけは分かってる。〉
「アンタ自身は戦わないのか?」
〈私も戦えるなら戦いたいけど流石に力が足りな過ぎる。
というより、今使えるのがさっき引いたカドックのものしかないんだ。〉
「そんなよく分からないもので、あの化け物相手に挑めと?
僕に、それを信じて命を張れと?」
〈本当に申し訳ない。ただ、他に手段が私にはないんだ。〉
〈どうか、戦って欲しい。〉
(考えろ、カドック・ゼムルプス。 今の僕のやるべきことはなんだ?
本当にここで命を張ることが、正しい選択なのか?
焦るな、焦るな、焦るな!)
扉から見えた光景が頭から離れない。
最後まで盾で抵抗したことが伺える少女の最期。
本来、サーヴァントの宿るはずだった彼女にはしかし、誰も宿ることは無かった。
それでも彼女は素の肉体で、それでも盾を使って、
僕らの時間を稼いでくれていたんだ。
本当なら僕らは間に合わなかった、彼女が時間を稼いでくれたんだ。
そしてあのサーヴァントは、その遺体を、いたぶって、それで・・・
分かってる、アレは挑発だ。アイツは僕が見たことに気づいていた。
今も、怒りに身を任せた僕らが飛び出してくるのを待っているから、
楽しい狩りを待っているから、この部屋へと入って来ないんだ。
分かってる。それでも・・・
心の中の復讐心が叫ぶ。仇を討てと。ベリルとマシュの仇を討てと。
反対に心の中の絶望感が叫ぶ。何をしても、お前如きではどうしようもない、と。
だから、諦めてしまえ、と。
なんだ、とっくに自分の中で決まってたじゃないか。
僕は・・・
「ダンテ、僕にその力を使え。癪だけどアンタのために戦ってやるさ。」
こんなとこで何もせずに諦められるような性質じゃ無かった。
絶望に屈するには、まだ早過ぎる。
〈本当に大丈夫?〉
「ああ、これは証明さ。」
「僕にだって、やれることがあるってね。」
「正気なのカドック!? アイツのヤバさは見たでしょう!?」
「見たさ。その上で、僕は馬鹿になって戦いに行くんだ。
それに、もう他に助かる方法もないぞ。」
「ーーっ、ああもう仕方ないわね!良いでしょう、許可します!
Aチーム隊員カドック・ゼムルプス、あのサーヴァントを攻撃しなさい!
そして、必ず生きて戻ってきなさい!」
そう言いながら、所長は僕にエンチャントをかける。
普通の身体強化。アレ相手には雀の涙だろうけど、それでもないよりマシだ。
〈扉をカドックが開けた瞬間に起動するよ、良いね?〉
「ああ、任せてくれ。やってみせるさ。」
どうなるか分からない。誰も予測ができていない。
それでもやるしかない。
〈3、2、1、0!〉
扉が開け放たれ、視界に廊下が広がった。
血の匂いが鼻に広がる。
その瞬間を待っていたかのように、奴の鎌が僕の眼前に迫りー
刹那、周囲の世界は氷の国となる。
寒い、寒い、冷たい、冷たい。
未だ味わったことのない寒さ、心の底まで凍てつく冷たさ。
ロシアの寒さより酷いこの苦しみは、何もかもを凍らせようとする。
体の大半が氷の装束に覆われ、僕はここに立つ。
もはや傍目から見ればただの凍った彫像に見えるかもしれない。
それでも僕は、全てが凍って止まってしまうことはないと知っている。
現に、ほら、僕の心はまだ燃えている。復讐心と悲しみで燃えている。
だから全てが包まれる前に、終わらせようか。
紫髪のサーヴァントはアニメ通りのライダー(?)さんです。
描写盛りすぎたような気がしなくもないけど、
サーヴァントvs人間なんて基本サーヴァントの勝ちでしょ!!
なんならベリルは奇襲された側だし!
よって問題ナシ!モーマンタイ!大丈夫!