人理保証機関カルデア 英霊召喚第二成功例ー時計頭   作:無頼Doボデド

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不純物になれました?ルイナは楽しいです。
哲学と宗教の階の完全解放はクリアできましたか?できません。
ルイナはクソゲーです?大鳥と白夜はクソです。
もしかしてめちゃくちゃ遅いです?申し訳ないです。
正直リアルも忙しいし、これからさらに忙しくなるし
正に! 大変!

ということで続きです。
初めて戦闘描写というものを描いたので下手かもです。


石の瞳/氷の脚

〈これが、E.G.Oの力なの?〉

 

目の前に広がる光景に驚きが隠せない。

先程までの狭苦しい車内は、瞬きの内に変わっていた。

 

水色の氷で出来た世界へと。

 

「ちょっと! 一体何が起きてるのよ!?

 なんで固有結界が張られてー」

 

慌てていたのも束の間、シュンっと地を蹴る音がした。

 

見ればあのサーヴァントが、何かに向かって突進していく。

先を見ると・・・

 

〈カドック?〉

 

いつの間にか遠くに離れ、全身を氷に包まれたカドックがいた。

円盤に写っていたのと同じ姿だ。

ということは、これはやっぱりegoの影響みたいだ。

 

なんてことを考えている間にアレはカドックの元に辿り着き・・・

 

 

──────────────────────────────────────

 

目が覚めると、僕の身体は氷に包まれていた。

不思議なことに寒くはないが、体の震えは止まらない。

これがegoの副作用なのか、というかまずどういう仕組みだ?

 

(いや、それよりまずは)

 

意識が飛ぶ前のことを思い出し、急いで奴を探す。

だが、気づいた時には凶刃はもう目の前だ。

 

「しまっ」

 

(早すぎだろ!)

 

逃げるには遅い、防御は間に合わない。

空を切る鎌の音を聞きながら、せめて最後に一撃を入れようと、

氷に包まれた拳を相手の腹部にめり込ませる。

拳は上手く入りこそしたが、鎖を引く手を止めるには至らない。

(せめてどうにか生き残れれば!)

これから受けるであろう首を切る痛みに耐える覚悟をして

 

 

 

首裏に小さな衝撃のみが走る。

 

鎌に繋がった鎖は、僕の顔の横をピンと張ってはいるが

肝心の鎌は首後ろの突如生えた氷に阻まれて、刎ねるには至らなかった。

あのベリルの首を紙の様に切り裂いた刃が。

先程まで余裕そうな顔をしていたアイツは驚きの表情をしている。

 

 

 

「そんな、バカなことが!?」

 

(サーヴァントの一撃を止める氷ってなんなんだ!?)

 

心の中で叫ぶが、こんなチャンスの時に喜びに浸ってる余裕なんて無い。

この隙にひたすら拳を叩き込む!

 

「何時かは、全てが凍りついてしまうとしても・・・」

 

心の中から浮かんで来た言葉を口に出し、腕に力を込める。

拳の出し方なんて学んだ覚えは無いが自然と体がそれらしく動く。

向こうの動かそうとした腕を殴りつけて動きを止め、

相手の隙を着いてまた頭、腹を殴りつける。

いつのまにか付いていた鳥の脚のようなナックルは

サーヴァントの皮膚だろうと容易く傷を付けている。

 

殴りつけ、叩き潰す。

たったそれだけのことにも動きの最適化はあるわけだ。

素早く強く効率的に武器の動かすまま拳を動かす。

まだ驚いているのか、アイツは逃げも防御もしない。

 

(いや違う! 殴る度に氷が下から生えてきてるのか!)

 

「こんな、ふざけた氷如きが!」

 

逃げよう防ごうとヤツはもがいてはいるが、生み出された氷は足を覆う。

仰け反ることも許さないまま、冷たい拳はヤツに打撃を加える。

やがて下半身の全てを氷が覆い、急に伸び上がり手までも覆い、抵抗は完全に失われた。

顔は下を向き、全身が脱力している。

 

 

 

(成程、確かにこの性能ならサーヴァントとも戦えるな。)

もはやサンドバッグを殴る感覚で、どこか他人事のように考える。

動くことはもう無く、このまま終わるだろうという余裕の元に。 

或いはこれこそがegoの欠点だろうか、思考が落ち着かなくなるという。

 

 

 

 

 

 

まったく、サーヴァントとの戦いで油断などすべきでは無かったというのに。

 

 

 

「あまり、調子に乗らないでもらいたいのですが・・・!」

 

項垂れていたサーヴァントが頭を上げ、目がに紫色に光る。

 

「輝きなさい、キュビレイ!」

 

 

「魔眼!? まず」

 

ピシリ

 

 

 

怪物を狩る寸前まで行けた少年は、だがペルセウスには成れず、

最後の最後の僅かな油断によって石像となった。

たった一瞬。だが必然的な一瞬。

しがない魔術師だった彼に魔眼への、

それもサーヴァントへの防御策なぞ無いが故に、この結末は必然だった。

 

〈カドック!!〉

「そんな、嘘でしょ!?」

 

誰が呼びかけようともう遅い。

堕ちた蛇神に睨まれて、哀れな獲物は固まりついた。

やがて氷の世界は消え、特異点の焼け野原へと場所が変わる。

かつての痕跡は、もはや両者を包み込んだ氷のみ。

 

 

──────────────────────────────────────────

(なかなか、手間取らされましたね。)

こんなことになるのであれば、いたぶるべきでは無かったと少し後悔する。

ただの魔術師にしか見えなかったのにまさかあんな隠し玉があったとは。

彼自身の力か、或いはあのサーヴァントか。

 

(まあ、もう問題はありませんがね。)

先程は時間を与えたからあの武装が起動したのだろう。

だが、今度はもう一切の猶予を与えない。

この足元の氷をさっさと砕いて、獲物を喰らいに行こう。

 

(捕食者に刃向かったことを、せいぜい後悔させてあげましょう。)

 

そうして、皮算用をしながら氷に手を伸ばす。

苦労の後の、美味なる食事に涎を垂らしながら。

 

 

 

 

 

だが。

知るがいい、堕ちたる蛇神よ。

その氷は鳥の脚であり、寒さの権化である。

たとえ使い手が死のうとも、これなる武器は意思持つ武器。

獲物を決して離しはしない。

どうして猛禽に啄まれる蛇風情が逃れられようか。

どうして蛇風情が冬の寒さを前に眠らずにいられようか。

 

一息に折ろうと伸びた腕は、力を喪い脱力していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「◼️◼️◾️◼️◼️! 聞こえているの? 返事をなさい!」

 

懐かしい声が聞こえる。

 

(上姉さま?)

 

目を開き周りを見渡せば、其処は思い出の場所。

堕とされる前の時代、私の愛した形の無い島。

不変の姉様達と過ごしていた愛しい日々。

だが、何故私はここにいるのか。さっきまでの空間はどこに行ったのか。

そんな疑問を差し置いて、私の身体は自然と動く。

 

そして────

 

 

 

 

目の前の愛しい愛しいねえさまのにくを噛みちぎった。

 

「え?」

 

 

 

 

続いてすぐ隣で惚けていた下姉様も噛みちぎる。

 

柔らかい肉が喉を滑り落ちて行く。

 

味に舌鼓を打つでも無く、彼女の体を取り込んで。

 

やけに塩辛いのはただの気の所為だろうか。

無性に水っぽいのは勘違いだろうか。

俯瞰する私のことなど気にもせず、私は凶行を行い続ける。

全ての肉を無駄とせず、己の栄養とする為に。

やがて愛する者を貪った私の身体は真正の化け物と化し、

己の結界を張り新たな巣を築いてく。

暗い暗い世界の始まり。

何処かの英雄譚のための序曲。

 

 

 

 

ああ、思い出しました。

これは───

 

 

 

 

私が楽園を捨てた時であり、反英霊(かいぶつ)となった時だ。

 

 

 

 

過去を引き摺り出されているのだろうか、それとも幻覚だろうか。

なんであろうと、逃れる手段を探そうとする。

思い出したくもない私の過去の過ちに目を塞ごうとする。

それでも過去の私は瞳を閉じず、凄惨たる場を眺め続ける。

忘れ去らんと目を背けていた出来事を直視させる。

耐えられない、耐えられない!

 

何故私はこんなことをしてしまったのか。

自責の念が絶えず胸を締め付ける。

 

網膜に焼きついた姉様達の死に顔が取れない。

驚きと恐怖と苦痛に満ちたあの瞳を忘れられない。

 

何故私はこれを忘れようとしてしまっていたのか。

 

いかなるわたし(メドゥーサ)にとっても、原罪であるこの過去を。

明るい世界が崩れ落ちるきっかけとなった悲しみを。

 

見たくないものを見せる世界への怒りと、思い出すことを恐れた私への憎しみ。

二つの苦しみは胸の内で膨れ上がり、私を憂鬱で押し潰す。

 

 

「ああ、ああぁ、あああああ!!!」

 

そして、私の意識は暗く暗くなっていく。

悍ましい過去を覗き見たまま。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

こうして氷によって蛇は眠る。ただ過去の冷たさを思い出したが故眠る。

暗い追憶の中へともがきながらも深く深く沈む。

 

 

 

そしてただ寒さから逃れんと眠りについたが故

 

「◼️◼️◼️◼️」

 

人の声に耳を傾けることも、危険に気づくこともできない。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

これが最後のチャンスだと、己を奮い立たせて口を開く。

カドックの石化を解呪することは出来ない。

この時計頭のサーヴァントに戦闘を任せることも出来ない。

 

貴重な人材が失われて、私の前で人が死んだ。

今すぐにでも泣き叫びたい、けれどそれをしても何にもならない。

必死に涙を堪えているのは、死を無駄にしないためだ。

今、何故だかあのサーヴァントは動きを止めている。

カドックの置き土産か、あの氷の影響か。それとも魔眼の代償か。

なんにせよ、丁度よくアイツが攻撃も回避もしない、

私も戦闘に参加できる局面だ。

 

サーヴァントに勝って箔を付ける、なんて考えはとうに捨てた。

持てる全てを持ってして、この局面を打破する。

それが私にとって今の使命(オーダー)だ。

(アニムスフィア家当主として、成し遂げなくちゃいけない!)

 

 

宙を見上げ、光輪のその上を見上げる。

暗く赤く、本来の宙に見えないとしても、紛れもなく宙天は其処にある。

星の運行、人の営み。

アニムスフィア家の代名詞とも言える魔術。

天と人の相互関係を利用した大規模魔術。

魔術回路を開き、魔力を注ぐ。

 

 

 

「スターズ」

 星の形。

 

「コスモス」

 宙の形。

 

「ゴッズ」

 神の形。

 

「アニムス」

 我の形。

 

「アントルム」

 天体は空洞なり。

 

「アンバース」

 空洞は虚空なり。

 

「アニマ、アニムスフィア!」

 虚空には、神ありき。

 

 

そして、宇宙から星が降り注ぐ。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

〈カドックの言った通りだ・・・〉

目の前の絶景を見ながら声に出す。

魔術師の凄さをとにかく思い知らされた。

 

カドックは石にされ、引き換えにあのサーヴァントは氷に囚われた。

出ようともがく彼女に対して、所長は何かをこの遠い距離から喋っていた。

私にとっては、彼女が何を呟いていたかは分からない。

でも、この世界にとっては違ったみたいだね。

ただ言葉を話しただけで、空から無数の隕石が降ってきたんだから。

 

一つ一つのサイズはそこまで大きくはないけれど、

超高速で落下する隕石は、正確に氷の中の囚人を容赦無く貫く。

 

〈本当に魔術ってすごいね・・・〉

「これは天体魔術の一種ですね。星の配置を利用する魔術です。

 オルガマリー家はこの力で時計塔のロードの一人まで上り詰めました。」

 

また頭の中で名も知らない彼女が話す。

彼女はどこまでこの世界のことを知っているんだろうか。

 

最初の一つが落ちてからおよそ30秒、隕石の雨がようやく止んだ。

 

〈凄いね所長!! 流石だよ!!〉

言葉が通じないので、パチパチと手も鳴らして賞賛の意を伝える。

「褒め、てるのかしら? ありがとう・・・」

意思は伝わったようだが、とても疲労しているように見える。

 

「て、違う! まずあのサーヴァントが本当に死んだか確認しないと!!」

すぐさま動こうとするが、歩き出してすぐ膝をつく。

「ッ、久しぶりに使ったから、身体が!」

行こうとするオルガマリーを手で静止して、私が確認しに行く。

 

〈うわっ、これは・・・〉

ただでさえ燃え盛りクレーターの多い中に、新たな火元とクレーターが生まれていた。

怪我をしないように気をつけながら近づくと、

氷に覆われたカドックの石像と、血塗れのサーヴァントが居た。

 

氷の大部分は削れ溶けていて、石像にもかなりひびが入っている。

触ってみるが表面は完全な石で、何かが変わる気配もない。

〈カドック、聞こえるか?〉

呼びかけても返事はない。やはり死んでしまっているのだろう。

彼の奮闘のおかげで勝てたのに、何も私にしてあげられることが無いなんて・・・

いや、落ち着いて哀しみに浸る前に、もう片方も確認しよう。

 

反対にサーヴァントの方は、こんな姿になりながらもまだ生きていた。

全身に酷い火傷を負いあちこちを貫かれてなお命を保っている。

体の端々から光っているのは治療か何かだろうか。

 

「流石蛇の英霊ですね。生命力が非常に高いです。」

〈まだ生きてるみたいだけど、どうすればいいの?〉

「退去が始まっているので、このまま放置しても死ぬでしょう。」

〈この光っているのがもしかして退去なの?〉

「はい。サーヴァントは皆、死の代わりにこの様に光となって退去します。

 そして、このまま放置しても構いませんが、有効活用する手段が一つあります。」

〈どうすれば活用できるの?〉

「まずはメフィストフェレスにこの体を運んでください。

 続きの指示は着いてから説明します。」

 

メフィストフェレス、っていうのはバスのことかな?

とにかく、これで説明は終わってしまった。

どう有効活用するのかは分からないけど、ひとまずは運んでいこうか。

 

〈重っ!〉

人だから当然とはいえ、それなりに重い。

ピクピク震える彼女の手から武器を落として、出せる限りの速度を出しながら担いで行く。

心に幾らかの不安を飼ったまま。




ルビと罫線の使い方をようやく学びました。
これでもうどこへでも行けます。

正直ライダーを固くしすぎた気はします。
この世界ではライダーが魂喰いしまくって強くなってた、
ってことにしといてください!

追伸 なんか少し変だった所を修正しました。
   次回はガチャ回です。
   多分短めになります。
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