なお書いている間に三話目が投稿され無事死亡
覚醒前の話がフューチャーされるとは思わないじゃん?
時系列とかキャラ配置が同じ感じじゃないのでこれ以上は難しいかも
―――どうしてこうなったのよ!!
私はヘレン、
生まれてこの方愛されなかったことは無いわ。
両親に愛されて育ち、小学校中学校高校と
もちろん両親に与えられたこの体だけで慢心はしなかった。宝石は磨き上げてこそ美しく光り輝くように体形を美しく保ち、磨き上げた。美しいブロンドの髪、ぱっちりと開いたブルーの目、くびれた腰。運動をかかさず、お金もかけた。みんなから美しいって、褒められたわ。
磨き上げた素晴らしい私なら、どんな男もイチコロだった。
そんな
チアガールとして頭角を現した私は、相応しいパートナーを探した。だって大学生でパートナーが居ないなんてありえないでしょ?
そこで目を付けたのがあのバートンだった。彼はアメフトのランニングバックとして活躍する選手だった。見目も良く、体もほどよい筋肉で、他のゴリラみたいな人より私好みだった。それに、悪いうわさも聞かなかったし、誰とも付き合っていないという話だったので軽い気持ちで粉を掛けてみた。まあ、悪いところがあれば別れればいいしね。
そうしたら……思い出すだけで腹が立つ!
あろうことかアイツは私を振ったのだ。
その場で暴れなかったのを褒めてほしい。理性を総動員して、その場では『そう、残念ね』と言って別れた。その夜、自室の枕と壁紙がダメになったけど、私は耐えたのよ。
他の子達にアイツの話を聞いてみれば、いろいろ出てきた。アイツと仲が良いの人間は、ジョンとドナという二人。
ジョンはバスケ部所属のナイスガイではあるが、ご両親が独特な宗派に属している為か、本人も女性に貞節と慎み深さを求めるそうで、あまりいい話を聞かなかった。
そんなおばあちゃんの時代じゃあるまいし、今の時代女性はもっと開放されるべきなのに、何を言っているのやら。
で、ドナのほうだけど、私は全く知らなかった。聞いた子達も詳しくは知らないらしく、授業にでているのを見たことはあるが、それ以外だと何処に居るのかさっぱり分からないらしい。
男二人に女が一人、そうなれば決まっている。ドナとかいう女に二人が手玉に取られているのだ。
お気の毒様(ざまぁ)とみるべきか可哀想(見る目が無い)のか悩むどころだけれども、私を選ばなかった人なんだからしょうがないわよね?
いやもしかしたらドナって子も男で、ホモの可能性があったり?
「実はバートンって、男が趣味じゃないわよね、ここにいる可愛い子(私が一番だけど)達、誰とも付き合ってないんでしょ?」
「ははは、ありそー」
「相手のジョン君、女性に貞淑さを求めるのって、男趣味なのを隠す為だったり?」
「やめなって、えーと今はLGBTだっけ?配慮しなきゃね」
まったく、私を選ばない男なんて地獄に落ちればいいのよ。あーあ、もっといい男がどこかにいないかしらねぇ。私を一人にしておくなんて人類の損失よ。
私が振られるという信じられないことはあったけれど、それはそれとして私は楽しく生きていた。
でも……そんなキラキラした日常は、外側から崩壊していった。
正体不明の悪魔、そしてそれに対抗できる霊能力者達。
授業中に巻き起こる突然の死、大学中に積みあげられる死体。
悲鳴と怒号。
漂うアンモニア臭。
とびっきりの糞映画のようだった。役者を雇えないから敵の姿が見えないようにしよう。そんな低予算映画が現実に飛び出してきたような有様だった。だが実際何かが、人を物言わぬモノに変えていくのは現実だった。
そんな突如地獄と化した大学。だが一部の集団が見えない《何か》を倒してゆく。それは何とも忌々しい事にあの三人組だった。
「あ、あ、あ、ありがとう」
「とりあえず逃げたほうがいい。図書館は今のところ安全だからね」
「おいバートン、まだ悪魔は居るんだ。話してないですぐきてくれ」
「おーけー、分かったよ。じゃあ気を付けて」
「あ、ちょっと…」
行ってしまった。どうして…どうして私を放っておいて行ってしまうの。
あの男は、どうして私だけを見ないの?どうして私を放って置けるの?
そこには、助けられ、その他大勢になってしまった私が残された。
その日から世界は終わった。日々を楽しく生きる世界から、生き残るための苦行へ……
その後、彼らを中心となった
1週間、1ヵ月、1年経った。
最初のうちは皆我慢していた。
でも人はそんなに我慢強くない。改善しない、それどころか日々悪化する毎日に皆疲弊していった。そうして不満の種が芽吹き、育ち始めた。
「あー疲れたな……」
私は空を見上げる。
生きるために生きてきたが、そろそろ辛い。
髪の毛はくすみ枝毛が目立ち、肌はガサガサに荒れている。若いからこの程度で済んでいるのだろうが、誰にでも誇れた私の美しさは徐々に失われていく。
私でさえこんな有り様で、一部の女性は10も年を取ったように見えるほどだ。
遠くにバートン、ジョン、ドナが見える。
ドナ。ラテンとインディアンの血が混じった女。世界が滅茶苦茶になった後にも関わらず美しさを保っている女。
憎たらしい。どうして私はくすんでいるのにあの女はまだ輝いているのか。
きっと化粧品を独り占めしているんだ。
私を選ぼうとしない男二人。どうして私を選ばないなんてことができるのか。
世界は間違っているわ、こんなの何かの間違いよ。
疲れた頭が嫉妬と怒りで占められる。だが疲れた体は動かない。他の子と話したくても、皆仕事をしているか……死んだかだ。
「ヘレン、君、大丈夫かい?」
声を掛けてくる人がいる。見上げてみればミッチェルだった。
「ええ……ただ、ちょっと疲れたわね」
ミッチェルはこの安全地帯に途中から合流した人だ。彼も
「まったく、美しい顔が台無しだ。これを飲むといいよ。《外》で入手した薬だ、非覚醒者でもすっきりするはずだ」
ミッチェルが封がされた小瓶を差し出してくる。
普段なら多少疑ったのかもしれないが、疲れていた私はそれを受け取り飲んだ。ミッチェルみたいな《美しい目》を持っている人を信じられない事なんて無いからね。
胃に入り込んだ薬は、私の中の疲労を洗い流してくれる。頭が久々にすっきりする。今ならなんでもできそうな元気が湧いてくる。
「なあ、ヘレン、彼らの事どう思う?」
ミッチェルが指し示す方向には例の
「頑張ってると思うけど……優遇されすぎじゃないとかは思うわ。
みんな頑張ってるのに、なんと言うか、綺麗だもの」
思っている事を、一応オブラートに包んでいってみる。
それに対して、ああそうだろうとミッチェルは頷く。
「彼らは一部物資を自分だけで抱えているんじゃないかと疑っているんだ」
「なにそれ……」
そんなこと許されていいの?
「彼ら…特にバートンが管理している地下室の一室があるんだ。
彼はそこから食料なんかをもってくるんだ。でもそこに物資を運び込んだのを見た人は居ないんだ」
「それって」
もしかして物資の独り占めしてるってこと…?
「自分たちの存在感の為に、物資の専有をしていると思うんだ。
そんな事許せるかい?」
許せない…許せないわ。
「許せないわ……でもどうするの?彼強いんでしょ?」
私の言葉にミッチェルはニヤリと笑う。
「裁判さ、前にも開かれただろう。だからさ、君にも手伝ってほしいんだ」
確かに前に裁判は開かれた。コミュニティを破壊するような人物を追い出す為、皆の納得の為に開かれたものだ。
「バートンは《アメリカ人》らしく裁判結果には従うと言っていたさ」
確かに彼は皆の意見には従う人だけれども……
「僕の方でも何人かに聞いてみたが、賛同してくれてる。
それで……君の方でも知り合いに話をしてほしいんだ」
私は迷った。彼らみたいな戦力が失われても大丈夫かって。
でも 彼の《目》を見ていると、確かにここから出ていって欲しいという思いが強くなる。
そう、私の価値を認めない人と一緒にいれる?そうではないでしょう。
「ええ……わかったわ。ちょっとみんなに聞いてみる」
そうして私達は分かれた。
ほどなくしてジョンとドナが仕事でここから離れた隙をついて裁判が開かれた。それは彼をここから出ていってもらうものであったが、結局の所皆の不満のぶつけ先だったのではないかと後からは思う。
辛い日常が改善しないのは誰かが悪い。それが彼らだって皆思いたがったのかも……私もね。
「まったく、私達が居ない時に大それたことを…」
「いやー狙ってたんじゃないのかね」
私とドナが仕事で不在になった時を見計らってバートンを含む我ら三人が
バートンは同じ州、同じ国の人間だからとメシア教の人間もミリシア《自警団》に加えていたことが仇になっていたと思う。
彼らの一部か全体かは分からないが、我々を追放する陰謀の中心に居そうな臭いがする。まったく、天使など崇める連中は主(4文字)への裏切り者であり唾棄すべき存在だ。
食料の分配などを我々(バートン、ジョン、ドナ)が中心となっているのも良くなかった。
特にバートンがガイア連合から食料を買い求めていた為、彼が食料を独り占めしているという噂を否定しづらかった。ガイア連合は日本の組織であり、ここはアメリカだ。裏切りだと捉えられかねない話はしない事にしたがそれが裏目にでた形だ。
結果、
彼らが哀れでならない。私達は多分なんとかなるだろう。バートンが仕入れられる食料があればしばらくは食っていける。それにドナが切り開く予定の地を開墾すれば、なんとかなるだろう。だが、食料供給の半分を担っていたバートンが居なくなれば残された人々は早晩飢える。そうなったとき何が起こるか……
「まったく、陶片追放みたいで気分が悪い話だ」
「いいじゃない、殺されるんじゃなくて追放ならマシでしょ。まあ、私達が抜けてここがどうなるか見ものだけどね」
まったく君は……、確かに此処の人々は足手まといだった。我々に彼らへの指揮権は無く、お願いでしか動かす事が出来なかった。
非効率が非効率を呼び、メシア教の息のかかった人間も使わざるをえなかったのは、今から考えれば失敗だったのだろう。だが次は違うぞ。
開拓地なら先住に従ってもらう。ちゃんとした組織を作り、皆が生き残れる世界を作るのだ。
「悪い顔しているわね。神の愛は無限って説かなくていいの?」
「なに、神の愛は無限さ。ただ人の愛は有限しか無いってことだよ」
牧師様の言葉とは思えないわねとドナは言う。そりゃそうだ、私としてもこの状況に怒っていないわけではないのだ。
コツコツコツ
そこまで考えた時、足音が聞こえた。
バートンが戻ってきたのだろう。彼はここを出るにあたって最期の交渉を行っていた。足音の調子からしてあまり良い結果には成らなかったのだろう。
「ジョン、ドナ、郊外に逃げよう」
「ああ、その言葉待っていたよ」
「適地は選んであるからね」
さて、また忙しくなるぞ。
彼らが供給していた食料は結局どこから持ってきていたか分からないまま。彼の持ち出してきた部屋を覗けば、そこそこの広さの、何も無い部屋が残されていただけだった。そこには食料はなく、ポツンと何故か自動販売機だけが置いてあった。
そこから足りない食料をめぐって責任の押し付け合いから殺し合いに至るまではそう掛からなかった。なんとか纏まっていた
私は強そうな人に取り入る事でなんとか生き延びている。
ミッチェルはあの裁判のあと見ていない。
分裂したどこかにいるのか、死んだのか……それとも悪魔だったのだろうか。
ぼーっとした頭で歩いていれば破壊音が聞こえる。
疲れ切った私はその音の元に足を向ける。バートンが食料を隠していた―そんなものはなかったが―場所だった。
何人かが置いてあった自動販売機を破壊している。
「えっと、何をしているの?」
そのうちの一人に声を掛ける。
「あん?、ああ、こいつの中になんかのこってないかってな!」
そういうとハンマーで殴り、バールのようなものでこじ開けを続ける。
「なんだよ……ジュースが数本かよ……ほらよ」
一人が私に一本放り投げてくる。
「あ、ありがとう」
「いいってことよ……じゃあさ、これからいいだろ?」
そう言うと粘ついた笑顔で私の腰に手を回してくる。
私の価値ってもうこの程度になってしまったのかしらね……
そう悲しんでいる時外から悲鳴が聞こえる。
『きゃあああああぁぁぁ』
「えっ」「な、なに?」「な、なんだよ!?」
急いで外に出てみれば、私には見えない
その光景を見た私は急いで逃げ出した。
どうか私を狙わないように。
私は幸せになりたかっただけなのに、どうしてこうなったのよ!!
大学でバートンと出会ってから酷いことに巻き込まれてばかりいる。
彼が、彼らが悪い!私のことを幸せにしない連中が憎い!
そう思いながら必死に足を動かす。生き延びるために。
そして大声で主張したい。
―――どうしてこうなったのよ!!
がんばって隙間にねじ込んだので話がちょいとおかしいのはゆるしてもろて
いやまさかネタ元がザマァ物語になるとは思わなかったぜ